英国王戴冠式の舞台裏 1000年超の歴史も「初めてづくし」…ヘンリー王子は異例の扱い【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年5月8日)
日本時間6日、チャールズ国王(74)の戴冠(たいかん)式が行われました。1000年続く歴史ある伝統の儀式。しかし、今回は「初めてづくし」とも言える式となりました。
■“王室離脱”ヘンリー王子も出席「身内席に」
バッキンガム宮殿を出発して、戴冠式に向かうチャールズ国王とカミラ王妃(75)。
2人が乗る馬車は、エリザベス女王即位60周年記念の2012年に作られた、「ダイヤモンド・ジュビリー・ステート・コーチ」です。
冷暖房や電動の窓、油圧式のサスペンションがついていて、1000年の歴史があるイギリスの戴冠式で使われるのは、初めてのことです。
およそ2キロの道のりを30分かけ、式典が行われるウェストミンスター寺院へ到着しました。
式典にはウィリアム皇太子(40)とキャサリン妃(41)、シャーロット王女(8)とルイ王子(5)らが出席。秋篠宮ご夫妻やフランスのマクロン大統領、アメリカのジル・バイデン大統領夫人ら各国の要人、歌手のライオネル・リッチーさんらが招待されました。
その中には、王室を離脱したヘンリー王子(38)の姿もありました。
メーガン妃がアーチー王子の誕生日のために欠席したため、1人での出席。席は3列目でした。
イギリス王室に詳しい にしぐち瑞穂さん:「『高位』ではないが、『家族の一員』という席でした。主軸のロイヤルの皆さまとはちょっと離れて“身内席”という感じ」
今回の戴冠式では、ヘンリー王子に正式な役割は与えられませんでした。
■国王の意向「あらゆる信仰の擁護者でありたい」
国王が入場した後も、戴冠式の歴史上、初めての出来事が続きます。
女性の聖職者が戴冠式に参加するのは初めて。さらに、国王にローブを運んできた女性、ユダヤ教徒です。キリスト教徒以外の人物が、式で役割を担うのは、1000年以上の歴史で初めてのことです。
他にも、ヒンドゥー教徒の男性が指輪を運び、イスラム教徒の男性がブレスレットを、シーク教徒の貴族院議員が手袋を運びました。
この“初めてづくし”は、チャールズ国王の「あらゆる信仰の擁護者でありたい」とする意向により実現したといいます。
そして、大司教からは「オーブ」や「王笏(おうしゃく)」など、王権の象徴である宝物が授けられ、最後は王冠。400個以上の宝石がちりばめられていて、重さは2キロを超えます。
■馬車の乗り心地は…「ひどいもの」「荒れた海の船」
戴冠式からの帰りに国王夫妻が乗るのは、1762年に作られた、木製の馬車「ゴールド・ステート・コーチ」です。
表面を金箔(きんぱく)でコーティングしていて、4トンの重さがあるため、馬8頭でひいています。その乗り心地について、過去には…。
エリザベス女王:「ひどいものです。ばねの上に革が張ってあるだけ。あまり乗り心地の良いものではありません」
ウィリアム4世:「荒れた海の船に乗っているようだ」
チャールズ国王は腰痛を患っているため、乗り心地の悪い古い馬車を使うのは帰りだけにしたとも言われています。
今回の戴冠式では帰りのパレードの距離も短く設定され、スリム化が図られました。
70年前、エリザベス女王の戴冠式では8キロのパレードでしたが、今回は2キロに短縮。儀式自体も一部が省略されて短くなり、招待客は8000人だったのが、およそ2200人に絞られました。
ちなみに、チャールズ国王は当時4歳。戴冠式をじっと見つめていました。
■戴冠式会場付近では…“反王室の抗議集会”
笑顔で見送る参列者。その中で、ヘンリー王子は1人硬い表情を見せていました。
ロイヤルファミリーは沿道に詰め掛けた人に手を振ってあいさつ。そこに、ヘンリー王子の姿はありませんでした。
BBCによると、ヘンリー王子はバルコニーに招待されておらず、戴冠式に出席した後、そのままヒースロー空港に直行したといいます。
一方、ウェストミンスター寺院から1キロ足らずのトラファルガー広場で行われていたのは、反王室の抗議集会です。
国民感情に配慮して、多様性を尊重し、スリム化が図られた今回の戴冠式。果たして、国民にはどう受け止められたのでしょうか。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年5月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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