「2度の爆発」人影も…誰がなぜ?考えられる3つの可能性“ドローン攻撃”徹底検証(2023年5月4日)

「2度の爆発」人影も…誰がなぜ?考えられる3つの可能性“ドローン攻撃”徹底検証(2023年5月4日)

「2度の爆発」人影も…誰がなぜ?考えられる3つの可能性“ドローン攻撃”徹底検証(2023年5月4日)

ロシアの権力の中枢・クレムリンを攻撃したとされる無人機。爆発が起きたのは、クレムリンにある旧元老院、大統領府として使われている建物のあたりで、モスクワの象徴・赤の広場に面しています。

広場は、普段とは違う風景になっていました。9日の対ドイツ戦勝記念日に行われる軍事パレード用のスタンド席は国旗の色に施されていました。無人機が飛んできたのは、そんなタイミングでした。

映像をよく見ると、ドームの部分に設けられた階段を上っていく2人の人影が映っています。真夜中に、一体、なぜという疑問がわきますが、実はこの映像は、2機飛んできたとされる無人機の2機目のものとみられています。最初の爆発を受けて、状況の確認に向かったところ、2機目の爆発が起きたということなのでしょうか。

無人機を飛ばしたのは誰なのか、まだわかっていませんが、考えられるのは3つの可能性です。

一つは、ロシア政府が主張するようにウクライナが攻撃したというもの。それを可能とする兵器を保有しているのは事実です。
新アメリカ安全保障センター・ベネット首席研究員:「ウクライナ製ドローンの数機種なら可能です。開発した『UJ-22』の航続距離であれば到達できます」

ウクライナが開発した『UJ-22』。最大20キロの爆弾が搭載可能で、あらかじめ場所などを指定すれば、800キロ離れたところまで自律飛行できるドローンです。国境からモスクワまでは最短で約450キロ。十分、射程に入ります。
新アメリカ安全保障センター・ベネット首席研究員:「もし、ウクライナ軍による攻撃だとすれば、モスクワなど特定地域の防空網の再配置を強いることが狙いです。それにより、ウクライナで展開する防空網などが犠牲になるでしょう」

クレムリンへの攻撃を許したとなれば、ロシアにとっては失態です。クレムリンにほど近い国防省に設置された防空システム。近郊にも置かれ、ドローンを撃墜できるはずです。そこで浮上するのが、ロシアによる自作自演説です。第一に、ウクライナ側は、関与を真っ向から否定しています。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領:「我が国は、プーチンやモスクワを攻撃しない。我々は自国の領土で戦い、村や都市を守っている。兵器に余裕はない。プーチンを攻撃していない。彼は法廷で裁いてもらう」
ウクライナ大統領府・ポドリャク顧問:「占領された領土のロシア軍事施設をすべて破壊するのは重要。それ以外の行為はロシアにテロ行為として解釈され、民間人や民間設備への大規模攻撃の正当化に使われる」

実際、ロシア大統領府は「報復する権利がある」と主張しています。
ロシア・メドベージェフ前大統領:「きょうのテロの後では、ゼレンスキーとその一派の物理的な排除以外の選択肢は残っていない」

アメリカのシンクタンクは、さらなる徴兵のために自作自演した可能性を指摘します。
アメリカ戦争研究所:「ロシアが迅速かつ毅然とした公式見解を示したのは、この戦争に国家の存亡がかかっていることを国民に印象づけるため。戦勝記念日を前に事件をでっち上げたことを示唆している」

ただ、アメリカ政府は、慎重姿勢です。
ホワイトハウス・ジャンピエール報道官:「自作自演かどうか語るのは時期尚早。ロシアには、そういう過去があるが、臆測では話したくない」

そして、もう一つ、可能性として考えられるのが、ロシア国内の勢力によるものです。亡命したロシアの元議員は、国内で抵抗運動を続けるパルチザンが行ったとの見方を示しています。
ロシアから亡命・ポノマリョフ元議員:「ウクライナは一切関係ない。すべてロシア人が仕組んだことだ。パルチザンは鉄道の破壊や徴兵事務所の放火、戦争推進派の活動家の襲撃やハッキング攻撃など行っている」

パルチザンによるものとみられる事件は、繰り返し起きています。先月、戦争支持派の軍事ブロガーが爆殺された事件や、“プーチンの頭脳”とも呼ばれた思想家の娘が殺害された事件では、反プーチンの組織が犯行声明を出しました。

モスクワ市民に聞きました。
モスクワ市民:「知らない。ニュースを読まないし、見ません」
モスクワ市民:「至る所で攻撃しているニュースばかりなので、もう見ないようにしています」
モスクワ市民:「こんなことがもう起きないことを願っています。(Q.今回の攻撃は怖いですか)。自分の命に関わりますから。私だけでなく、ロシア国民全員に関わります」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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