【報ステ解説】「プーチン氏の面子潰されたか」クレムリン“無人機攻撃”瞬間映像か(2023年5月3日)

【報ステ解説】「プーチン氏の面子潰されたか」クレムリン“無人機攻撃”瞬間映像か(2023年5月3日)

【報ステ解説】「プーチン氏の面子潰されたか」クレムリン“無人機攻撃”瞬間映像か(2023年5月3日)

ロシア大統領府は3日、クレムリンがドローンによる攻撃を受けたと発表しました。プーチン大統領は不在で、無事だったということです。

モスクワで3日午前2時半ごろに撮影されたとみられる映像では、ロシア大統領府から白い煙が上がっているのが見えます。

SNS上では「大きな音がした」との投稿もあります。

ロシア大統領府の発表によりますと、「クレムリンに対して、ウクライナのドローン2機が攻撃を試みた」ということです。

また、「レーダーによる制御システムで、ロシア軍と特殊部隊が行動を起こした結果、ドローンは撃墜された」としています。

「破片が敷地内に散乱したものの、この攻撃による負傷者はなく、プーチン大統領は別の場所にいて無事だった。スケジュールも変更されなかった」とも発表しています。

ロシアでは1日にも、テロとみられる爆破で、貨物列車が脱線する事件があったばかりです。

ロシア西部ブリャンスク州の知事は「正体不明の爆撃により、貨物列車の機関車が脱線した」と明らかにしました。

ロシアメディアによりますと、列車は石油製品や木材などを運んでいて、60台のコンテナのうち、7~8台が脱線しました。

現時点で犯行声明などは発表されていませんが、一部のロシア独立メディアは、40代とみられる男が指名手配されていると報じています。

また、レニングラード州の知事も、爆破装置によって送電線が破壊されたと明らかにしました。

ロイター通信によりますと、今回のクレムリンへのドローン攻撃に関して、ウクライナは関与を否定しているということです。

【ロシア国内で相次ぐ事案…ウクライナの関与は】

防衛省防衛研究所・兵頭慎治さんに聞きます。

(Q.ロシア大統領府の発表に信ぴょう性はありますか)

兵頭さん:「これまでウクライナ側も、ドローン攻撃などによって、モスクワ近郊への攻撃を行っていました。そのため、クレムリン中枢への攻撃の可能性はこれまでも警戒されていました。さらに、漏えいしたアメリカの機密情報文書の中で、ウクライナはクレムリン、モスクワへの攻撃を検討していて、アメリカも断念するように要請していたことが明らかにされています。ウクライナ側にクレムリン中枢部への攻撃の意図があったことと、ウクライナ自身も自ら開発したドローンで攻撃する能力を持っているので、可能性としてはあり得ます。ただ、今回モスクワが攻撃された直後に、クレムリンはすぐさま公表しました。ウクライナからの攻撃だったかに関しては、慎重に見極めていく必要があります。クレムリン中枢への攻撃は、プーチン大統領の生命などが狙われたことになるので、ロシアがこの後、どんな対応に出るかが注目されます」

(Q.仮にクレムリンへの攻撃だった場合、ロシアにとって衝撃は大きいものになりますか)

兵頭さん:「これまでも、モスクワ近郊約100キロに、ウクライナが関与したとみられるドローン攻撃がありました。ただ、クレムリン中枢となると、モスクワの受け止めは、これまでとは違ったものになると思います。5月9日の対独戦勝記念日は、クレムリンのすぐ側にある赤の広場で行われるので、予定通り実施されるのかどうか。ロシア側にも衝撃が走っていると思います」

テロかどうかは分かりませんが、ロシア国内・一方的に併合したクリミアで、様々な事案が相次いでいます。

・4月29日
 クリミアの軍港都市セバストポリで、石油貯蔵施設がドローンで攻撃され、貯蔵タンク10基以上が破壊。

・5月1日、2日
 ロシア西部の鉄道の線路で爆発。貨物列車20両や機関車が脱線。

・5月3日
 クリミア大橋近くにある石油貯蔵施設のタンクが爆発・炎上

(Q.様々な事案が相次いでいることを踏まえて、再確認になりますが、今回の事案はクレムリンへの攻撃だった可能性はあると思いますか)

