“小麦”など穀物価格高騰の可能性 ロシアの輸出合意“停止”で食料危機の懸念も【news23】|TBS NEWS DIG

“小麦”など穀物価格高騰の可能性 ロシアの輸出合意“停止”で食料危機の懸念も【news23】|TBS NEWS DIG

“小麦”など穀物価格高騰の可能性 ロシアの輸出合意“停止”で食料危機の懸念も【news23】|TBS NEWS DIG

小麦をはじめとする穀物価格が高騰するのではないかとの見通しが広がっています。ロシアがウクライナ産の小麦などを安全に輸送するための合意を停止すると発表したためです。世界有数の穀物生産国・ウクライナの輸出が滞ることで、穀物価格の高騰や食料危機を招くのではないかとの懸念も出ています。

■小麦など穀物価格“高騰” 高まる懸念

東京・恵比寿のイタリア料理店「バーチョ ディ ジュリエッタ」は、値上げせずに踏ん張ってきたといいますが、穀物価格がさらに上昇するとの見通しもあり、総料理長は頭を抱えます。

バーチョ ディ ジュリエッタ 柳田慎一 総料理長
「正直、厳しいです。ひょっとしたらやむを得ず、メニューの方は値上げをさせていただくかもしれませんけど、ちょっと今の段階では様子を見ているような段階です」

穀物価格の高騰と世界的な食料危機。その懸念が高まる背景には、ロシアのウクライナ侵略が…。

■穀物輸出合意“停止” 日本にも影響か

世界有数の穀物輸出国のウクライナは、穀物を戦闘中でも安全に黒海を通じて輸送できるようにロシアとの間で合意を結んでいました。しかし、ロシアが17日、一方的に合意の停止を発表。穀物の安定供給が不透明な事態に。

アメリカ トーマスグリーンフィールド国連大使
「ロシアは人類を人質に取った」

ロシア側は「海上輸送路を隠れ蓑にウクライナが攻撃している」などとして、合意停止の正当性を主張していますが、国連安保理では各国の批判が集中しました。

また、日本政府はロシアを非難した上で、「世界の食料供給」への影響に懸念を示しました。

ウクライナの穀物輸出が滞ることで、影響を受ける国の中にはアフリカ諸国もあります。2022年7月以降、この合意を通じて3200万トン以上が輸出され、ソマリアなどでの食料援助にも活用されてきました。

国連のグテーレス事務総長は「世界中の困窮する人々に打撃を与えるだろう」と指摘します。

“食料危機”は回避できるのでしょうか。

■日本の小麦価格にも影響か ロシア「穀物合意」停止

小川彩佳キャスター:
ロシアの「穀物合意」の離脱は日本にも影響がありそうです。

山本恵里伽キャスター:
まず、問題の発端はロシアがウクライナ侵攻で黒海を封鎖したことです。そもそも黒海はウクライナやロシア、トルコなどに囲まれた海ですが、ウクライナ産の穀物は黒海に面した港から世界に輸出されていました。

2022年、ロシアが黒海を封鎖したことにより穀物の輸出が減り、世界的な食料危機が引き起こされて問題となりました。

小川キャスター:
ウクライナは世界有数の小麦生産国とあってロシア侵攻後、食料価格の高騰など、深刻な影響がありましたね。

資源・食糧問題研究所 柴田明夫 代表:
ウクライナ産穀物は中東・北アフリカ、東南アジアに輸出されており、ロシア産の小麦と合わせると世界輸出量の3割弱(ロシア16%、ウクライナ10%)になります。ウクライナ穀物輸出が停滞したことで、小麦などの輸入の多くを頼ってきた途上国が食料不足になり、飢餓人口が増えたという状況になります。

山本キャスター:
こうした状況を何とかしようと2022年7月、ウクライナとロシア、仲介役の国連とトルコの4者で「ウクライナ産穀物の輸出合意」が成立しました。

ただ、この合意について13日、ロシアのプーチン大統領は「要求が満たされない限り、合意枠組みから離脱するつもりだ」と述べました。さらに17日、ペスコフ報道官は「取り決めが守られていないため、事実上、合意は終了した」と表明しました。

小川キャスター:
この合意からの離脱が伝えられたことで、黒海の輸出ルートは閉ざされたと考えていいのでしょうか?

資源・食糧問題研究所 柴田代表:
これまでも、合意されていても輸出を滞らせている面はあったのですが、今回はかなり本気度が見られるので、もしこの状況が8月以降も続くようなら、世界的な食料危機に至る可能性が高いと思います。足もとの穀物価格は一時的に上昇しましたが、その後は下がっています。輸入が今後も困難になれば、2010年後半~11年の「アラブの春」と言われた世界的な食料不安にともなう、政情不安につながる可能性もあると思います。

小川キャスター:
世界的な影響が懸念されるなかで、やはり私たちにとって気がかりなのは日本への影響ですね。

山本キャスター:
18日、野村農林水産大臣は「ウクライナからの穀物輸入はわずかで、直ちに日本へ支障が生じる状況にはない」としました。ただ、穀物の取引価格の値上がりには懸念を示しています。

一方、製粉大手の日清製粉は「輸入小麦は年2回の政府売渡価格の改定が行われており、短期的には問題はないと考えます」とコメントしています。

小川キャスター:
「直ちに影響はない」「短期的には影響はない」ということですが、この先はどう見ていますか?

資源・食糧問題研究所 柴田 代表:
私は深刻な問題だと思います。現在起こっている問題というよりも、2020年のコロナパンデミックによる流通ルートの寸断、北米の干ばつやウ…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230719-6098273)

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