“社外秘”の黒い冊子に…「部下の生殺与奪権与える」、ビッグモーター保険金不正請求問題【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

“社外秘”の黒い冊子に…「部下の生殺与奪権与える」、ビッグモーター保険金不正請求問題【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

“社外秘”の黒い冊子に…「部下の生殺与奪権与える」、ビッグモーター保険金不正請求問題【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

中古車販売大手「ビッグモーター」が保険金を不正に水増し請求していた問題。JNNは「ビッグモーター」の組織方針が書かれた「経営計画書」を入手しました。

■経営計画書に「部下の生殺与奪権を与える」

日比麻音子キャスター:
不正請求問題について詳しく見ていきます。
社長から各店長にこのようなLINEが送られていたということが明らかになりました。

ビッグモーター 兼重宏行 社長(各店長に宛てたLINE)
「メディアの常として、全社員の2%にも満たない一部のBP(板金塗装)社員の過去の不祥事でも、世間の関心を集めるために、会社全体の組織ぐるみだと決めつけて報道しています」

この内容の意図についてです。
7月21日にJNNの取材に対し、兼重社長側は「従業員を激励するために送ったもの」としたものの、「不適切な内容が含まれていることについて、猛省しています」と話しています。

ただ、こういった内容に関して、SNSではこのような反応があります。

SNSの声
「この規模の会社で、2%も不祥事をはたらいていたら、大変なことだろう」
「こんな事をやってないで、早く記者会見を開いた方がいいと思う」

さらにJNNの取材で、社員らに配られていたとみられている「経営計画書」というものが明らかになりました。

表紙をみると「第42期」と書かれていたので、毎年出されているものとみていいと思います。「能力と考え方」という項目で表になっているんですが、この内容を見ていきます。

〈能力と考え方〉
A→能力○ 考え方○
B→能力× 考え方○
C→能力○ 考え方×
D→能力× 考え方×

A、会社と社長の思想を理解でき、受け入れる、そして、仕事の能力もある。会社の為に是非とも協力してください。

B、会社と社長の思想を理解でき、受け入れる、しかし、仕事の能力はない。能力のないことは気にするな、よい上司をつけます。

C、会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある。今、すぐ辞めてください。

D、会社と社長の思想は受け入れないし、仕事の能力もない。早く辞めてください。
※ビッグモーター 経営計画書より

こういったメッセージが書かれているわけです。それから「その他」の(2)を見てみます。

〈その他〉
(2) 経営方針の執行責任を持つ幹部には、目標達成に必要な部下の生殺与奪権を与える。
※ビッグモーター 経営計画書より

この言葉を調べてみると…
生殺与奪権→生かすことと殺すこと。どうしようと、思いのままであることの権利
※広辞苑より

こういったものが、方針に書かれているわけです。

■「社長と意見もあって、さらに能力もある」この組織で勝ち抜いていく人とは

井上貴博キャスター:
やはり根深いなと思うのが、こういった明らかに組織ぐるみで行っていた犯罪行為である、企業としての責任というのは重々問われるわけですけど、どうも報道に出てくることを見ていると、社長や経営陣が今回の件をそんなに響いてないといいますか。これは理解に苦しむという対応が続きますね。

産婦人科医 宋美玄さん:
もちろん厳密に不正が組織ぐるみだったかというのを判断するのは難しいのかもしれないですけれども、出てきたものを見る限り、この組織で上の方に上がっていけるのは、かなり特殊な人なのではないかと思うんですよね。

社長と意見もあって、さらに能力もある。「生殺与奪権」というのは普通、部下などには使わない言葉だと、私も小さな経営者ながら思います。そこで勝ち抜いた人たちでできた組織というのは、やはり少し感覚がずれていってしまうのかなという印象がありますね。

井上キャスター:
異常な状況が組織の中では当たり前になっていた、常識になっていたと?

産婦人科医 宋美玄さん:
そうでないと、不正があったのに「全体の2%にも満たない」みたいな単語が内部で普通は出ないですよね。

■“水増しの可能性がある事例” 1275件 総額約4995万円

日比キャスター:
そして今回の不正請求に関して、今後の対応が複雑になっていくのではないかと見られています。

7月18日時点での発表です。「水増しの可能性がある事例」は少なくとも1275件、総額で約4995万円ということで、ビッグモーターは返金の手続きを進めるということですが、「返金の状況」は、177件、総額で約662万円です。

今後、これだけの金額を、どのように対応していくのかに関しては、保険会社が絡んでいくことになるわけです。

今回、不正請求によって等級が下がった契約者がいるわけです。つまり本来の等級に戻すかどうかの意向の確認を、保険会社が行わなければならないということなんです。詳しい弁護士に話を伺いました。

ALG&Associates 谷川聖治 弁護士
「不正請求で保険料が割高になった人への対応」
→等級が下がると、保険料は上がるということになるので、不正請求によって割高になった人への対応が今後必要になってくる。

谷川聖治弁護士は「どこからが不正請求なのかを、調査・判断するのは難しい。前例のないことなので、解決…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230721-6098907)

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