スマホ操作しながら運転交通違反も続出渋谷の住宅街でレンタルカート騒音問題もっと知りたい(2023年7月11日)

スマホ操作しながら運転交通違反も続出渋谷の住宅街でレンタルカート騒音問題もっと知りたい(2023年7月11日)

“スマホ操作しながら運転”交通違反も続出 渋谷の住宅街でレンタルカート騒音問題【もっと知りたい!】(2023年7月11日)

 けたたましく鳴り響くエンジン音。今、東京・渋谷区の閑静な住宅街で起きているのは、「レンタルカート」による騒音トラブルです。住民からは「窓を閉めてもうるさい」という苦情が相次ぎ、警察や区への通報も増えています。

■朝から大音量…エンジン音 ブレーキ音も

 渋谷の街を疾走するレンタルカート。ハンドルを握っているのは、着ぐるみを着た外国人観光客です。

 今、このレンタルカートを巡り、様々な問題が起きています。番組の取材で、トラブルや違反行為が続出している実態が明らかになりました。

 渋谷区の閑静な住宅街にあるレンタルカートの会社からは、午前9時を過ぎると、周囲にカートの大きなエンジン音が響き渡っていました。住民は今年に入ってから、この音に悩まされ続けているといいます。

 レンタルカート店の近所の住民:「うちのここから出発するんですよ。もういっぱい並んで。すごいんですよ、煙と音が。(カートが)出る時は、みんな窓閉めて」

 取材中も、けたたましい音をたてながら、すぐ横を通過していくカートが見られました。

 近所の住民:「(Q.この騒音がずっと聞こえる?)迷惑かかってるって思わないんですね。ずっと続くんですよ。5台10台走って行くと、ブルルルって音が。中にはふかすわけですよね。アクセルを踏み込んで、その音とかが反響するとストレスですよね。利用客が奇声も上げますよ。『イエーイ』とか言いながらスマホで撮って」

 レンタル会社は、毎日午前9時ごろから午後8時ごろまで営業しています。主に外国人観光客を相手に1人1万4000円で、新宿・渋谷などを1時間で回るツアーを開催しています。

 近所の住民:「家の中で窓を閉めてもうるさいし、リモートワークもできないから。会社に行かなきゃならないぐらい、うるさい時もある」

■10件以上の通報…困り果てる住民も

 朝から晩まで1時間おきにカートの出発と到着が繰り返されるなか、問題は騒音以外でも起きています。店に戻る際に10台ほどのカートが連なって歩道を埋め尽くすため、やむをえず、車道を歩く通行人もいます。

 近所の住民:「大変なの。いつもこうやって歩くおばあさんがいるけど、『ここは怖くなりましたね』って言ってた。車道の方に出ちゃうもんね」

 渋谷区の公害対策の担当者もこれまでに何度も現場を訪れ、レンタル業者に改善を求めています。

 渋谷区環境整備課・青木正樹課長:「現在まで12回ぐらい訪れて、職員の方で指導しております。業者の言い分ですと、(住民から)直接苦情が店に来ないということで、『そういうこと(騒音)はないんじゃないか』と言われたことはあります」

 一方、レンタル会社は渋谷区に対し、「苦情は来ていない」と説明したということです。しかし、警視庁には5月だけで10件以上の通報が寄せられています。

 近所の住民:「(レンタル会社が)私のことを『110番ばばあ』と言ってる。ひどいけど、もう諦めてます」

 状況が改善されず、住民たちは困り果てています。

■歌舞伎町付近で…道路上での撮影会開催

 番組は、1時間のツアーを追跡取材しました。

 スマホを操作しながら運転するという明らかな交通違反を繰り返す利用客たちに対し、レンタル会社のスタッフが注意する様子はありません。

 そればかりか、新宿・歌舞伎町近くの交差点に差しかかると、スタッフがバイクから降りて写真を撮り、3車線の一番右側の車道を歩いて撮影しています。道路上で撮影会が始まりました。スタッフの男性は、撮影時の目線まで客にレクチャーしていました。

■カート会社担当者「交通違反していない」

 こうした行為は、法律違反にならないのでしょうか。

 交通問題に詳しい アトム法律事務所・渋谷勇気弁護士:「バイクを交差点の近くで、駐車しているということになります。交差点の近くは駐車禁止場所になるので、駐車すること自体が違反だと思います。歩行者は歩車道(歩道と車道)が分かれているところであれば、歩道や横断歩道を通行しなくてはならないので。堂々と車道の真ん中を歩いていると、道路交通法の違反ということになります」

 カートを歩道に停車させる行為については、次のように指摘しました。

 渋谷弁護士:「歩行者が通れるように、(歩道に)75センチ以上の隙間をあけて止めないといけないという決まりがある。このように完全に埋め尽くすような駐車の方法ですと、道路交通法違反ということになりまして、反則金制度の対象となる」

 近隣住民の生活にも影響を及ぼしている騒音や歩道にカートを停車させるなどの問題を巡り、レンタルカート会社はどう考えているのか。番組が取材を申し込むと、担当者は次のように話しました。

 レンタルカート会社:「(Q.周りへの騒音や迷惑行為がある?)あっそ、それだけですか。俺らを悪く言いたいんでしょ?あなたたちは、売り上げに貢献できるの?行政と警察と連帯してやってるから、交通違反なんてしてませんよ。東京の道がめちゃくちゃになるじゃないですか」

 レンタルカート会社は9月をめどに、この場所から撤退する方針だということです。

(「グッド!モーニング」2023年7月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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