東部バフムトで進撃前進劣勢ロシアに包囲網領土奪還の可能性日曜スクープ(2023年7月9日)

東部バフムトで進撃前進劣勢ロシアに包囲網領土奪還の可能性日曜スクープ(2023年7月9日)

【東部バフムトで進撃前進】劣勢ロシアに“包囲網”領土奪還の可能性◆日曜スクープ◆(2023年7月9日)

■ロシアのリビウ攻撃“民間人が多数犠牲”住宅に着弾

罪なき民間人を標的とした、ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃が容赦なく続く。ロシア軍は8日、ドネツク州要衝リマンの市街地にある住宅と店舗に向け、多連装ロケット砲で攻撃し、8人が死亡、13人が負傷した。一般市民が犠牲となった。また、ポーランドと接するウクライナ西部の都市リビウに、ロシアが大規模ミサイル攻撃を行った。10人が死亡、子どもを含む45人が負傷した。ロシアによる攻撃は5日夜から6日未明にかけて行われ、住民の避難は困難を極めたために、被害が拡大した。集合住宅の3階、4階部分に、ロシア軍が発射したミサイルが直撃。建物が崩壊し、レスキュー隊や近所の住民による懸命な救出作業が行われた。

昨年2月の侵攻開始以来、民間施設に対する攻撃では最大規模と見られている。ウクライナ空軍は、黒海から発射された巡航ミサイル「カリブル」が集合住宅などに着弾したと指摘し、「7発を撃墜したが、3発が着弾した」と明らかにした。ロシア軍の巡航ミサイル「カリブル」は黒海から発射され、ドニプロ川に沿って低空で北上した後、突然進路を西に変え、リビウを攻撃したと見られている。

■ザポリージャ原発“完全停止の要請”ロシア拒否の姿勢

欧州で最大級の出力を有するウクライナ南部のザポリージャ原発で、核惨事を引き起こす危険性が高いロシアの蛮行が確認されるなど、依然として緊張状態が続いている。ゼレンスキー大統領は4日、「複数の原子炉建屋の屋根に爆発物に似た物体を、ロシア軍が仕掛けたとの情報を得ている」と明らかにした。一方、ロシアのペスコフ報道官は4日、「ウクライナ政権が破壊的な結果に繋がりかねない破壊工作を実行する恐れが非常に強く、状況は極めて緊迫している」と非難した。ザポリージャ原発の爆発物を巡り、ウクライナ側は、ロシア側が爆発物を設置したと訴えているのに対し、ロシア側は、ウクライナ側が攻撃を計画していると主張するなど双方は真っ向から対立する。

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は7日、「原発の立ち入り調査は進展している。より多くの箇所に立ち入ることができる」としながらも、「屋根に爆発物が設置された3、4号機の屋根の調査はできていない」と厳しい状況を示唆した。IAEAは、ザポリージャ原発が4カ月ぶりに予備の送電線に再接続され、また、3月1日には、外部からの電源供給が断たれ、非常用発電機で電力を確保していたことを明らかにした。

グロッシ事務局長は声明の中で、「ザポリージャ原発はロシアによるウクライナ侵攻の前に6本あった予備の送電線のうち、1本だけ残っていたものと接続した」と説明したうえで、依然として、非常に脆弱で持続可能な状態ではないことを明らかにした。IAEAによると、ザポリージャ原発にある6基の原子炉のうち、5基が冷温停止中で、1基が高温停止状態にある。IAEAは、高温停止状態にある5号機の完全停止を呼びかけるが、管理するロシア側は拒否の姿勢を貫いている。

■ウクライナ主導権確保“激戦地バフムト前進”ロシアに包囲網

ウクライナ軍による大規模反転攻勢により、ロシア軍を押し戻すなど進撃が確認される。ウクライナ軍のシルスキー司令官は4日、米ABCテレビのインタビューで、「バフムト奪還を確信している」と語った。ウクライナ軍のチェレバティ報道官は6日、「ウクライナ軍はバフムトで主導権を確保しており、北部、南部でロシア軍を押し戻している」と、激戦での戦果を強調した。

米シンクタンク・戦争研究所は7日、軍事ブロガーの情報から、「ウクライナイ軍がクリシチフカの西と北の重要な高台を支配し、ウクライナ軍がロシア軍を押し込んでいる」と分析し、「ウクライナ軍が制圧することができれば、ロシア軍に対して砲撃の脅威を与えることが可能になる」とウクライナが得る軍事的優位性を示唆した。

英国防省は8日、ロシアの侵攻に対するウクライナの反転攻勢について、バフムト方面が再び激しい攻防の舞台になっているとしたうえで、「ロシア指導部は、過去12カ月で、ロシアが獲得した数少ない成果の一つとして、象徴的な重みを持つバフムトを譲歩することは政治的に受け入れられないだろう」と分析した。また、英国防省は、「ロシア軍がバフムトに投入できる追加予備兵力は殆どない可能性が高い」と、ロシア軍が兵力不足の窮状にあることを指摘した。

★ゲスト:鶴岡路人(慶應義塾大学准教授)、長谷川雄之(防衛省防衛研究所)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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