急増!熱中症?それとも感染症?「見極め難しい」逼迫する医療現場(2023年7月20日)

急増!熱中症?それとも感染症?「見極め難しい」逼迫する医療現場(2023年7月20日)

急増!熱中症?それとも感染症?「見極め難しい」逼迫する医療現場(2023年7月20日)

 各地で危険な暑さが続いていて、「熱中症」と「新型コロナ」の患者が急増することで逼迫(ひっぱく)する医療現場が増えています。同時の対策が難しい「暑さ」と「感染症」。番組では両立させている現場を取材しました。

■緊迫!訪問診療に“依頼殺到”

 最高気温32.6℃。真夏日の東京。30℃を上回るのは実に15日連続です。正午の湿度は64%と蒸し暑く、ジメジメした体感に。

 東京では20日午後3時までに熱中症とみられる症状で9歳から91歳までの男女20人が病院に搬送されました。訪問診療の現場も逼迫しています。朝から依頼の電話が鳴りやみません。スタッフ総出で対応に追われています。

 ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長:「最近だと『発熱』『熱中症』が多い。それ以外に『腹痛』『胸が痛い』『まひが急に出た』『帯状疱疹(ほうしん)』色々いる」

 消防庁によりますと、熱中症による救急搬送は10日からの1週間で8100人を超え、去年同時期の2倍以上に及んでいます。

■「見極め難しい」逼迫する医療

 緊急の依頼が入り向かったのは喉の痛みや倦怠(けんたい)感を訴える56歳女性の自宅です。熱中症か、それともコロナなどの感染症か。夏は判別が難しいケースが多いといいます。

 ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長:「どう見ても典型的な熱中症でもコロナ検査をして陽性だったり、陽性でフォローしている間に熱中症になったり」

 夫と暮らす56歳の女性。37℃の発熱があり、3連休のころから調子が悪いといいます。

 田代院長:「どんな症状が?」
 女性:「喉が痛い。たんが濃くなって出やすくなった。せきが少し出る」

 コロナの検査をした結果、「陽性」でした。

 田代院長:「今のところ軽症なので入院の必要はない。しっかり部屋を涼しくして水分と食事を無理なく取ってほしい」

 訪問診療の現場ではコロナ感染と熱中症疑い、その両方が入り混じっているのが現状です。

 ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長:「熱中症に見えて実はコロナが隠れていたケースは多い。ついつい熱中症でぐったりしすぎていると、コロナの可能性を忘れてしまって熱中症としての介入を始めてしまう。発熱=コロナの検査をしないと取りこぼしてしまう」

 住宅地にある小児科でも発熱患者が急増しています。この時期、発熱者の診察はベテラン医師でも難しいようです。

 みわた小児科 三輪田博介院長:「すべて熱が出る。感染症で熱が出ているのか、熱中症で熱が出ているのか、見極めないといけない」

 実際、高校が休校になる事態に。福岡西陵高校では全校生徒の4分の1がコロナや発熱などで欠席となり、教育委員会は21日まで休校すると発表しています。

■“苦肉の策”窓を開け冷房20℃

 教育現場では今、2つの対策を同時に行うことを迫られています。

 川崎市立坂戸小学校 山川佳美校長:「熱中症対策と感染症対策、両方合わせて取り組んでいる」

 「熱中症」と「感染症」同時の対策とは。

 川崎市立坂戸小学校 山川佳美校長:「教室の後ろの方にエアコンがついている。これは暑さ対策。感染症対策は窓を開けている。暑さ対策と感染症予防の対策を両方兼ねてやっている。今、子どもたちは別の教室で勉強しているが、このような状態でも(エアコンを)付けたままにしておかないと温度が上がってしまうので」

 相反する2つの対策。エアコンの設定温度を20℃まで下げないと、涼しさを保てないといいます。苦肉の策で生徒たちの安全を確保しています。

 校内アナウンス:「休み時間になりました。きょうは屋上や体育館で遊ぶことができます。熱中症に気を付けて遊びましょう。また、適宜、水分補給もしっかりしましょう」

 熱中症のリスクが高まる運動。事前に「暑さ指数」を確認したうえで判断しています。

 教員:「これは暑さ指数を計っている。今27.8なのでまだ注意しながら遊ぶことができる。31を超えた時には運動を中止している」

 21日は西日本や東海などで真夏日が続出し、引き続き厳しい暑さとなりそうです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事