兵頭さん:「ウクライナが、大規模な反転攻勢を行う構えを見せるなか、後方の軍事拠点であるクリミア半島などへの攻撃が始まっていました。クレムリン中枢部への攻撃も、ウクライナの意図があった可能性も十分あります。5月9日の対独戦勝記念日は、プーチン大統領にとって極めて重要なイベントになるので、それに向けたウクライナの反応という可能性もあると思います」

(Q.ロシア大統領府の発表は、今回の事案が起きてから12時間ほど経過した後でした。発表は遅かったと言えますか)

兵頭さん:「クレムリン中枢部への攻撃だった場合、ロシアにとって重要な事態です。ロシアもしっかりと見極めたうえで、公表することになったのではないかと思います」

ロシア大統領府の発表:「今夜(モスクワ時間3日)キエフ政権が無人機を使って、ロシア大統領府の公邸を標的にした攻撃を企てた。2機の無人機がクレムリンを標的にした。ロシア軍と特殊部隊によるレーダーを活用したタイムリーな対応により、無人機の行動は阻止された。無人機は墜落し、破片がクレムリンの敷地内に散乱した。人的物的な被害はなかった。我々はこの行為を、海外の要人も来訪する5月9日の対独戦勝記念日を前に、大統領の命を狙ったテロリストによる計画的な犯行とみなす。このテロ行為により、大統領は負傷していない。大統領の公務は変更されず、通常通り継続されている。ロシア側は、報復措置を適切なタイミングで講じる権利を有する」

(Q.『報復措置を適切なタイミングで講じる権利を有する』という言葉の意味をどう読み取りますか)

兵頭さん:「今回の攻撃は阻止したと発表していますが、プーチン大統領の生命を狙った可能性があり、何らかの軍事的な報復措置を取ることを示唆していると思います。これが直ちに核使用にはならないと思いますが、ロシアの強い意図の表明が声明から読み取れます」

(Q.ウクライナの『関与していない』という発表を額面通り受け取って良いですか)

兵頭さん:「少なくとも2月末には、モスクワ近郊へのドローン攻撃が行われています。ウクライナは公的に関与を表明していませんが、関与があったと指摘されています。クリミア半島の爆破に関しても、ウクライナから関与を示唆する表明がありました。これからウクライナが反転攻勢を強めるなか、ロシアへの攻撃を行うことは十分あり得ると考えています。ただ、クレムリンへの攻撃となると、レベルが高くなるので、ウクライナが実際に攻撃を行ったかどうかは慎重に見極める必要があると思います」

(Q.ロシアによる“偽旗作戦”の可能性はありますか)

兵頭さん:「その可能性も排除されません。5月9日の対独戦勝記念日を控えるなかで、ロシア国内の引き締めを図る意味で行った可能性もあると思います。ただ、アメリカの機密情報の漏えい文書で、ウクライナはモスクワ中心部への攻撃を検討していたのではないかという情報も流れていました」

(Q.真実を見極めるために、これから注視していくポイントはどこになりますか)

兵頭さん:「引き続き、今回の事案について、ウクライナがどのような反応を示していくのか。また、ロシアが今回の事案を、国内でどう利用していくのか。ロシア・ウクライナ双方の反応を見極めながら、慎重に真相を見極めていく必要があると思います」

【クレムリン攻撃の瞬間映像か】

ロイター通信は、攻撃の瞬間だとする映像を配信しました。映像の真偽はまだ確かめられていませんが、ドローンのような物体がクレムリンに侵入し、爆発が起きる様子が映っています。

(Q.映像を見てどう感じましたか)

兵頭さん:「映像を見る限りでは、クレムリンへの攻撃に対して迎撃したように見えますが、この辺りも含めて、果たしてウクライナが攻撃を行ったのかどうかに関しても慎重に見極める必要があります。ロシアが報復措置を含めて、どのような対応に出るのかが注目されます」

(Q.プーチン大統領は面子を潰された格好になりませんか)

兵頭さん:「まさにプーチン大統領の執務室のすぐ側で、着弾するところで、撃ち落とされたようにも見えます。プーチン大統領にとっては、かなり面子を潰されたと伺われます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事