高速バスとトラックが正面衝突乗客など5人死亡トラック運転手は健康問題なし事故現場は見通しの良い道路一体なぜNスタ解説TBSNEWSDIG

高速バスとトラックが正面衝突、乗客など5人死亡…トラック運転手は「健康問題なし」、事故現場は「見通しの良い道路」一体なぜ？【Nスタ解説】｜TBS NEWS DIG

18日の正午ごろ、北海道・八雲町の国道5号で札幌から函館に向かっていた都市間高速バスと養豚会社のトラックが正面衝突をしました。事故現場は見通しの良い道路だったといいます。なぜ事故が起きたのか?専門家の見解を聞いていきます。

■景色が変わらない＂眠くなる通り＂として有名な道

山内あゆキャスター:
亡くなったのは5人です。バスの運転手（64）、乗客が3人（33歳、55歳、57歳）、それからトラックの運転手（65）も亡くなっています。そのほかに、乗客12人がけがをしています（20～80代）。

片側1車線の、まっすぐにほぼ近い道路。制限速度は50キロ。ここで事故が起こりました。この道路は北海道の中心部、札幌と、南部の函館方面を結ぶ幹線道路で、一般車両も大型車両も混在して通行するようなところだったということです。

地元の方にお話を伺うと「景色が変わらない、＂眠くなる通り＂として地元でも有名。大型車が通るには、道路の幅が狭い。スピードを出してしまう車も多く、運転していて怖い。普段から事故が多い場所だった」というふうに話していました。

では、それぞれの会社が会見などで話していることをまとめていきます。

まずはバスを運行していた「北都交通」です。このバスは、「高速はこだて号」。18日、午前7時50分に札幌を出発し、午後1時45分に函館に着く予定でした。その日の朝の整備点検では問題はなし。事故当時、乗客15人を乗せていました。ドライバーについて、乗務歴は15年64歳。約13年にわたって、このルートを走行していて、これまで重大な事故はなし。その日の朝のアルコールチェックでも問題はなかったそうです。事故当時、バスに乗っていた乗客によりますと、「たいへん丁寧な運転だった」と話していました。

では一方のトラックはどうだったんでしょうか?トラックを所有している養豚会社「日本クリーンファーム」も取材に応じました。

事故が起きた18日は、朝6時半に豚30頭を載せて、農場から食肉加工場へ向かって運転している途中だったそうです。そしてドライバーさんについて、乗務歴30年の65歳の方です。5月、再再雇用されました。つまり60歳で一度定年を迎えたんですが、2度更新しています。

勤務上、過重労働などはない。健康診断は毎年受けていますが、今年はまだ受けていなかったということです。会社の吉原洋明社長は、今回トラックのドライブレコーダーの映像を見ることができたそうです。「映像を見る限り、当社の車が、センターラインをオーバーして、ぶつかっていた」と、どうもトラックの方がぶつかっていったようだということを社長も認識しています。

そして、警察は別の車のドライブレコーダーなどから、トラックの方が対向車線をはみ出したというふうに考え、19日の午後から現場を通行止めにして、路面状況を記録するなど当時の状況を調べているということです。

■交通事故の専門家の見立ては…

交通事故鑑定ラプターの中島博史所長にお話を伺いました。
道路の特徴として、見通しが大変いい。この見通しがいいというのは、まるで安全なように感じるんですが、見通しがいいために…▼体感速度が遅くなってしまい、スピードを出し過ぎてしまう、という傾向があるそうです。▼また、カーブやアップダウンがある道だと、緊張して運転しますよね。それに比べて、平坦な道路ですと、注意が散漫になりやすい、こういう特徴もあるそうです。こうした道路の特性から事故が起きてしまったのか、もしくは「突然の病気などでハンドル操作ができなかったのか」、この2つの可能性が考えられるのではないかと話していました。

ホラン千秋キャスター:
トラックのドライバーの方は、健康状態に問題はなかったということですけれども、突然、体調が不調になることもありますし、捜査が進んでいく中で、実際に何があったのかがわかるのを待つしかないというところですね。

ハロルド・ジョージ・メイさん（パナソニック社外取締役など）:
本当に稀に見る重大な事故で、これだけの方々が亡くなられてるわけなので、本当に残念です。やっぱりドライブレコーダーがこれだけ世界にあって、世の中に浸透していて、僕もドライブレコーダーの映像を見ましたけれども、非常に生々しいんですよね。でも、そういうのがあるからこそ、事故の解明だとか、改善点だとかも見えてくるのかなと思う。

北海道って、本当にまっすぐな道が多いんですよ。よそ見をしたかどうかわかりませんけれども、やっぱりしがちですしね。向こうがはみ出してくるのであれば、バスの方はどうやってよけたらいいのか。反対によけても、それなりの事故に繋がるでしょうし、どうしていいのか。本当にとっさの判断ですから。

日比麻音子キャスター:
観光も盛んになってきたこの時期で、お出かけにもいい季節になってきましたけれども、こういったときこそ、改めて安全運転の意識を高めたいですよね。

ハロルド・ジョージ・メイさん（パナソニック社外取締役など）:
バスというと何となくシートベルトするの忘れがちなんですけど、やっぱり、それが大事だって…（https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230619-6092334）

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