ロシア大統領府に無人機攻撃か ウクライナは関与否定 “2つの不可解な点”指摘も(2023年5月4日)

ロシア大統領府に無人機攻撃か ウクライナは関与否定 “2つの不可解な点”指摘も(2023年5月4日)

ロシア大統領府に無人機攻撃か ウクライナは関与否定 “2つの不可解な点”指摘も(2023年5月4日)

 ロシア大統領府はクレムリンを狙った無人機の攻撃があったと発表しました。ロシアは、ゼレンスキー政権によるものだと主張しましたが、ウクライナ側は関与を否定しています。

■プーチン大統領暗殺未遂?クレムリンへ“ドローン2機”

 ロシア大統領府「クレムリン」を狙った無人攻撃機。左から飛んでくる物体がドローンとみられます。建物の屋根近くで爆発すると、激しい閃光(せんこう)が広がります。

 ロシア大統領府は3日、クレムリンへの攻撃はドローン2機によるもので、防空システムにより防御されたと発表。プーチン大統領は不在で、けが人もいなかったといいます。

 ウクライナとの戦闘が長期化するなか、ロシア首都にある心臓部、そしてプーチン大統領が狙われたのでしょうか。

 ロシア大統領府は「外国からの来賓もある5月9日の戦勝記念日のパレードを前に大統領の暗殺を狙ったテロ行為だ」と批判。ウクライナ側に大規模攻撃を実施する可能性を示唆しました。

 ゼレンスキー大統領は次のように話しました。

 ゼレンスキー大統領:「我々はプーチンを攻撃しない。プーチンを法廷に委ねる」

■不可解な点…“ドローンの侵入方法”

 専門家は、映像には2つの不可解な点があると指摘します。

 東京大学 先端科学技術研究センター 小泉悠専任講師:「まず、出てきている画像を思いっきり拡大してみると、わずかながら翼のようなものが確認できるということと、速度がヘリコプター型のドローンよりは速いように見えます」

 攻撃前にわずかに見える羽のような影。小泉氏は大きさから、ロシア製の「オルラン10」のような持ち運びできるタイプのドローンのようだと指摘します。

 小泉専任講師:「プロペラ推進の中高度無人偵察機なんじゃないかと。落ちてくる時の速度を見ると、時速1000キロとかマッハ2とか出ているような感じはしない。モスクワ周辺に張り巡らされた防空網を、どうやって突破してきたんだろうと率直に疑問ですね。モスクワって世界で最も強力に防空システムで守られている街の一つ。冷戦時代から言われてきて、実際現在でも分厚く防空部隊がいるので、モスクワ周辺には。戦時下なんで、それなりに警戒態勢も上がっていると思うんですけど、どうやったんだろう」

■不可解な点…屋根の上に“謎の2人”

 飛行する物体の下をよく見ると。クレムリンの屋根の上に動く人影のような姿が確認できます。

 小泉専任講師:「(Q.屋根の上に2人が上っている姿が?)確かに夜中の2時半にあんな所に人間が上っている。不自然と言えば不自然ですよ。通常(屋根に人は)いないです。今、出ている映像が1機目なのか2機目なのかでかなり読み解き方が違ってくるんじゃないかと思います。クレムリン側の発表では2機が突っ込んできているということで、例えば最初の1機が突っ込んできた後に何かの状況確認とか何かの対策のために人が上っている最中だったかもしれない。そこのところは何とも分からない」

 映像がドローン2機目の攻撃であれば、1機目を受けて上った可能性が考えられます。一方、1機目の攻撃直前にいたのであれば、なぜ事前に上っていたのか疑問だと言います。

 親ロシア派メディアによりますと、1機目は午前2時27分、2機目は午前2時43分に飛来し、16分間、空いていたという報道もあります。

■ロシア側の“自作自演”?

 一方で、ロシア側の自作自演・偽旗作戦なのかどうかは、慎重に判断する必要があるということです。

 小泉専任講師:「当然ウクライナ側がロシアの首都に対して象徴的な攻撃を『一発かましてやりたい』と考える可能性もあるわけなので、意図も両方にあるんですよね。現時点で意図はこうだっていうのは、なかなか言えないと思うんですよね」

(「グッド!モーニング」2023年5月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事