中断検討の段階ではないタイタニック号探索ツアーで不明の潜水艇の捜索続く6000m潜水可能な水中ロボットも派遣Nスタ解説TBSNEWSDIG

中断検討の段階ではないタイタニック号探索ツアーで不明の潜水艇の捜索続く6000m潜水可能な水中ロボットも派遣Nスタ解説TBSNEWSDIG

「中断検討の段階ではない」タイタニック号探索ツアーで不明の潜水艇の捜索続く 6000m潜水可能な水中ロボットも派遣【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

沈没した豪華客船「タイタニック号」を探索するツアー中に消息を絶った潜水艇「タイタン」。捜索活動の状況について、アメリカ・ボストンからの現地報告を交えて解説します。

■「捜索の中断を検討するような段階ではない」

涌井文晶 記者:
アメリカ・ボストンは、22日まもなく午前4時になるところです。現在も夜通しで捜索活動が続いていて、アメリカとカナダの当局の飛行機と船が、現場で合同で捜索を行っています。
さらに潜水艇を吊り上げる作業に向けて、アメリカのクレーンが現場に向かっているということです。
また、新たにフランスからも、6000mの深海で作業することができる水中ロボットが加わって作業しているものとみられます。
ただ、海中の音を手がかりにした捜索には難しさもあるようです。
21日の沿岸警備隊の記者会見に同席した海洋学の専門家は「海は非常に複雑な環境で、音の発生源を識別するのは難しい。他の生物が出した音の可能性もある」などと話しています。
捜索活動は時間との戦いになっていますが、沿岸警備隊は21日の記者会見では潜水艇内の酸素の残り時間について、具体的にあと何時間分と言及することを避けました。
その上で捜索の中断を検討するような段階ではないとも話していて、あくまで救出活動に全力を挙げる姿勢を強調しています。

■「30分ごとに物を激しく叩く音があった」

加藤シルビアキャスター:
タイタニック号の探索ツアーに出かけたのはイギリスの大富豪や、フランスの探検家ら5人です。潜水艇「タイタン」に乗り、まずは母船に乗って周辺海域まで行き潜水を開始しました。18日朝のことです。そして、1時間45分後に連絡が途絶えました。タイタンに積まれていた酸素は「96時間分」で、22日の日本時間午後6時ごろまでなのではないかとみられています。
BBCによりますと、元海軍潜水士は「96時間という期限に誰もが注目しているが、この時間を過ぎても救助活動は続くでしょう。希望はあります」と話しているとしてます。

では、救助活動はどのように行われているのでしょうか。
これまでに最も深いところで、水深4000mのところまで探索しています。捜索範囲は2万6000平方km(四国の約1.4倍)ということです。
フランスは、6000m潜水することが可能な無人潜水機を派遣。
アメリカやカナダは、船や飛行機で捜索を続けています。

その中で、カナダのP3哨戒機が音を感知しました。この音というのが非常に重要になってくるということです。
CNNによりますとアメリカ政府内部のメモとして、20日の捜索の際に、30分ごとに物を激しく叩く音があったということです。
さらに21日、アメリカの沿岸警備隊は、音データの分析を海軍に依頼。
特定はできませんでしたが、2日連続で、この音を感知したということです。

■「水中はかなり遠くまで音が拾える」

元海上自衛隊 海将 伊藤俊幸 教授(金沢工業大学虎ノ門大学院)は「水中はかなり遠くまで音が拾えるため、潜水艇からの音である可能性はゼロではない。こうした音をいくつも拾うことで、場所の特定につながることを期待している」としています。

潜水艇では、声などを“音波”に変換して連絡を取るようになっています。
名古屋大学の道林克禎 教授は「今回、装置に不具合が起きて連絡が取れなかったと思われる。水圧が影響した可能性もある」と指摘しています。

歴史時代小説家 今村翔吾さん:
奇しくもタイタニック号を見学に行くツアーの中での事故。最後まであきらめずにと思いますし、一方で、人間の好奇心というのは、ある意味恐ろしいもので、人間が本来なら踏み入れない場所に行きたいという気持ちもある。それを非難するべきでもないというか、それがあったからこそ、人類の進歩もあるわけなので、非常に難しい問題だと思う。まず今考えるべきことは人命ですよね。

井上貴博キャスター:
ルール作りといいますか、救助できない方法で潜水していたというのは、日本では認められないですし、アメリカでも認められていないけれど、今回、公海上だったために、グレーの部分で行われてしまった。そのルール作りというのが、今後、大切になるのかなと思います。

歴史時代小説家 今村翔吾さん:
こういう場所ですからルールもそうですし、準備し過ぎるだけ準備して損することはないが果たして、それだけの準備や段取りがあって行っていたのかどうか。本来、ここまでやれば大丈夫と思っていたのが、もっと準備しなければならないという事例になるのではないかなと思いますね。

ホラン千秋キャスター:
ルール作りの話がありましたけれども、深海であったり宇宙であったり技術が発達しすぎて、そこに規制・ルールなどが追いついていないという状況はさまざまなところで出てくるでしょうね。

井上キャスター:
通信手段が落ちてしまうということは十分に考えられたと思います。しかも中からはハッチを開けることができない。いま漂ってるかもしれない、海底ではないかもしれない。漂っていたとしても中からは開けられない。ちょっとずさん過ぎるのではないかなと思いますね。

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