米中関係正しい道に最大の懸案事項台湾情勢には進展なしもアメリカ側は一定の評価Nスタ解説TBSNEWSDIG

米中関係正しい道に最大の懸案事項台湾情勢には進展なしもアメリカ側は一定の評価Nスタ解説TBSNEWSDIG

米中関係「正しい道に」?最大の懸案事項“台湾情勢”には進展なしもアメリカ側は一定の評価【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

アメリカのブリンケン国務長官が中国を訪問し、習近平国家主席と面会しました。バイデン大統領は「正しい道を進んでいる」との認識を示しましたが、緊張が続いている米中関係の緩和に繋がったのでしょうか。

■“台湾統一”に意欲を示す中国 ブリンケン国務長官「一方的な現状変更に反対」

熊崎風斗キャスター:
緊張状態が今なお続いている、アメリカと中国について掘り下げて見ていきます。
19日、中国・北京でアメリカのブリンケン国務長官と中国の習近平国家主席の面会が、約35分間行われました。

その中で中国外務省によると、習主席は「国際社会は現状を懸念している、関係を適切に処理する必要がある」と話しています。

一方、アメリカ側が面会後にコメントを出しました。

アメリカ・ブリンケン国務長官
「私たちは前進し、前向きに進んでいます。しかし、どの問題も、1回の訪問、1回の会話では解決できません」

今はそれくらいアメリカと中国の間には、たくさんの課題・問題が山積みになっているということが言えます。

最大の懸案事項と言ってもいいかもしれません。台湾をめぐる動きについてです。
●中国は、“台湾統一”に意欲を示す
●2022年8月、アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問
→中国は台湾周辺で軍事演習を行う

両国の緊張が高まったシーンでした。
その後、改めてアメリカ側は…

ーーアメリカ軍が台湾を守るのか?

アメリカ・バイデン大統領(2022年9月)
「もし実際に前例のない攻撃があった場合はそうなる」

今回の面会で進展はあったのでしょうか。

アメリカ・ブリンケン国務長官
「一方的な現状変更に反対」

従来からのアメリカ側の姿勢を改めて示した形で、台湾問題をめぐっては新たに進展がなかった模様です。

■貿易問題“アメリカがやったら中国がやる” 緊張高まるシーンは他にも…

他にも、両国の間にある貿易問題について…
2018年からトランプ政権が「中国が知的財産権を不当に侵害している」として、当時のトランプ大統領は中国製品に高い関税を上乗せしました。

アメリカの産業を守ろうという思いが見えますが、それに対して中国側は対抗措置としてアメリカに高い報復関税をかけました。“アメリカがやったら中国がやる”というように、その品目をお互い増やしていく、歯止めがかからないような状況になってきました。

では、今のバイデン大統領になってここに変更点があるのでしょうか。
中国への制裁関税は現在でも継続中ということで、依然としてこの問題はくすぶっています。

他にも、緊張が高まるシーンも非常に多くあります。
・ウクライナ情勢→両国のスタンスは正反対と言える
・中国のウイグルなど少数民族弾圧→アメリカ側は批判
・中国の気球がアメリカ上空を飛行
・米艦船の航行妨害

その中で改めて、2017年の時の面会と今回の面会を比較します。
<2017年>
アメリカの当時のティラーソン国務長官と習主席は机を挟んで、同じ椅子に座っていました。まさに対等な関係ということが見えてきます。

<2023年>
一方で今回は、長く大きな机の中心に習主席がいて、離れたところにブリンケン国務長官がいます。アメリカを迎える側の中国としては、自分たちの方が格上なんだともとらえられます。

最後に、アメリカ側の評価についてです。

バイデン大統領(6月19日)「彼はすばらしい仕事をした」

一定の評価をしています。

ウォールストリート・ジャーナル「限定的ながら確かな成功を収めた」

アメリカ側としては、このように見ているわけです。

■貿易のリスク分散を視野に 安定的な第3のところはどこか

ホラン千秋キャスター:
ブリンケン国務長官と習近平国家主席の面会が叶うかどうかが注目されていましたが、結果的に面会は叶ったけれども今後どうなっていくのか。アメリカの国民の皆さんは、対中国に対してどれぐらい関心があるのでしょうか。

厚切りジェイソンさん(IT企業役員/お笑いタレント):
関心は結構ありますよね。貿易戦争のときも、その前はアメリカと中国の経済が仲が良かったというか、ほとんどのものを中国で作ってもらって、中国としか(貿易を)やってなかったんですよね。

それが貿易戦争もあり、その後のコロナで物流の問題がいろいろと出てきたので、そろそろ中国だけに全ての卵をかごだけに入れない方がいいであろうという話題が出てきました。中国とはまだ貿易をしていますけど、中国以外の国と一緒にやっていった方がいいという雰囲気が強まってきました。

分散ですね。今回の対談で、Decouple(切り離す)ではなくてDerisk(リスクを取り除く)という言い方は何回もしていて、完全に中国からの独立ではないですが、リスク分散をもう少し視野に入れた方がいいという話です。

日比麻音子キャスター:
でも、やはりビジネスにおいても米中関係は良好な方がもちろん良いという点も多いと思うんですが、どのようにご覧になりますか。

厚切りジェイソンさん:
もちろんそうですが、今は逆に日本の株がここまで高くなっている一つの原因はアメリカと中国の関係がそこまで良くないことで、安定的な第3のところはどこかなど、いろいろありますよね。

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