クレムリン攻撃 ウクライナ関与否定も…ロシア国内に異変 “爆破事件”相次ぐ(2023年5月4日)

クレムリン攻撃 ウクライナ関与否定も…ロシア国内に異変 “爆破事件”相次ぐ(2023年5月4日)

クレムリン攻撃 ウクライナ関与否定も…ロシア国内に異変 “爆破事件”相次ぐ(2023年5月4日)

 ロシアの大統領府は、モスクワのクレムリンがウクライナのドローン攻撃を受けたと発表した。プーチン大統領は不在で無事だったということだが、ウクライナ側は関与を否定している。

■“クレムリン攻撃”「計画的なテロ」

 夜のロシア大統領府「クレムリン」。そこに空中を飛行する物体が近付き、大きな赤い火花をあげて墜落。爆発後、破片が散らばっているのが分かる。

 これは、クレムリン上空で物体が爆発した瞬間とされる映像として、ロイター通信が配信したもの。

 さらに3日未明、モスクワで撮影されたとする映像では、クレムリンから白い煙が高く立ち上っている。

 ロシア大統領府(日本時間3日午後8時半すぎ):「クレムリンに対してウクライナの2機のドローンが攻撃を試みた」

 日本時間午後8時半すぎに突如として発表された、ロシア政府の中枢・クレムリンへのドローン攻撃。

 ロシア大統領府によると、「レーダーによる制御システムで、ロシア軍と特殊部隊が行動を起こした結果、ドローンは撃墜された」としていて、「この攻撃による負傷者はなく、プーチン大統領は別の場所にいて無事だった」とも発表した。

 ロシア大統領府:「大統領の命を狙った計画的なテロ行為とみている」

 ウクライナ側の関与はあったのか。ゼレンスキー大統領は次のように話した。

 ゼレンスキー大統領:「私たちはプーチンやモスクワを攻撃しているわけではありません。私たちは、自分たちの領土で戦っている。私たちは自分たちの村や都市を守っているのです。プーチンを攻撃したわけでもない。我々はそれを法廷に委ねる」

 クレムリンへのドローン攻撃について、ウクライナ側の関与を否定。

■ウクライナ軍関与?ロシア国内で“爆破事件”相次ぐ

 しかし、ここ数日、ロシア国内では不審な事件が相次いでいた。

 ブリャンスク州知事:「正体不明の爆撃で貨物列車の機関車が脱線した」

 1日、ロシアのブリャンスク州で貨物列車が爆破され、脱線する事件が発生。ロシアメディアによると、列車は石油製品や木材などを運んでいて、コンテナ7、8台が脱線したという。

 さらに、その翌日も同じブリャンスク州で、列車爆破事件が発生。機関車と貨物車両20両が脱線したものの、負傷者はいないという。

 2日連続で起きた列車を狙った事件。いずれもウクライナ軍などの関与は明らかになっていない。さらに…。

 黒煙と赤い炎をあげながらごうごうと燃えるのは、石油タンク。3日、クリミア橋近くにある石油貯蔵施設のタンクが爆発し炎上。

 実はその4日前にも…。先月29日、ロシアが実効支配するクリミアの軍港都市セバストポリで石油貯蔵施設がドローンで攻撃され、貯蔵タンク10基以上が破壊された。

 この火災についてウクライナ軍の報道官は「今回の火災は大規模な本格攻勢への布石となる」と、ウクライナ軍の関与を示唆した。

 さらに、ゼレンスキー大統領は、これまでにも“大規模攻撃”を示唆する発言をしていた。

■ゼレンスキー大統領「もうすぐ最重要な戦闘が」

 先月30日、多くのウクライナ軍の兵士を前に演説したゼレンスキー大統領。

 ゼレンスキー大統領:「もうすぐ最重要な戦闘が始まります。ロシアから私たちの領土と人々を解放しなければなりません」

 大規模な反撃が近いことを示唆した。さらに、時期についても…。

 ゼレンスキー大統領:「(西側諸国からの)F-16戦闘機などが手に入る前に(反転攻勢を)開始します」

 また先月24日、アメリカのワシントン・ポストは流出した米機密文書の情報をもとに、ロシアの侵攻から1年となる今年2月24日、ウクライナ国防省がロシアへの大規模攻撃を計画していたと報じていた。

 大規模攻撃にはモスクワも攻撃対象に含まれていたとされ、プーチン政権の核兵器使用を誘発しかねないと判断したアメリカの要請によってウクライナ側は計画を中止したという。

 しかし、今回のドローン攻撃を受けて、ロシアのウォロジン下院議長はSNSで「ウクライナのテロリスト政権を阻止し、破壊できる武器の使用を求める」と、核兵器使用の示唆ともとれる発言をした。

 今回のクレムリン攻撃を受け、ホワイトハウスの報道官は次のように話した。

 ジャンピエール報道官:「報道は承知しているが、現時点でロシア側の真偽を確認することができない」

 こうしたなか、アメリカ政府はウクライナへの新たな軍事支援を発表。支援には高機動ロケット砲システム「HIMARS」の追加の砲弾など最大3億ドル、およそ400億円規模が盛り込まれている。

■「戦勝記念日」の準備…例年より早く赤の広場閉鎖

 ロシアのウクライナ侵攻が始まっておよそ1年2カ月。モスクワ中心部への攻撃は初めてのことだ。ロシア大統領府は次のように話す。

 ロシア大統領府:「我々はこの行動を外国からの来賓も出席する5月9日の戦勝記念日の直前に行われた、大統領の命を狙った計画的なテロ行為とみている」

 ロシアで最も重要な祝日とされる、5月9日の「戦勝記念日」。パレードが行われる赤の広場は、準備のため、例年より1週間ほど早い先月27日に閉鎖。ウクライナ側の攻撃警戒のためとみられる。

 さらに今年に入り、モスクワ市内で防空システムが次々と築かれているのが確認されていた。

■モスクワ市内“ドローンの使用禁止”

 一夜明けた、モスクワ市内。クレムリン周辺で大きな騒ぎはなく、市民も落ち着いて過ごしているように見える。

 クレムリン攻撃を受け、モスクワ市内では、3日からのドローンの使用を禁止すると発表。街の至る所にドローン禁止の標識がある。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年5月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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