物価高でも「お財布のひも緩む」“メリハリ消費”予算1.7倍に コロナ前のにぎわいも(2023年5月2日)

物価高でも「お財布のひも緩む」“メリハリ消費”予算1.7倍に コロナ前のにぎわいも(2023年5月2日)

物価高でも「お財布のひも緩む」“メリハリ消費”予算1.7倍に コロナ前のにぎわいも(2023年5月2日)

脱コロナで迎えた今年のGW(ゴールデンウィーク)。物価高が続いていますが、繁華街の飲食店には行列ができるなど、外食の現場は、かつての活況を取り戻しつつあります。

井澤健太朗アナウンサー:「天下の台所、大阪を象徴する黒門市場です。この通りを歩いていると、美味しそうな香りがいたる所から漂ってきます。そして、色んな国の言語も飛び交っています。本当に多くの外国人観光客の方たちが集まっています」

大阪・ミナミの商店街『黒門市場』には、600メートルほどのアーケードの下に、150ものお店がずらりと並びます。

黒門とれぴち市場・森田レイさん:「(Q.GWは豪華なものが売れる)そうですね。和牛とか多い。(Q.単価も高く)はい。うれしいです」

なぜこれほど外国人観光客でにぎわっているのでしょうか。

オランダからの観光客:「Googleで(知った)。一日で周れる大阪の観光地を検索して、その一つが黒門市場でした。食べたことのないものに挑戦したくて」

タイからの観光客:「海産物がおいしい場所だと、YouTuberから聞きました。『新鮮で様々な魚介がある』と」

コロナ禍では一気に客が離れました。やむを得ず、休業に踏み切る店が続出。そんな時、市場を支えてくれたのは、地元のお客さんでした。だからこそ、複雑な思いもあります。

石橋食品・石橋大輔さん:「地元の人の足が遠のいているのが、ちょっと気になるところ。(Q.もともとは地元の人向け)そう。ちょっと(地元客が)離れている感じ。これだけ人通りがあると『おっくうや』という感じで。年いった人は、こけたら危ない。難しいところ」

ようやくコロナが落ち着いて初めて迎えるGWは、食の現場にも変化をもたらしています。その一端がデパ地下に表れていました。

買い物客が思わず足を止めていたのは、ふんだんに詰め込まれた海鮮や、大ぶりのたらば蟹。その場で焼き上げたステーキが入った『GWスペシャル弁当』。お値段は6480円です。

岡山から観光に来た姉弟は、一生懸命、貯めたバイト代で、和牛のヒレとサーロインの詰まった弁当を奮発しました。

岡山から観光に来た大学生(20代):「口の中でとろけて、美味しいお肉。どうせなら6000円のを食べてみようかなと。何年か外にも出歩けなくて、ご飯も行けない感じだった。気分は最高です」

家族のために海鮮弁当を買ったという女性は…。

家族のために購入した女性:「(Q.GWの予定・旅行などは)行かないので、お弁当で北海道気分を味わえたらなと。(Q.お財布のひもはGW中、緩んでいますか)緩んでいるので買っちゃいました。終わったら普通に節約の日々です」

2日は、41個のスペシャル弁当が売れました。百貨店側は、GW商戦を今後に向けた起爆剤になるよう期待します。

『大北海道展』企画責任者・高見澤健さん:「これまでお客様も、色んな面で我慢されていたと思います。これから少しずつ良くなっていけば」

今年のGWをどう過ごすか。ある調査によりますと「国内旅行」に行く人よりも「外食に出かける」と答えた人の割合が上回っていました。

男性:「GWに行けば、旅館は高いし、電車はいっぱいやし、飛行機もいっぱいだし。年取ったら、GWはゆっくりと。旅館が高いのが気に入らんで」

家族4世代で食事をしている人たちもいました。

男性:「一番身近な人たちと、楽しく過ごせることが一番」
女性:「なかなか会える時間も機会もない。ゆっくり成長を見せられて良かった」

飲食業ににぎわいが戻れば、同じように忙しくなる業界があります。運転代行業者です。午後8時半を過ぎると、次から次へと電話が…。

東武代行・板橋勇二代表:「時間帯が午後8時~午後10時の間で集中しているのが現状。今だと(待ち時間が)60分~120分を超える時も週末はある」

実際、利用者が車を呼ぼうとしても…。

男性:「呼んでも来ない。『1時間から2時間です』と言われる。ほか当たってみます、みたいな感じ。最悪2時間と言われたら、呼んでおいて、どこかで飲んで待つというのが多い。きょうは代行あきらめて、タクシーで帰ります」

この状況に、喜んでばかりもいられないようです。

東武代行・板橋勇二代表:「コロナ前は最大25台ありました。100人前後の従業員がいたが、現状最大14台と減っている。従業員は50人を切る状況」

運転代行業は2種免許が必要で、募集をかけても簡単に人は集まりません。運転手を確保するために、いま必要なのは…。

東武代行・板橋勇二代表:「経済回復するためにも、必要なのは外食産業。利用者が安全に、待ち時間なしで利用できるように、国で制度を作っていただけると、運転手の育成にもつなげられる」

東京・港区の竹芝桟橋には、仕事を終え、いよいよ3日から5連休という人たちが集まり始めていました。

三宅島への乗客:「(Q.きょうまで仕事)きょうの午前中まで。頭の中、三宅のことでいっぱいですね。」「この3年くらいは、コロナで行けなかったので4年ぶりなので楽しみ」

神津島への乗客:「きょうから神津島に行くので、仕事休みなしで、なんとか間に合わせた。きょうに向けて。(Q.無事に終わった)いや、終わらなかったです」「楽しみ。ウキウキある」

皆さんはこれから、伊豆諸島をめぐる大型客船に乗り込みます。この便だけで約650人分の席が埋まっているといいます。

【4年ぶり“本格的”なGW 人出も増加】

GWの最初の土日の人出を、コロナ前の2019年を100%として比較したデータを見てみます。

●東京・渋谷のスクランブル交差点周辺
 2020年:14%
 2023年:75%

●栃木・日光東照宮
 2020年:3%
 2023年:71%

●京都・清水寺周辺
 2020年:10%
 2023年:58%

●大阪・黒門市場
 2020年:44%
 2023年:110%

(Q.これだけ街に人が増えていると、使うお金も増えていますか)

今年のGWにどれぐらいの予算を準備しているかというデータを見ると、1人あたりの平均は2万7870円。去年は平均1万6407円だったので、約1.7倍になっています。仮に4人家族だとすると、予算は10万円以上になります。

インテージ生活者研究センター・田中宏昌センター長:「これまで新型コロナや物価高で節約志向だったが、花見やGWなどのイベントには多少使っても良いだろうという“メリハリ消費”をするようになったのでは」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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