九州大雨 大規模な土石流で住宅に大木が… 猛暑の関東ではゲリラ雷雨に強風・ひょう【もっと知りたい!】(2023年7月11日)
九州北部の記録的大雨による河川の氾濫や土砂災害で、これまでに4人が死亡、3人の行方が分かっていません。一方、関東では夕方から夜にかけて天気が急変し、突風やひょうによる被害が相次ぎました。
■強風で倉庫が浮き上がり…中がむき出しに
栃木県宇都宮市では10日、帰宅時間帯に、突然の雨に見舞われました。強風による被害も出ました。
撮影者:「壊れちゃいました」
普段は資材や廃材を保管しているという倉庫。壁が地面から浮き上がり、中の物がむき出しになってしまっています。
撮影者:「もう言葉も出ませんでした。え?っていう。重量鉄骨の倉庫なので、まさか浮き上がって隣にかぶさっているとは思いませんでした」
隣の事務所は、窓ガラスが割れて水浸しになっていたといいます。被害はこれだけではありませんでした。
撮影者:「倉庫の残骸が自宅の方にも飛んできて、壁が割れてしまった」
関東の広い範囲では大粒のひょうも降りました。
栃木県下都賀郡にある住宅では、2階のガラスが割れ、家の前にできた水たまりに瓦が落ちる被害がありました。
■川が氾濫 小学校の1階部分まで浸水
10日、一部で大雨特別警報が出た九州地方では、これまでに経験したことのないような大雨となりました。
一瞬にして崩れ落ち、家の一部が奥にある川へと流されていきます。
福岡県久留米市を流れる、巨瀬川が氾濫し、一帯が冠水しました。
巨瀬川のすぐ近くにある小学校から撮影した映像です。校庭の遊具も半分近くまで、水につかっています。
撮影者:「足の付け根よりちょっと上ぐらいまで浸水しています」
小学校の1階部分まで浸水し、棚やゴミなどが浮かんでいます。
撮影者:「川の水が一気に増えてきたのと、側溝の水も一気に増えてきたので、びっくりしました。ここまでなると思わなかった」
■土石流が直撃 雨の中…懸命の救助活動
久留米市田主丸町では、大規模な土石流も発生しました。
住宅と住宅の間をふさぐように太い木々が挟まっている所があります。その奥も太い木々がたくさん倒れています。別の場所でも、大木が住宅に突き刺さって、壁を破っていました。
集落の7棟が巻き込まれ、一時およそ20人の安否が不明となりました。
近隣住民:「(Q.奥?挟まっている?)200メートル~300メートル上」
雨が強まるなか、懸命の救助活動が続けられます。
近隣住民:「一番上の家の6人が無事。その下が分からない。半分もう自宅が流されて」
すると、取材中、救助隊に動きがありました。誰かが救助されたようです。
この土石流で10人が救助されましたが、70代男性が心肺停止の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。
■土石流現場の上流は“沢の合流地点”
なぜ、この場所で土石流が発生したのでしょうか?専門家は、現場の映像からこう推測します。
防災システム研究所 山村武彦所長:「(映像を)今見ても結構、水の量がありますので、土砂と流木だけでなく、大量の水がそこにあったと推定できる。山地に降った雨がここにまとまって合流して、一気にその周辺から崩れ落ちたのだろう」
ドローンの映像で土石流が起こった現場の上流を見ると、茶色く濁った細い川が流れ、その周辺がえぐられています。
国土地理院の地図と照らし合わせると、その付近は山あいを流れる2つの沢の合流地点であることが分かりました。
山村所長:「立ち木や流倒木が、せき止めダムみたいなものを作って、それが起こりやすいのが(沢の)合流地点や合流地点のちょっと前であったり。それが決壊すると、一気に周りの斜面を巻き込みながら土石流になることはあり得る」
(「グッド!モーニング」2023年7月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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