原因は経年劣化メタンガス引火説も新橋飲食店爆発ガス契約なし(2023年7月4日)

原因は経年劣化メタンガス引火説も新橋飲食店爆発ガス契約なし(2023年7月4日)

原因は“経年劣化”?“メタンガス引火説”も…新橋・飲食店爆発「ガス契約なし」(2023年7月4日)

カフェバーの店長と店員、通行人ら4人が重軽傷を負った爆発から一夜。東京・新橋の現場周辺では影響が続いています。

ビルから約70メートルの場所にある『スタンド新橋』。4日の店内は閑散としていました。

皆川賢太オーナー:「(Q.普段この時間帯の客入りは)ピークタイムなので8割は埋まる。いくら火曜日とはいえ。4日は爆発の影響もあるのかな」

売り上げにも打撃です。

皆川賢太オーナー:「売り上げだけで7~8万円たつはずなので、プラス人件費を入れると、10万円ぐらい無駄になると思う。普段来て頂けるお客様も、この辺りに来るのは避けようという心理が働いてしまう。早めに原因解明してほしい」

なぜ爆発は起きたのか。警視庁によると、カフェバーのガス濃度が通常よりも高く、ガス漏れの可能性が高いといいます。しかし、2階のカフェバーはガス会社と契約していませんでした。ただ、ビル自体にガスは供給されていました。

ガスを供給する配管から漏れた可能性について、火災に詳しい専門家に聞きました。

東京理科大学国際火災科学・桑名一徳教授:「(ガス管の)経年劣化というか、使っている間に腐食してくると思う。古くなればなるほど、劣化しやすくなることは間違いない。(Q.少しずつ)その可能性があるのではないかと思う。(Q.ガス管が腐食して漏れてしまった)そのくらいしか、可燃性ガスが出てこないと思う」

ガス管は地中に埋められていますが、経年劣化などによって腐食し、ガス漏れが起きることがあるといいます。経年劣化による爆発事故は、2010~2019年の間に、171件起きています。しかし、関係者によると、今回、爆発が起きたビルでは、ガス管の交換をするなど、適切に管理されていたといいます。

こうしたなか、捜査関係者の間で新たに浮上しているのが、充満したメタンガスに引火したのではないかという見立てです。下水道の工事中など、メタンガスによる爆発事故は、世界でたびたび起きています。東京・江戸川区でも去年、マンホール内に充満したメタンガスが何らかの原因で引火・爆発。作業員2人が亡くなる事故が起きています。

下水の汚泥などから発生することもあるメタンガス。空気中に5~15%存在していれば、激しい爆発を引き起こすこともあります。警視庁によると、店長は「下水の臭いがした」とも話していました。

捜査関係者:「土日は店を閉めていて、自然発生したメタンガスが店内に充満したのではないか」

爆発前、ビル周辺には下水の臭いが漂っていたといいます。

“ビルから80メートル”割烹以志井・石井市郎店主:「臭いとか、もともと少しするので、下水の臭いとか。3日は強かったなと思った。(Q.朝に店を開ける時に)ちょっと臭ってるなって」

下水から発生したメタンガスに引火した可能性はあるのでしょうか。

桑名教授:「下水の配管から下水道のガスが上がってくることが“ない”とは言えないですね。長い間使っていなかったりすると、下水の配管からガスが通ることはあり得るのかもしれない。(Q.爆発に至るほど)そんなにガスがあるのであれば、マンホールや地下の下水道の中は“そんなに危ないのか”となってしまう。下水道配管のガスが上がってきたからといって“爆発するほどのガスがたまるだろうか”と、私としては疑問に感じる」

警視庁は、5日も引き続き現場検証を行い、爆発の原因を調べる方針です。

■都市ガス?メタン?爆発の要因は

まだ原因はわかっていませんが「都市ガスの“ガス漏れ”」「地下のメタンガス充満」この2つの可能性が出てきました。

桑名教授:「下水管のガスが、爆発するほど上がってくるのか疑問。かなりの量のガスがたまらないと、今回のような爆発には至らない。都市ガスの配管から漏れたと考えるのが自然」

警視庁への取材によると、爆発のあった2階のカフェバーの男性店長は「調理にガスは使っていない。電気を使っていた」と話しています。一方、警視庁によると「地下のガス濃度が高かった」といいます。

桑名教授:「都市ガスは空気より軽いので、上に上がる性質を持つ。地下から何らかのルートで、2階にもガスがたまったのでは。濃度が濃すぎると爆発しないことも。2階はガスと酸素のバランスが爆発しやすい割合になっていた可能性がある」

都市ガスが爆発を起こす可能性があるのは「空間に占める割合が、少なくとも約4~5%の量」ということです。4~5%は、ユニットバスに対し、浴槽一杯分ということで、相当なガスの量だったと考えられます。

桑名教授:「長い時間をかけてガスが漏れたのではないか。少しずつ漏れると、安全装置も働かない可能性が高い」

一気にガスが漏れたのではなく、少しずつ1~2日かけて漏れたのではないかということです。

(Q.ガス漏れの要因は何が考えられますか)

今回のビルは配管を交換していたとのことですが、桑名教授によると、一般的にガス漏れの要因は、配管の劣化が多いといいます。

経産省のデータでは、腐食や劣化のおそれがある『ガス経年管』は、2020年度で全国4万3918本もあることが分かっていて、対策を進めているということです。

(Q.もし身近でガス漏れがあった場合は、どう対応すればいいですか)

桑名教授:「まずガス臭い部屋には入らないこと。すぐに通報すること。もし部屋の中で臭いを感じた場合、換気扇を回すのはNG。スイッチを入れると、火花が出て爆発につながる可能性がある。窓を開けて換気をして、元栓を閉める」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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