G7首脳は原爆資料館「本館」見た？ 40分の訪問「内容明かさず」被爆者から不満(2023年5月19日)
世界のトップは何を見たのでしょうか。19日、G7（主要7カ国）の首脳がそろって原爆資料館を訪れました。被爆の実相が展示された「本館」への初めての訪問は行われたでしょうか。
■G7首脳 原爆資料館「本館」見た？
創業130年余りの老舗土産店。当時、原爆で店は壊滅し、3代目が被爆したといいます。現在の5代目は、G7サミットについて商売としては不安要素があるとしながらも、こう話します。
長崎屋・長崎清一社長：「我々、広島っていうのは原爆が落ちてから広島だけで立ち上がったんじゃなくて、世界中の多くの支援、全国から多くの支援があって今日がある。私はそれを受け継いでこの店をやっているのでどういう状況でもサポートしていきたい」
そのG7広島サミット、初日の19日、早速、山場を迎えました。核保有国の3カ国を含む各国首脳らが原爆資料館を視察。「広島平和記念資料館」の文字の下を通りました。そして、アメリカのバイデン大統領も…。アメリカの大統領としては2016年のオバマ大統領に次いで2度目です。各国首脳らはどの程度、原爆の実相に触れたのでしょうか。
原爆資料館は本館と東館に分かれていて、本館が原爆の悲惨さを伝える展示が中心なのに対し、東館は被爆からの復興などについて展示されています。そのため、本館を視察するかどうかが注目されました。各国首脳らは東館から入り、そろって東館から出てきました。
広島県原爆被害者団体協議会・箕牧智之理事長：「一番不満なのは原爆資料館の中をどれだけの時間をかけて見たか。それから本館まで行ったかどうか」
詳しい視察内容が明かされないなか、被爆者らからは不満の声が上がりました。
■「内容明かさず」被爆者から不満
19日、開幕したG7広島サミット。各国首脳らが原爆資料館を視察しましたが、被爆者らからは不満の声が上がりました。
広島県原爆被害者団体協議会・箕牧智之理事長：「入ってから出るまで40分。しかし、その間にサインをしなきゃいけないし、それから本館まで行ったかどうか。私たちにとってはすごく不満な平和公園での一連の行事だったと思う」
G7サミットでは、核軍縮についても議論される予定です。ただし、核兵器の削減努力を継続していく方向性での一致にとどまる見通しです。
1歳で被爆、被爆者団体連絡会議・田中聰司事務局長：「死没者を被爆者を悲しませるようなサミットになったら悲しいなと思ってね。せっかく核保有国が3カ国も来るんだからね、この際しっかりした核兵器を減らしていって、ゆくゆくはなくしていきますよっていうようなメッセージを発信できれば良いんだけどな」
被爆者は、じっくり時間をかけて資料を見てほしいと話します。
14歳で被爆した森下弘さん：「広島であった、長崎であった、それだけでなくて、首脳たちの自分たちの国民の上にも起こり得るんだという、そういうことを感じてもらえればいいですよね」
各国首脳は、原爆資料館で被爆者と面会したといいます。
松野官房長官：「今回の視察を通じて核兵器のない世界の実現に向けたG7としてのコミットメントを新たにする機会になったものと考える」
19日午後、各国首脳を案内した原爆資料館の館長が会見しました。
原爆資料館・滝川卓男館長：「（Q.どの辺りまで見られた？）政府行事の一環なので、視察時の対応については政府にお尋ねいただきたい」
本館に行ったのか、どの展示品を見たのかなど詳しくは分かりませんでした。なぜ、中の様子を明かさないのでしょうか。そこには“アメリカ側の事情”もあるというのです。
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
