繁殖期で“凶暴カラス”が観光客を襲撃 繁華街でゴミトラブル増加 電柱に巣で停電も(2023年6月8日)
カラスが繁殖期を迎え、凶暴化しています。行動制限の緩和で、人の往来が増えた観光地では、ごみを目当てに例年以上の大量のカラスが飛来しています。
■カラスが“チャック”開け…荷物を荒らす
先月、神奈川県藤沢市の上空を飛び交う無数の黒い影がありました。海岸に近付くと、大勢の観光客に交じって浜辺の至る所にカラスがいます。
トンビに交じって、カラスが頭上を次々と通過。人間を恐れる様子はありません。
カラスの研究を行っている 宇都宮大学 杉田昭栄名誉教授:「(Q.どうして、みんな集まってきてるんですか?)トンビにとってもカラスにとっても、餌(えさ)にありつける場所で。餌が落ちてるのを見つけるとか、餌を奪う機会を狙っている感じ。何回も旋回して」「(Q.餌があるって分かって来ている?)そういうこと。学習したんでしょうね。人が集まるところには、餌があると」
取材中、カラスは何度も観光客に急接近。突然の飛来に悲鳴を上げる人もいました。
杉田名誉教授:「(Q.同じ箇所にトンビもカラスも集まってきていますね)あの人たちが、買い物袋を」
目ざとく、買い物袋を見て集まってきたカラスとトンビ。カラスのほうがトンビよりも、巧妙に食べ物を取っていきます。
地元住民:「荷物とか置いていると、チャックとか開けて。カラスが中のものを引っ張り出しちゃう。軽くお茶飲もうとか、お菓子持っている人が多いが、全部チャックとか開けられて、荒らされてしまう」
■“群れ”で安全確保…“餌場”を情報共有
4月ごろから繁殖期を迎え、巣作りを始めるカラス。2歳以上の親鳥は、巣の2~3キロ圏内を行動範囲にします。
海岸近くに巣は見られないため、餌場としている場所に集まってきているのは、繁殖適齢期前の若いカラスの可能性があります。
地元住民:「(浜を)清掃している時、カラスの群れが一つの荷物に対して、狙っているという時があって。10羽以上いたかな。みんなして引っ張り出して、集団でやっている。袋とか入っていたのが舞っちゃって、海のほうに流されてっていうのを見た時に、こうやって海も汚れていくのかと感じた」
経験の浅い若いカラスは、群れることで身の安全を確保しつつ、餌場に関する情報を共有しているといいます。
杉田名誉教授:「群れを作ると、少なくとも数羽が餌のありかを知っていると、『そちらへ向かって飛んで行こうよ』って形で、群れ全体の食資源にありつける行動パターン。ここの周辺のカラスにとっては海辺、行楽シーズンにおいて、餌にありつける場所として認識している」
■街に活気戻る一方…ごみとカラスの問題増加
カラスによる被害は、都市部でも深刻になっています。
早朝の東京・渋谷センター街。そこには、ごみをあさるカラスの姿がありました。
渋谷センター商店街振興組合 小野寿幸理事長:「(Q.カラスはどうですか?)人がたくさん来るようになり、ごみが一つの問題。ごみが増えると、カラスも色んな問題が起きてきます」
新型コロナが5類に移行し、人や街に活気が戻る一方で、比例するように、ごみとカラスの問題も増加。新大久保でも、多くの観光客と共にカラスの姿がありました。
■カラスの巣で“停電”も…去年は2万個超を撤去
繁殖期を迎え、動きが活発化しているカラス。電力会社では、電柱に作られる巣に頭を悩ませていました。
東北電力ネットワーク 山形支社担当者:「カラスの巣の材料は、鉄線や針金ハンガーなど含まれていることがあり、金属類が設備に接触し漏電したり、電線と電線の間でショートすることで停電が発生する場合がある」
1年間にカラスの巣が原因で発生する停電は、およそ50件。去年、東北電力ネットワークが撤去した、管内のカラスの巣は2万個以上にも上ります。
山形支社担当者:「今年は例年と比べて、暖かい時期が早かったこともあり、巣の撤去数が多いと感じています」
電柱にカラスの巣を見つけた場合は、感電の危険もあるため、管轄の電力会社に連絡してほしいということです。
渋谷センター街では、増え始めたカラスの被害に複雑な思いを抱いています。
小野理事長:「商店街のうれしい悩みかな。人が増えて問題が起きるのは」「(Q.カラスと、どうやって付き合っていく?)カラスとなんか、付き合いたくないよ」
(「グッド!モーニング」2023年6月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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