プーチン大統領「本物の戦争」発言の狙いは?日本に言及も…ロシア戦勝記念日“軍事パレードに異変”【news23】|TBS NEWS DIG

プーチン大統領「本物の戦争」発言の狙いは?日本に言及も…ロシア戦勝記念日“軍事パレードに異変”【news23】|TBS NEWS DIG

プーチン大統領「本物の戦争」発言の狙いは?日本に言及も…ロシア戦勝記念日“軍事パレードに異変”【news23】|TBS NEWS DIG

第2次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日を迎えたロシア。プーチン大統領は演説で「西側はロシアの崩壊を求めている」と強く非難しました。一方、パレードは規模の縮小が指摘され、外国メディアに取材許可が出ないなど、異例の厳戒態勢の中、行われました。

■「本物の戦争」演説で国民に結束訴える

9日、日本時間午後4時から、ロシア・モスクワの中心部「赤の広場」で行われた戦勝記念日の軍事パレード。
ウクライナ側による、大規模な反転攻勢が近く始まると指摘される中、プーチン大統領の演説が注目されました。

プーチン大統領
「今日、文明は再び重要な転換点を迎えています。私たちの祖国に対して、再び“本物の戦争”が繰り広げられています」

「本物の戦争」という表現を使い、祖国を守る戦いと位置づけて正当化し、国民への結束を呼びかけました。

最も時間を費やしたのが、欧米への非難です。

プーチン大統領
「彼らの目的は、“ここに新しいものは何もない”、我が国の崩壊と破壊を達成し、第二次世界大戦の結果を取り消し、国際安全保障と国際法のシステムを決定的に破壊し、あらゆる主権的な発展の中心を絞めつけることである」

そして、ウクライナ侵攻に参加する兵士らを誇りに思うとして…

プーチン大統領
「今、国の安全はあなたたちにかかっています。私たちの国家と国民の未来は、あなたたちにかかっているのです」

“国全てが、侵攻に参加する英雄たちを支援する準備ができている”とし、改めて侵攻を続ける意志を示しました。

プーチン大統領は、約10分にわたり演説。
ロシアが先週発表した、クレムリンへのドローン攻撃については、言及はありませんでした。

今回のパレードでは、航空機の飛行が行われなかったなど、規模の縮小が指摘されています。
戦勝記念日はプーチン政権として、内外に大きくアピールできる重要行事。
しかし今年は、例年以上に厳戒態勢が取られ、外国メディアなどに取材許可を出していないなど、異例の状況下で行われました。

市民は、プーチン大統領の演説を、どのように受け止めたのでしょうか。

モスクワ市民
「彼が言うことに賛成です。勝利は私たちのものになると思います。そう期待しています」
「戦争が早く終わってほしいです。早く平和が来てほしい」

――プーチン大統領の演説は見ましたか?

「見ていないです。そのテーマに関しては、まるでないかのように、考えないようにしています」

■「特別軍事作戦」から「本物の戦争」へ 表現変更の狙いは

――プーチン大統領の「本物の戦争」という表現ですが、どういった狙いがあるのでしょうか?

赤の広場はまだ封鎖されていますが、周辺の規制はすでに解除され、現在は観光客の姿が戻っています。

プーチン大統領は演説の中で「われわれの祖国に対し、再び本物の戦争が開始された」と述べ、これまで「特別軍事作戦」と称していたウクライナ侵攻について「本物の戦争」という表現を使いました。ただ、あくまで西側諸国から仕掛けられたものであり、西側が「ロシアの崩壊を求めている」と主張し、ウクライナ侵攻を、祖国を守る戦いと位置づけて正当化するとともに侵攻を継続する姿勢を示しました。

旧ソ連がナチスドイツを破り「大祖国戦争」と呼ばれる第2次世界大戦と侵攻を重ね合わせ、国民の団結を呼びかけた形です。

一方、パレード後のこの時間帯は例年、第2次大戦の戦死者らの遺影を掲げて市民が行進する「不滅の連隊」が行われてきましたが、今年は全土で中止となりました。

表向きは「安全上の理由」ですが、ウクライナでの戦死者の遺影を掲げる人たちが出ることで損失が強調されることや、侵攻そのものへの抗議につながることを政権が警戒しているとの見方も出ています。

こうした動きはいずれも、政権が侵攻のさらなる長期化をにらんだものといえそうです。

■「“日本の軍国主義”と戦った“中国の戦士”の偉業を忘れない」中国依存の表れか?

山本恵里伽キャスター:
プーチン大統領の演説、約10分間行われまして、ウクライナ侵攻を正当化しました。

演説のポイントは…

▼私達の祖国に対して、“本物の戦争”が繰り広げられている。
▼欧米は、社会を分断している。
▼“日本の軍国主義”と戦った“中国の戦士”の偉業を忘れない

東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師:
全体としては、以前から言ってることとあまり変わりなくて、西側がウクライナを操って、我々に対して戦争を仕掛けているんだという構図です。
けれども、その中で日本が出てきたのは割と珍しいなと。2015年の習近平国家主席が、モスクワに来たときに出したことはあるんですけども、今回はそうではないのに日本が出てきて、それと対比する形で中国を持ち上げてるってことなので、やはり中国に対する依存が高まっているのかなと思いました。
もうひとつは、プーチン大統領が演説した場所の真後ろにドローンが落ちてきているんですよね。にも関わらず、そのドローンの話を一切していない。ちょっとぐらいあってもいいんじゃないかと思ったんですが、そういうことを全く言っていな…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230510-6084059)

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