梅雨明けも頻発する?「突風のダウンバースト」動きを可視化で検証(2023年7月15日)

梅雨明けも頻発する?「突風のダウンバースト」動きを可視化で検証(2023年7月15日)

梅雨明けも頻発する?「突風のダウンバースト」動きを可視化で検証(2023年7月15日)

まるで台風のような激しい雨と風。
これは、茨城県・行方市の建設会社に設置された防犯カメラ映像です。
別角度のカメラには、建物が映っていますがわずか10秒で画面全体が真っ白に…

建設会社の男性
「(窓が)割れて風が吹き込んだときにこっちまで(ロッカーが)吹き飛んでいった」

今週、茨城や埼玉など関東地方で相次いだ突風。建物が倒壊したほか、電柱が倒れるなどの被害が出ました。

鈴木闘匠ディレクター(14日 茨城・境町)
「突風の影響でゴルフ練習場の支柱が折れているのが確認できます」

気象庁によると、今回の突風は竜巻ではなくダウンバーストなどが起きた可能性があると発表。
ダウンバーストは、積乱雲から吹き降ろす気流が地面にぶつかり、辺り一面に強い風が吹く現象です。
瞬間的に風速は50mを超えることもあり、風から受ける力は100キロ以上に上ります。

今の時期は、日本海側に停滞する梅雨前線に流れ込む湿った空気と、地上の暑さにより大気の状態が不安定でダウンバーストが発生しやすいと専門家は指摘します。

防衛大学校 小林文明教授
「夏になっても、ダウンバーストに関しては発達した積乱雲に伴って起こりやすい」

では、地面にぶつかった風はどんな動きをするのでしょうか?専門家監修の元、ドライアイスの冷気で風の動きを可視化してみました。地面にぶつかった冷気は水平に流れ、広がっていくのが分かります。映像をスローで見てみると、冷気の先端が渦になって回転しながら勢いよく流れているのが分かります。この先端に暖かい空気がぶつかると非常に乱れた突風が起こるというのです。

防衛大学校 小林文明教授
「先端部分というのは、非常に厚みがあってこういうロール状の回転をしている、その先端というのが突風前線に相当するという
 構造がいま見えているわけです、非常に乱れがすごいですよね、そういう突風構造っていうのは普通じゃない被害に直結するということだと思います」

突風には、前兆があるのでしょうか?映像からある共通点が見えてきました。

喫茶店オーナー(14日 茨城・行方市)
「最初は雹が降ったんだよ、バーっと降って今度はすごい風と雨がそのときは視界1mもないよ」

茨城の行方市で起きた突風は午後4時38分ごろは、晴れ間が出ていましたが住民によると、その後、雹が降り始めたと云います。午後5時を過ぎると、天候が悪化。激しい風と叩きつけるような雨が…埼玉の幸手市で起きた突風でも雹が降った後、風が強くなり、激しい雨が降っています。共通しているのは、どちらも冷たい風が吹いたあと大粒の雹が降り、その直後に激しい雨や強い風が吹いているという点です。

防衛大学校 小林文明教授
「雹を伴ってということは、イコールこれは非常に強い下降流があるので、被害をもたらすようなダウンバーストが起こりうるサインになりますから避難するということが大事になります」

さらに、取材を進めると分かったことがあります。

茨城県行方市の防犯カメラには激しい雨と強い風が確認できまずがおよそ2キロ離れた酒屋の防犯カメラは雨が降っていますが、映像を見る限り突風は起きていません。

防衛大学校 小林文明教授
「ダウンバーストというのは積乱雲のスケールですから(範囲は)数キロくらい
被害があったところはもう被害がありますがちょっと離れると、何もないというのは(ダウンバースト)現象の特徴ですね」

特に注意が必要な場所は…

防衛大学校 小林文明教授
「積乱雲が湧きやすい場所は山沿いです、雨だけではなくて風も雷も非常に荒れるので注意した方がいいという形になります」

サタデーステーション 7月15日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事