ダム破壊は「計画以上の結果」ロシア軍の音声か ウクライナ当局が公開(2023年6月10日)

ダム破壊は「計画以上の結果」ロシア軍の音声か ウクライナ当局が公開(2023年6月10日)

ダム破壊は「計画以上の結果」ロシア軍の音声か ウクライナ当局が公開(2023年6月10日)

 ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで、ダムが破壊され大きな被害が出るなか、ウクライナ当局は、ロシア軍が「計画以上の結果になった」と会話する音声データを傍受したとして公開しました。

■ダム決壊で大洪水 ペットを救助

 水につかった街。がれきをかき分け、ボランティアスタッフが向かうのは。

 ボランティア:「怖がらないで、おいで」

 懸命な救助活動は今も続いています。

 ペットが行方不明の人:「ペットと住んでいた家が浸水してしまいました」
 ボランティア:「心配しないで。なぜ泣いているのですか、ペットは死んでいません」

■東京23区の面積が…救助中も砲撃

 ウクライナの南部ヘルソン州。6日、カホフカ水力発電所のダムが決壊し、大規模な洪水が起きました。救助のさなかにも砲撃音が鳴り響きます。へルソン州では、東京23区に匹敵する広さで浸水し、2万2300戸の家屋が被害を受けました。少なくとも7人が行方不明になっています。変わり果てた我が家。人々は途方に暮れます。

 住民:「これは私の家です。小屋はそこにある。何も残っていない」

 さらに、数十万人の飲み水の確保に支障が出ているといいます。水を届けるのも一苦労です。

 住民:「ボランティアは私たちに飲み水を持ってきてくれます」

■ダム破壊は「計画以上の結果」

 なぜ、こんな事態に。ウクライナ保安庁は、ロシア軍の会話を傍受したとされる音声データを公開。ダムの決壊は、ロシアの破壊工作グループの仕業だと主張しました。

 ロシア軍の会話とみられる音声:「彼ら(ウクライナ)ではなく、ロシアの兵士がやった」「本当か?最初はウクライナ兵士がやったという話があったが」「ウクライナ兵ではなく、我々の破壊工作グループがやった。計画以上の結果になった」

 こんな話もあります。ニューヨーク・タイムズは、アメリカの偵察衛星が、ダムが決壊する直前に大きな爆発の特徴と一致する高熱を検知したと、政府高官の話として伝えました。意図的に爆破されたということでしょうか。

 ただ、アメリカの情報機関の分析官は、背後にロシアの関与が疑われるものの、確かな証拠は得られていないとしています。

 ゼレンスキー大統領:「私たちはこの災害と、ロシアによるすべての悪の影響を克服できると確信しています」

■「近代兵器は不十分」困難な状況認める

 一方、ロシア側は、反転攻勢に失敗したウクライナ軍がロシア軍の侵攻を防ぐために、ダムを破壊したと主張しています。

 プーチン大統領:「ウクライナ軍の動きをみると、反転攻勢は確実に始まっている」

 ウクライナの反転攻勢が始まった、との認識を初めて示したプーチン大統領。そのうえで反撃は阻止していると強調しました。さらに、こんな事情も明かしました。

 プーチン大統領:「私たちには近代兵器が不足しています」

 近代兵器の調達が困難な状況を認めたものの、軍需産業の急速な発展で目的は達成されると強気な姿勢を示しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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