九州・山口で「線状降水帯」発生恐れ “北部豪雨”被災地に大雨・洪水警報(2023年6月30日)
線状降水帯の予測情報が発表された九州と山口県では、すでに激しい雨となっています。気象庁は来月1日午前中にかけて「大雨災害の危険度が急激に高まる」と警戒を呼び掛けています。
■九州で「線状降水帯」発生恐れ
九州などで危機感が強まっています。各地で今年一番の激しい雨が観測されました。
道路が川のようになっているのは熊本県南阿蘇村です。
活発な梅雨前線の影響で九州と山口県に次々と発達した雨雲が発生する線状降水帯が発生し、1日にかけて災害級の大雨となる恐れがあります。九州各地で河川が急激に増水しています。熊本県小国町を流れる筑後川、大分県由布市を流れる大分川も雨で増水し、茶色の濁流が勢いよく流れ込んでいます。大分県の中津では1時間雨量が6月の観測史上1位となる49.0ミリを観測。避難所が開設されました。
佐賀市では道路が冠水。車が大きな水しぶきを上げて走っています。佐賀県江北町では警戒レベル4の「避難指示」が出ています。
30日朝は傘を差す人も少なかった長崎市。ところが、午後になると雨や風が非常に強くなりました。
■“北部豪雨” 被災地に大雨・洪水警報
大雨洪水警報が発表された福岡県朝倉市。過去に大きな災害に見舞われています。
2017年7月に発生した「九州北部豪雨」。逃げ遅れて動かなくなった水浸しの車の前を流木が流れていきます。さらに道路上で急激に水かさが増していくと、タクシーのタイヤは空回りして進めなくなり、乗客も運転手もタクシーをその場に乗り捨てて避難します。
土砂災害は453件で家屋の全壊は325軒と各地で大きな被害が出ました。
朝倉市防災交通課・加藤健史主査：「その時、災害担当に当たっていたが、線状降水帯が発生して未曽有の大災害が起こりました。もう異常な雨が降っておりまして、現状その時、何が起こっているのか分からない状況でした」
自治体も九州北部豪雨を教訓に準備を進めています。
朝倉市防災交通課・加藤健史主査：「もう今回、夜中に大雨が予想されていましたので早めの避難情報発令、避難所開設を行うため警戒本部会議等を早めに行っているところです。今後レベル3を15時に出すが、避難所を市内6カ所に開設します。その後も、もしかしたらレベル4の『避難指示』を出すことも検討」
同じく、3年前の7月に記録的豪雨で甚大な被害を受けた熊本県人吉市。記録的豪雨で球磨川が氾濫し、濁流が街を襲いました。その人吉市でも今年一番の激しい雨となりました。球磨川も徐々に水位が上がっています。
活発な梅雨前線の影響で線状降水帯が発生する恐れのある九州各地。さらに、大雨のエリアが広がりそうです。
気象予報士・今村涼子：「あす午前中にかけて梅雨前線が日本列島に停滞します。日本列島の大半が梅雨前線の南側に入る。暖かく湿った空気が北日本にまで広く流れ込む。ということは九州だけでなく、西日本から東日本、北日本にかけて雨雲が発達しやすくなるわけです」
愛知県では早くもその予兆が…。愛知県内では大府市で6月の観測史上、最大となる1時間に33.5ミリの雨を観測しました。
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