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【戦勝記念日前にロシア緊迫】相次ぐ“謎の爆発”暗躍組織のリスクは◆日曜スクープ◆(2023年5月7日)
9日の対独戦勝記念日を控え、ロシア国内ではドローンによるクレムリンへの攻撃に加え、不可解な爆発が相次ぎ、緊張が高まっている。プーチン政権は、2週間前から「赤の広場」を閉鎖するなど、厳戒態勢を維持する中、3日、ロシアの権力中枢・クレムリンに対するドローン攻撃が起きた。戦勝記念日に実施される軍事パレードは、市民の安全上の理由などから、昨年は28都市で開催されたが、今年は、少なくとも21都市は中止される見通しとなっている。ウクライナ国境に近いベルゴロド州知事は、「大切なのは住民の安全であり、誰も危険は冒さない」と述べ、ウクライナ側の攻撃を警戒するために、パレードを見送る方針を明らかにした。
今年に入り、ロシア国内で謎の爆発や火災が相次ぐ。反プーチン派の組織が犯行声明を出すケースも見られた。6日、モスクワ東部の村で、保守派の人気作家・ザハール・プリレーピン氏(47)が乗った車が爆発し、運転手が死亡、本人は負傷したと現地メディアが伝えた。「国民共和国軍」などが、犯行声明を出した。だが、7日未明、作家ザハール・プリレーピン氏(47)が死亡した事件で、ロシアの捜査当局は6日、拘束した容疑者の男(30)が「ウクライナ特務機関の指示を受けた」と自供したと発表した。また、4月2日にサンクトペテルブルクのカフェで、1人が死亡、19人が負傷した爆発では、「国民共和国軍」が犯行声明を。今年3月には、ロシア南部のロストフナドヌーで、連邦保安局(FSB)の庁舎で爆発があり、「黒い橋」が犯行声明を出した。同3月に、ウクライナに近いロシア・ブリャンスク州でも、監視塔などがドローンで攻撃され、武装グループが周辺を襲撃、市民2人が死亡し、「ロシア義勇軍団」が犯行声明を放った。
ウクライナ侵攻に部隊を派遣するチェチェン共和国のカディロフ首長は、ロシア側に私兵部隊2万人以上を参戦させている。一方で、ウクライナ側に参戦するチェチェン義勇兵の存在も確認されている。独立系メディアによると、ウクライナ側のチェチェン義勇兵は、1000人以上、5大隊で組織され、4大隊がウクライナ軍に所属する。多くの義勇兵は、第2次チェチェン戦争を体験した元兵士をはじめ、自分の父親をロシア軍に殺害された履歴を持つ子どもたちと見られている。一部のチェチェン義勇兵はウクライナ東部要衝のバフムトで戦闘に参加しているとされている。米CNNによると、ウクライナに戦力を投入するロシアの民間軍事企業「ワグネル」創設者プリゴジン氏は6日、ウクライナ東部の激戦地バフムト市で確保した陣地などを、チェチェン共和国のカディロフ首長率いる部隊に引き渡すとの意向を明らかにした。軍事侵攻の長期化に伴うロシア国内の統制強化、国内で発生する不可解な爆発、また、ウクライナ防衛に参戦するチェチェン義勇兵の存在など、近時、ロシアを巡る内外に顕在化するリスクと懸念を考察する。
★ゲスト:山添博史(防衛省防衛研究所)、名越健郎(拓殖大学特任教授)
★アンカー: 末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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