診療を諦めた人も苦悩する医療現場保険証来年秋に廃止政府は方針変えず(2023年7月5日)

診療を諦めた人も苦悩する医療現場保険証来年秋に廃止政府は方針変えず(2023年7月5日)

「診療を諦めた人も」苦悩する医療現場…保険証「来年秋に廃止」政府は方針変えず(2023年7月5日)

トラブルが相次ぐマイナンバーをめぐり、衆議院では5日、閉会中審査が行われました。政府は来年秋での保険証廃止を実現するため、次々と新たな対策を繰り出していますが、果たして国民の不安は解消されるのでしょうか。

立憲民主党・長妻政調会長:「現場を知らずに決めて突っ走る。これによってデジタル化が逆行するんじゃないか。むしろ遅れるんじゃないかと、強い心配をしている。来年の秋廃止を微動だに変えずに進むのは、おかしいと思うんですが、検討してもらえませんか、保険証を残すことを」

加藤厚労大臣:「どこかで時期を決めなければ移行できないので、その時期までにしっかりと、マイナンバーと健康保険証の一体化を進めることで、全員に保険証を配布する必要がないので、新たな形で資格確認書を発行することで、新たな仕組みに入っていく」

岸田総理は、保険証の全面廃止について、国民の不安払拭が大前提だとしています。

立憲民主党・長妻政調会長:「不安を払拭できない場合は、来年の秋廃止は延ばすんですね」

加藤厚労大臣:「一体化を進めていくには、多くの方がカードを活用する状況が必要。そのためには、総理が言ったように不安や懸念を払拭し、メリットを理解していただくことを進めることが必要だ」

政府は、マイナ保険証について「暗証番号なしで交付」や、持たない人への「資格確認書を自動送付」など、次々と対策を繰り出していますが、複雑さは増すばかり。

立憲民主党・坂本衆院議員:「一連のトラブル発生後、全国でカードの返納が相次いでいる。このような状況を河野大臣いかがお考えか」

河野デジタル大臣:「カードを自主返納することで、ひも付け誤りが解決するわけではない。積極的にマイナポータルを活用して、ご自身の情報を確認していただきたい」

東京都内にある、いとう王子神谷内科外科クリニックでは、マイナ保険証のトラブルが後を絶たないといいます。今月1日からの3日間、受診した患者全員の保険証の登録情報を、専用のサーバーで検索したところ、約2割の患者でエラーが出ました。住所欄が空白、住所や氏名が正確に表記されない、該当なしで“無保険状態”といったものです。

伊藤博道院長:「一番致命的な問題としてよく言われている『該当なし』『保険資格該当なし』が多い日だと3~4人。(Q.(マイナ保険証で該当なしの人が)保険証も忘れた場合)保険情報が確認できないので、自費でいったんお支払いいただいた方と、自費を払うには手持ちがないということで、お金を下ろしに行ったが、近くになかったりで診療を諦めた人と」

“無保険状態”となった人は、10割負担となるか、資格申立書を提出して、負担割合を決めることになります。ただ、子どもの場合、自治体が行う医療費助成が受けられず、本来無料なのが、実費を払うことになる可能性もあります。

伊藤博道院長:「エラーだと赤文字が出るが、赤文字のない患者が100%になる日は、なかなか来ないのではないか」

後期高齢者では、負担率が1~3割と幅があり、間違って請求した場合、医療機関の事務手続きが増えるなど、新たな負担が発生します。

伊藤博道院長:「手続きをする時間を割く、人手を割くことが必要になる。その分、何らかの形で患者を診られる数が減ったり、日々1人でも多くの患者を診たいと思っている現場としては、そういう負担を強いられることが大変ストレスになる」

岸田総理が、8月上旬に中間報告を公表するよう指示した、総点検は進んでいるのでしょうか。

松本総務大臣:「ひも付けの状況によって、点検方法が整理されると聞いている。何が対象になるかも、これから順次定めていく。連絡体制を通して自治体と緊密に連携し、関係省庁とも連携して、総点検を着実に進めたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事