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深刻“人手不足”タクシー業界…外国人採用 ガーナ出身ドライバー奮闘…訪日客大喜び【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年6月7日)
観光客でにぎわう京都駅。タクシーを待つ行列ができていました。こうした一方、タクシー会社の車庫にはドライバー不足で稼働できない50台以上の車両が置かれたままになっていました。今、タクシー業界ではドライバー不足が深刻化しています。
■深夜にタクシー待ち“100人”
週末、終電後の渋谷駅前のタクシー乗り場では、100人を超える行列ができていました。時間が深くなるにつれどんどん列が伸びていきます。
長蛇の列を前に、並ぶのをちゅうちょする人の姿も。
並ぶのをちゅうちょする男性:「今ここに歩いて来たんですけど、正直マジか!と思っています」
飲み会帰りだという2人。なかなか並ぶ決心がつきません。
並ぶのをちゅうちょする男性:「私は町田に住んでいて、どう頑張ってもタクシーで帰るのは決定事項なんですけど」
行列の前で悩むこと5分…。
町田へ帰る男性は行列に並ぶことに、一方、もう1人の男性は、自宅のある大田区へと歩いて行きました。
一方、通りに出てみると、手をあげる人を横目に、すでに客を乗せたタクシーが次々と通過していきます。
タクシー待ちの女性:「全然つかまらない」「手をずっとあげてるんですけど、30分ここで待って」
帰宅するためにタクシーを捕まえようとするものの、なかなか止まらないといいます。
タクシー待ちの女性:「コロナ前は手をあげて、10分5分手をあげてたら普通につかまったので、こんなつかまらないことってあるんだって思ってます」
■ドライバー不足…“車庫に50台”
タクシー不足は京都でも…。
およそ100人ほどがタクシー待ちの行列を作っていました。スーツケースを持った外国人観光客の姿も目立ちます。
ロータリーの車はフル稼働しますが、行列はなくなりません。行列は駅だけでなく、観光地でも。
韓国からの観光客:「もう15分以上、待っています。傘も持ってきてないんです」
この現状に京都市民は次のように話します。
京都市民:「最近はなかなか(タクシー)きいひんな」「拾おうとしてもたいがい乗ってはるね。観光のことに携わってるおうちはええやろうけどね。普通に何にもしないで住んでるもんにしたら、やっぱりちょっと観光客だらけでしんどいなっていうのはありますね」
京都市内のタクシー会社を訪ねると、配車依頼の電話がひっきりなしに鳴っていました。
都タクシー配車センター オペレーター:「今、空車がない状況です。お時間少し見ていただきたいのですがよろしいですか?」「近くに空車がなくなりましたので、少しお時間いただきますね。できるだけ急ぎますので、お待ちください」
一方で、配車依頼が多く来ているにもかかわらず、車庫にはたくさんの車が止まったまま。毎日50台以上の車両が使われていない状態で、一日およそ2000件ある配車依頼のうち、5分の1にあたる400件に対応できていません。
都タクシー 筒井基好社長:「人手不足ですね。せっかく車あるのに、動いていないっていうことなので。人さえ採用できれば、これ全部動いてくれるんだけど」
コロナの影響もあり、4年前におよそ400人いた運転手は、現在では300人ほどに減少。ドライバー不足の現状に社長も頭を悩ませます。
筒井社長:「最大限、ありとあらゆるコストも手段もすべてかけて、いま一生懸命やってるところです。だからと言ってすぐに(ドライバーが)戻ってくるわけではないので、(ドライバーは)まだまだ全然、戻らないですよ」
5月から賃金をアップし、従業員の募集も積極的に行っているといいます。
■外国人観光客も…「捕まらない」
アフターコロナで増加した外国人観光客も、タクシー不足に拍車を掛けます。
訪日外国人の数は、4月にはコロナ前のおよそ7割にまで回復しました。秋葉原では、買い物後、タクシーを利用する姿が多く見受けられます。
一方で、都内でもタクシー運転手の数が減少。外国人観光客からもこんな不満の声が聞こえてきます。
アメリカからの観光客:「原宿でタクシーをつかまえようと思ったけど、全然つかまらなかったよ」
外国人観光客ならではの問題もあります。
オーストラリアからの観光客:「日本語の地図を見せて行き先を言ったけど、うまく伝わらなくて別の所に連れて行かれたんだ。おかげで30分くらい歩くことになったよ」
■外国人ドライバーを採用「個性を生かした接客を」
人手不足の解消とインバウンドへの対応。タクシー業界の抱える二つの問題を解決するため、一挙両得を試みるタクシー会社があります。
都内に本社があるタクシー会社。外国人ドライバーを積極的に採用し、現在、27カ国70人を超える外国出身のドライバーが勤めています。
ガーナ出身のハッサンさんは去年12月から勤務。この日は、浅草付近を走行していると、早速アプリで配車依頼がきます。
タクシーに乗った乗客は、思わぬことに大喜び。
乗客:「日本に来て英語を話すドライバーは君が初めてだよ!」
ハッサンさん:「ありがとうございます」
メキシコから来た観光客はサッカーの話題に花が咲きます。
ハッサンさん:「メキシコとワールドカップで対戦したのを覚えていますよ!」
乗客:「ああ~そうだよね!覚えているよ!」
終始、会話が弾み、目的地に送り届けると最後は、グータッチです!
採用担当者は、外国人ドライバーを積極的に採用する理由をこう話します。
日の丸交通採用部 古舘博幸部長:「それぞれ国も違えば習慣も違う。それぞれ個性が違います。それぞれの個性を生かした接客とか、サービスを多くのお客様に喜んでいただければと思っています」
■外国人客大喜び「自分の国にいるよう」
銀座で前の客を降ろすと、すぐに次のお客さんがいました。
ハッサンさん:「タクシー?」「OK.Where do you want to go?(どこに行きますか?)」
続いての乗客はイギリスから来た夫婦。異国の地で出会ったガーナ出身ドライバーに興味津々です。
乗客:「日本にはどれくらい住んでいるの?」
ハッサンさん:「16年近く住んでいます」
乗客:「ドライバーになるのにどれくらいかかったの?」
ハッサンさん:「1年3カ月かかりました」
乗客:「とても頑張ったのね!」
食べ物の話でも外国出身ならではの共感が…。
乗客:「日本食を食べようと勧められて『寿司?寿司はちょっと…』という感じだったんだけど」
ハッサンさん:「僕も同じ経験がある。僕は生魚が好きじゃないんだ」
乗客:「そうなんだよ。僕も生魚を食べることが理解できないんだよ!」
イギリスから来た観光客:「日本語が分からないので英語で会話できたのがすごく良かったし、自分の国にいるような感じで話せました」
都内を一日走行したハッサンさん。この日は外国人観光客を3組乗せました。
日の丸交通ドライバー ハッサンさん:「先ほどみたいに外国の方乗せてとか『どこ行ったら良いんですか?』とか聞かれて教えてあげたりとか、向こうも結構分かる人がいるんで言ってもらえたら、私ももっと経験になってるから、それが一番楽しいと思ってる。めちゃめちゃ楽しいんですよ」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2023年6月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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