電子決済の時代になぜ?20年ぶり新紙幣発行のウラに“なんちゃってキャッシュレス”(2023年6月28日)
政府は28日、新たなデザインの紙幣を来年7月に発行すると発表しました。新紙幣の発行は20年ぶりです。
新しい1万円札の肖像は、福沢諭吉から“日本の資本主義の父”実業家・渋沢栄一に、5000円札は、女性の高等教育に尽力した教育家・津田梅子、1000円札は、破傷風の治療法を開発した細菌学者・北里柴三郎に変わります。
特徴は、角度によって顔の向きが変わる『3Dホログラム』です。世界で初めて、お札に使われる、この技術で偽造を防ぎます。
鈴木財務大臣:「順調に準備が進んでいることを実感。視察も踏まえて、発行開始の時期を2024年7月前半を目途としたい」
新しい紙幣の発行に伴い、自動販売機の紙幣の読み取りシステムも改修が必要となります。自販機にATM、券売機。お札が変われば、機械も丸ごと入れ替えが必要かと思いきや…。
券売機を製造・販売する『エルコム』川浪武盛専務:「こちらの機械の場合は、プログラムの改修で大丈夫です。機種によっては、中の一部部品を交換するものもある」
機種によりますが、部品やソフトの更新だけで済む場合も多いといいます。ただ、半導体不足や物価高もあり、対応が早いに越したことはありません。問い合わせは、すでに増え始めています。
川浪武盛専務:「部品交換となると、部品が入ってこないことが考えられる。お早めに注文とか手配をしていただいたほうが安心かなと」
20年ぶりの新紙幣ですが、街で多く聞かれたのは…。
30代:「(Q.期待感は)あまり現金を使わなくなっている。(Q.キャッシュレス決済ですか)そうですね」
70代:「最近はネット決済などが多い。以前ほど、お札が変わることのインパクト、経済的インパクトは少し減っちゃっているのかな」
■“新紙幣”キャッシュレス時代になぜ?
経済部・日銀担当の進藤潤耶記者に聞きます。
(Q.実際に触った感触はどうでしたか)
進藤記者:「4月に撮影する機会をいただいて、その時は触っても良かったんです。今のお札よりもツルツルしていて、なめらかです。新紙幣の端にはインクで凹凸がつけられていて、目の不自由な人が触った時に分かるようになっています。偽造防止にもなっています。今回の新紙幣で一番大きな特徴は、角度によって顔の向きが変わる『3Dホログラム』です。最先端の技術で、紙幣に使われるのは世界初です。ただ、技術の進歩は早いので、ここ2回、日本では20年間隔で紙幣を変えています」
(Q.このキャッシュレスの時代に、なぜ新紙幣を発行するのでしょうか)
進藤記者:「キャッシュレスと言っても、現金を使って電子マネーにチャージする“なんちゃってキャッシュレス”も多いです。さらに、万が一の時のために、現金を持っておきたいという人や、“タンス預金”をする人もいます。関係者の方と話していると、日本人にとって、現金を手元に持っておきたいという気持ちが強いという話をよく聞きます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く