【近畿日本ツーリスト過大請求】16自治体で約5億8000万円を確認 大阪府知事「厳正に対処」
新型コロナワクチン接種の業務をめぐる人件費の過大請求が発覚した「近畿日本ツーリスト」が2日、会見を開き謝罪しました。同社は、過大請求の原因として「契約人数よりも少ない人数で再委託をしたにもかかわらず、自治体に契約人数通りの人件費をそのまま請求していた」と明らかにしました。また「担当者が受託数と発注数に差があることを認識」していたといいます。約4900万円の過大請求が確認された大阪府の吉村知事のコメントは…。
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旅行会社大手「近畿日本ツーリスト」が2日、都内で謝罪会見を開き、最大で約16億円にものぼる過大請求の疑いを明らかにしました。
近畿日本ツーリスト 高浦雅彦社長
「最大で約16億円の過大請求の疑義があることが判明いたしました。誠に申し訳ございませんでした」
自治体から委託された新型コロナワクチン接種のコールセンターなどの業務について、同社によると、実際には契約人数よりも少ない人数で再委託をしていたにもかかわらず、自治体に契約人数通りの人件費をそのまま請求していたことから、過大な請求になったといいます。
なぜ、過大請求が行われたのでしょうか。
近畿日本ツーリスト 高浦雅彦社長
「コロナ禍で旅行事業が厳しい中、新たに取り組み始めた新型コロナウイルス対策受託事業により、営業目標を達成したいとの思いが強く働いておりました」
原因に挙げたのは、コロナ禍における旅行事業の不振です。また「受託事業の契約における法的な知識が乏しかった」と説明しました。
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近畿日本ツーリストでは、社内点検の結果、過去3年間で最大約16億円、80以上の自治体などに過大請求をした疑いが判明しました。
そのうち現在までに、大阪府や静岡県などの16自治体(大阪府、東大阪市、羽曳野市、泉大津市、河南町、焼津市、掛川市とその他9自治体)が確認できており、その額は約5億8000万円だということです。大阪府は少なくとも4900万円の過大請求がありました。
大阪府・吉村知事(4月28日)
「契約そのものにだます意図があったとは思っていないが、 大切な税金ですから厳正に対処していきます」
16自治体への過大請求について同社は、「担当者が受託数と発注数に差があることを認識していた」といいます。
記者からの「税金を軽率に扱ったという状況になっていますけれども」という問いかけに対し高浦社長は…
近畿日本ツーリスト 高浦雅彦社長
「あってなはならない事態を起こしていると深く反省しております」
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税金をめぐる今回の不正について、街の人に聞いてみました。
会社員(30代)
「ちゃんとした形で使って頂きたいなと思っているものが一企業に流れてしまっているのは、何だかなあという気持ち」
会社員(20代)
「裏切られた感じはするかなと思います。信頼が損なわれた感じはしますね」
会社員(20代)
「自分の住んでいる地域となると、さらに何でそうなっちゃったのかなというところは、考えちゃいますかね」
近畿日本ツーリストは、外部の専門家などからなる調査委員会を設置。それぞれの自治体への返金を進めるとしています。
(2023年5月2日放送「news zero」より)
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