「とんでもない責任を負ってしまった」最も絶滅リスクが高い“幻のドジョウ”を守る大学教授の奮闘|TBS NEWS DIG
国際的なレッドリストで最も絶滅リスクが高いとされる「ドジョウ」が、京都府丹後地域のごく限られたエリアでのみ生息していることが分かりました。「幻のドジョウ」とも言われる、そのドジョウを保全しようと奮闘する現場を取材しました。
ことし3月、水族館の水槽に多くの人たちが釘付けになっていました。
「めっちゃ可愛い」
人気者の正体は「タンゴスジシマドジョウ」。クリーム色をした体にしま模様が特徴です。
近畿大学 北川忠生教授
「ちょうどこの川の対岸の、あのあたりになりますね」
見つけたのは、近畿大学・北川忠生教授の研究チーム。2010年、京都府丹後地域の川で偶然捕獲され、その後、見つかった川の限られた区間にしかいない「新種」だと判明しました。
国際的なレッドリストで最も絶滅リスクが高い「絶滅危惧IA類」に選定された「幻のドジョウ」です。
近畿大学 北川忠生教授
「とんでもない責任を負ってしまったなと。今度はどうやって守っていこうかと」
そこで取り組んだのは人工授精です。まず、麻酔液にドジョウを投入。動かなくなったのを確認すると、急いで精子を採取していきます。
ただ、やはり生き物相手…。
ゼミ生
「(精子が)出ないですね…」
しかし…
「(精子が)出た」
なんとか採取できました。これをメスから採取した卵にかけて受精。1時間も待てば、受精卵に細胞分裂が。無事、成功です。
今までおよそ2000個体を人工繁殖させてきた北川さん。ただ、これらはすべて、いわば「兄弟」で、放流すると生態系を壊すリスクもあるため、あくまでバックアップ用だといいます。
北川さんは分布調査も行っています。探すこと数時間、すると。
近畿大学 北川忠生教授
「あ!獲れました!タンゴスジシマドジョウです。“幻のドジョウ”ですね。タンゴスジシマドジョウがいなくなるということは多分、このドジョウと共有している生態系自体が崩れているので、これを守るということは“今ある環境を全部守る”ということ」
存在を知ってもらい、保護につなげたい。ことし3月、人工繁殖した個体を地元の水族館で展示することにしました。
近畿大学 北川忠生教授
「みんなに見てもらって、みんなに知ってもらって、ここでのびのびと育ってください。元気に子どもたちを残してください」
今ある環境をどう守るか。北川さんは今後も、タンゴスジシマドジョウの生態系での役割など、研究を続けていきます。
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