吉野ケ里遺跡「石棺」調査が底に 全体に赤色顔料 シャーマンか(2023年6月14日)
佐賀県・吉野ケ里遺跡で、先週ふたが開けられた石棺墓の調査で14日、土の掘り起こし作業が棺の底の部分まで達しました。長年にわたる邪馬台国論争。九州説につながる発見はあったのでしょうか。
■吉野ケ里遺跡「石棺」調査が底に
謎のエリアで発掘された石棺。先週、初めて棺のふたが開いた際には棺いっぱいに土が詰まっていました。その土を9日、12日と徐々に取り除き、進められていた発掘調査。
佐賀県文化財保護・活用室、白木原宜室長:「副葬品にしても、人骨にしても、残っているのは棺の一番下になっているから、そこにたどり着くまで分からない」
■全体に赤色顔料 シャーマンか
そして13日時点で棺の底に残された土は厚さ2、3センチ。何か見つかったのでしょうか。
佐賀県文化財保護・活用室、白木原宜室長:「お棺の中全体に赤色を塗っていたのだろうと想定できる」
棺の中に残っていた赤色顔料。それが棺全体に広がっていたといいます。
佐賀県文化財保護・活用室、白木原宜室長:「(赤く)塗っていること=高貴な人物という方程式はないが、お棺の中を赤く塗ること自体がお墓全体のなかでは極めて少ない数」
発掘現場の北では、シャーマンと考えられる人骨も出土しています。
佐賀県文化財保護・活用室、白木原宜室長:「(ここも)卑弥呼かどうかは分からないが、吉野ケ里の集落にとって特殊な人間だったとは言えると思う」
一方で、棺の中に肉眼で確認できるのは相変わらず「土」。
佐賀県文化財保護・活用室、白木原宜室長:「副葬品は今のところ見当たりません。人骨も…見当たりません」
土の厚さは残すところ2、3センチです。
佐賀県文化財保護・活用室、白木原宜室長:「土があと2、3センチ前後。その中に入っているかどうか」「(Q.あるかないか見通しは?)こればっかりは分からないです」
結論は14日に持ち越されました。
佐賀県文化財保護・活用室、白木原宜室長:「けさ、棺の底に到達しました。副葬品、人骨は確認できませんでした。えー…というのが現状であります」「(Q.邪馬台国の墓である可能性は?)邪馬台国の誰の墓なのかは、考古学的な成果からは言及できない」
■副葬品見つからず 奈良県は?
この結果に、ライバル、邪馬台国・畿内説をアピールする奈良県桜井市では。
桜井市観光まちづくり課・岡本喜一課長:「今回、確定的なものが出なかったということですので、まぁ一安心ですね。はい」
それと同時に。
桜井市観光まちづくり課・岡本喜一課長:「色々な諸説があるからロマンがある」
発掘にあたった白木原室長も。
佐賀県文化財保護・活用室、白木原宜室長:「(Q.ワクワクはした?)もちろん、ワクワクしてます」
ワクワクしている、現在形。古代史のロマンは続きます。
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