台風2号 石垣島など強風域 梅雨前線“活発”5月として記録的 激しい雨に(2023年5月30日)

台風2号 石垣島など強風域 梅雨前線“活発”5月として記録的 激しい雨に(2023年5月30日)

台風2号 石垣島など強風域 梅雨前線“活発”5月として記録的 激しい雨に(2023年5月30日)

 大型で強い台風2号は沖縄の南の海上を北上し、石垣島など先島諸島が強風域に入りました。自転車並みにのろのろと進む台風。被害を大きくしかねない台風の速度について実は、温暖化が影響しているという研究結果があるようなんです。

■台風×梅雨前線 雨雲が発達

 迫り来る台風2号。遠く離れた梅雨前線を刺激しています。屋根から滝のように流れ落ちる雨水。大分県、臼杵市の24時間雨量は60ミリを超えています。

■梅雨前線“活発” 空の便も乱れ

 30日は梅雨前線が南下して、四国でも雨が強まりました。松山市でも、伊予鉄のオレンジ色の車体がかすむほどの雨粒に。

 街の人:「台風が来る影響ですかね。杖を付いているので怖い。上手に降ってほしい。こんな急に降らずに影響がないように降ってほしい」

 すでに、インフラへの影響も出始めています。視界不良のため、九州に向かう一部の機体が条件付きで運航するなど、空の便も乱れています。大分県の別府温泉では、帰り道を心配する声も出ています。
 
 東京からの観光客:「(帰りの)飛行機がとりあえず飛んでくれれば」

■霧で視界失い…打ち付ける雨

 普段は温泉街を見渡せる情報カメラも30日は湯けむりに加え、悪天候で霧掛かり奥の方は何も見えません。ただ、この雨も悪いことばかりではないようです。

 大阪からの観光客:「雨の方が湯けむりが見えやすい」
 スペインからの観光客:「雨は降っているけれど、素晴らしい温泉を見ることができ、良い経験ができています。台風が近付いている観光地は避け、観光をして帰国するつもり」

■関東はジメジメ 熱中症搬送も

 一方、関東では晴れ間が戻っています。このジメジメ天気、油断できません。埼玉県熊谷市にある病院では熱中症とみられる患者の搬送がありました。高温多湿の職場で働いていた60代の女性。突如、目まいに襲われ数秒間、意識を失ったそうです。 

 医師:「目の前、真っ暗になった?」
 患者:「クラクラとして、後ろにポンって倒れて」

 関東内陸で明け方まで雨が降った後、梅雨前線が南下。急速に天気が回復したことで蒸し暑くなったことが影響したとみられます。

■台風2号 北上中 石垣島に接近へ

 強風域に入った石垣島。徐々に荒れてきました。台風は石垣島の南、およそ400キロの海上をゆっくり北上しています。すでに備えは始まっています。

 2年前に移住した人:「台風の規模がどれくらいか分からないので、売り切れるとは思わなかった」

 石垣市にあるホームセンター。神奈川から2年前移住した男性。家を守るネットを買いに来ましたが、すでに品切れです。

 2年前に移住した人:「物が飛んで来て子どもたちに当たったり、ガラスが割れたりそういうところも心配」

 ベニヤ板で急場をしのぐことになりました。

 2年前に移住した人:「窓に張ろうかなと。念には念をでやっておきたい」

 メイクマン石垣店・崎原保利店長:「ネット、ロープ、養生テープは注文している。でも、今週は入って来ない。前は懐中電灯が主流だったがいまはランタン。1個、置くだけで周りが明るくなるので」  

■87歳女性 「家を守る」“知恵”

 人々はどのように身を守るのでしょうか。

 まるたか農園・高西タマ子さん(87):「あらら、来たんですねえ」                     

 生まれも育ちも石垣島の高西タマ子さん87歳。マンゴーなどの体験農園を営む畑には、数々の台風の爪痕が残されていました。

 まるたか農園・高西タマ子さん(87):「見積もりしたら1000万円以上、掛かるから放置」

 毎年やってくる台風。家や農作物を守る、おばぁの知恵がありました。

 まるたか農園・高西タマ子さん(87):「あそこ、バナナ。バナナ見てください。葉っぱ落としてあるでしょ。台風が来ると葉っぱが揺れて倒れる」

 バナナの木が風で倒れないよう、葉っぱを落とし風通しを良くします。さらに、庭に置いてある物も。ただ、一番の安全策は家で嵐が通り過ぎるのを待つことです。

 まるたか農園・高西タマ子さん(87):「台風の時には『ちびはんびん』と言って内地でいう、お好み焼き。おうちの中で本読んだりテレビ見たり、おいしいの作って食べたりしてます」

■養殖に影響 池に大量の車エビ

 漁業にも影響が及んでいます。

 ユーグレナ竹富エビ養殖・新田長男社長:「風は吹き出している。まだ、雨はそんなに降っていない」

 石垣島から船で40分ほどにある竹富島。こちらも強風域に入っています。沖縄の原風景が残る家並み。白い砂浜にマリンブルーの海が広がる島。29日から徐々に空が曇り、海もモノトーンに変わってきました。都内や大阪などへ、出荷に追われるエビの養殖業者。長引く気配を見せる台風に不安を隠せません。

 ユーグレナ竹富エビ養殖・新田長男社長:「船が止まると出荷が止まる。次の生産計画にも影響する」 

 物流の停滞と共に怖いのが“停電”です。

 ユーグレナ竹富エビ養殖・新田長男社長:「陸上養殖をしているので、水の入れ替えだったり池の水を水流機で攪拌(かくはん)回しているが、そういうものが止まると酸欠を起こして本当にひどい状態だと死んでしまう」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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