システム化が大事29項目秋までに現場は困惑マイナンバー総点検(2023年6月21日)

システム化が大事29項目秋までに現場は困惑マイナンバー総点検(2023年6月21日)

「システム化が大事」29項目“秋までに”現場は困惑「マイナンバー」“総点検”(2023年6月21日)

岸田総理は21日、閉会した通常国会を受け、会見を行いました。相次ぐマイナンバーをめぐるトラブルに、こう述べました。
岸田総理:「私から国民の不安を払しょくするため、コロナ対応並みの臨戦態勢で政府横断的に取り組むことを指示した。マイナポータルで閲覧可能となっているすべてのデータについて、本年秋までをめどに総点検を行います」

「マイナンバー情報総点検本部」の初会合が21日午後、行われました。
岸田総理:「各省庁においても、デジタル庁と連携をして、本年秋までに所管分野の総点検を完了してください」

閉会中審査について、自民党と立憲民主党は21日、国会内で会談を行いました。
立憲民主党・安住淳国対委員長:「閉会中審査を行うことで合意した。来週になるか、再来週になるか調整しようと。国会の閉会日に対策会議を開くとは皮肉、ひとことで言うとずさんだと思う。政府を信頼してくれと言っても、私個人としても自分の情報をひも付けられて、どこにいくかわからないような恐怖感」

特に、トラブル報告の多い医療機関。全国保険医団体連合会は、アンケートの最終集計を公表しました。
全国保険医連合会・竹田智雄副会長:「65.1%、5493医療機関がトラブルを経験。『無効・該当なしと表示される』が66.3%と最多」

また、マイナポータルで確認できる特定検診の項目で、新たな問題となりかねない事例も報告されていました。
全国保険医連合会・本並省吾事務局次長:「前後の年度に比べて、身長が20センチ以上高く、体重も30キロ以上重くなっていた。どう考えても成長期の方ではない。他人ではないか、まずいのではないかと。生活習慣病指導などでデータが違うのは、由々しき事態かと考える」

健康や医療、税、年金など29項目について、総点検するという岸田内閣。実際に点検作業を行う自治体は、特にまだ指示が来ていないといいます。
戸田市デジタル戦略室・大山水帆室長:「まずは、我々が何をやるのか早く教えてほしい。期限を守ることだけが目的化すると本末転倒。かえって点検が終わったことにして、ミスがそのまま残ったことになるので、それが一番いけないことかなと。自治体は、色んな仕組みを国からの要望で動かしているので、実情を把握して、負担にならない方法でやっていただきたい。システムが動くだけではダメで、きちっと100%正確に動くことが大事。さらに、データの入力ミスが起こらない仕組みもしっかりあると。人間を信頼するのではなく、チェックをする仕組み含めてシステム化することが非常に大事。例えば、そういった設計思想になっていないとすると、どうしても人に頼ったものだと人的ミスは起こってしまう。今回の事象は、まさに、そのものなのかなと」

岸田総理:「マイナンバーについては、健康保険証との一体化、来年の秋を目指して、作業を進めていく。その際に国民の不安の払拭、これを完了することが大前提である」

◆政治部・官邸キャップ・千々岩森生記者に聞きます。

(Q.この国会、最後はマイナンバーの不手際の話で持ち切りになり、なんとも締まらない結果になったと言っていいですね)
そうですね。官邸関係者も口をそろえて「岸田総理の危機感は強い」と話しています。問題がメディアで報じて、それを政府が確認に動くような、後手後手感は否めないですね。実は、今夜、複数の総理周辺が「総点検をして、不安が解消されなかったら、ゴールを変える」という趣旨の話をしています。つまり、結果次第では、マイナンバーと健康保険証の一体化のスケジュールを後ろにずらす可能性も示唆しています。もちろん変更する必要がないように必死でやりますよということではありますが、官邸の危機感は明らかに高まっていると思います。

(Q.千々岩さんは前から秋の臨時国会での解散が有力と言っていましたが、この状況でできるのでしょうか)
マイナンバー問題にかかっていると思います。岸田総理にとって、秋が解散の本命だったと思います。きょうも「総点検を秋までにやる」と話しています。秋の解散を視野に入れているからこそ、「秋までに」と言ったのではないかと感じました。ただ、今回の問題を収束できずに、支持率の下落が続けば、年内の解散は難しくなりますし、ズルズルと政権自体が求心力を失っていく恐れも出てきます。まさに、夏から秋にかけて一つの正念場を迎えることになると思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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