“異例ずくめ”のロシア戦勝記念日 外国メディアの取材制限、軍事パレード兵器の事前説明無し・・・プーチン大統領の演説を紐解く【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

“異例ずくめ”のロシア戦勝記念日 外国メディアの取材制限、軍事パレード兵器の事前説明無し・・・プーチン大統領の演説を紐解く【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

“異例ずくめ”のロシア戦勝記念日 外国メディアの取材制限、軍事パレード兵器の事前説明無し・・・プーチン大統領の演説を紐解く【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

9日、ロシアでは戦勝記念日の軍事パレードが行われ、プーチン大統領が演説をしました。
プーチン大統領の演説からどのような現状が読み取れるのでしょうか。解説です。

■異例ずくめのロシア戦勝記念日 プーチン大統領の狙いは

日比麻音子キャスター:
そもそも戦勝記念日の式典は、国民の愛国心を鼓舞する目的があり、また軍事力を国内・国外にアピールする重要な行事とされていますが、今回はどのように行われたのでしょうか。

▼軍事パレードの兵器→事前の説明なし
▼外国メディアに対して取材制限→TBSのカメラも建物の中から撮影
▼軍事パレード→今回は少なくとも21の都市が中止を表明。2022年は全体で28の都市でパレードが行われたので、2023年は小規模の開催となった。

■「彼らの目的は、我々の国を破壊することだ」プーチン大統領が演説で語ったこと

日比キャスター:
では、こういった中でプーチン大統領は何を語ったのでしょうか?

<プーチン大統領の演説より>
「ロシアのために戦っている全ての人々を歓迎いたします」
「全世界の人々と同じように、我々は平和的な自由で安定した将来を見たいのです」
「ロシアに対して真の戦争が行われています」
「ロシア国民のみなさん、ロシアの運命を決する戦いはいつも神聖なものでした」
などと、ロシア国民に対しても鼓舞するような内容が語られています。

一方で、西側諸国に対してはこのような言葉がありました。

プーチン大統領
「西側諸国はいつも優位性について語っている。世界を分裂させようとしている。彼らの目的は、我々の国を破壊することだ」

この行事はそもそも犠牲者の追悼や国際社会の結束といった象徴の側面もある中で、西側諸国に対しては強い非難の言葉があったわけです。

ホラン千秋キャスター:
ウクライナ侵攻が始まって2回目の戦勝記念日になるわけですけれども、前回と比べて今回は規模が縮小されたり、今までと勝手が違ったりというのはどんな背景があるんでしょうか?

防衛省 防衛研究所 高橋杉雄氏:
基本的には今、最前線で激戦が繰り広げられているので、最前線で使っている兵器を出せなかったということだと思います。また、最前線で泥まみれになっている兵士がアイロンの通った軍服でパレードをしている兵士たちを見てどう思うかを考えたときに、あまり派手に演出できないといったところがあったのではないかとも思います。

同時にここでナショナリズムを高揚させないと、軍隊に入ってくる人を増やすことができないので結構ジレンマがあったのではないかなと感じます。

ホランキャスター:
海外のメディアを入れないのはどういうことでしょうか?

防衛省 防衛研究所 高橋杉雄さん:
おそらく全体をコンパクトにしたいということと、あとは基本的にこれはロシアのものだというところで、国際的なアピールに気をつかわなくなっているということではないかと。

ホランキャスター:
肝心の内容に気になる部分はありましたか?

防衛省 防衛研究所 高橋杉雄氏:
言った部分と言っていない部分がポイントだと思います。

発言した部分で言えば、西側に対する敵愾心ですよね。これはこれまでの演説でも一貫していて、プーチン大統領は民主主義とかだけではなくLGBTの問題などについても、はっきりと敵意を示しているわけです。あと、対独戦勝記念日ですからナチスに対する勝利を祝うイベントなわけですけれども、そこにおいて西側がナチスみたいになっているというか、西側がウクライナを支援しているからウクライナの国民が悪いんじゃなくて、ウクライナを支援する西側が悪いんだっていうトーンを強調しているのも言ったことですね。

言わなかったこととして言うと、戦意を煽るような挑発的な言葉はあるんですけれども、喋り方としては非常に穏やかに喋っていましたし、そのあたりをどう読み解くかを考えていく必要があると思います。

■ドローン攻撃は“自作自演”?

日比キャスター:
そして軍事パレードを迎える数日前にこういったことがありました。

ロシア大統領府によりますと、5月3日にクレムリン(ロシア大統領府)へのドローンの攻撃があったと発表がありました。

▼ロシア側=“ウクライナ側がドローン攻撃を試みた”
▼ウクライナ側=攻撃を“全面否定”

高橋さんによると、これはロシアによる自作自演の可能性があるということです。

防衛省 防衛研究所 高橋杉雄氏
「“ロシアの政府の中心地”が攻撃されたとすることで、軍を拡大し、さらなる攻撃の“動機づくり”に利用したのではないか」

ホランキャスター:
この“さらなる攻撃”が懸念されますよね。

防衛省 防衛研究所 高橋杉雄氏:
ここのところ4日続けて首都キーウがドローンで攻撃されています。ただし2022年の秋からやっていた大規模なミサイル攻撃がなくなっていて、もしかしたらミサイルの数が足りなくなっているのではないかということも推測できますね。

ホランキャスター:
ロシアの政府は民間の軍事会社ワグネルから弾薬を供給する約束をしてもらったというワグネルの側から…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230509-6083958)

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