横浜「牛角」で集団食中毒、ノロウイルス検出 21人がおう吐・腹痛【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

横浜「牛角」で集団食中毒、ノロウイルス検出 21人がおう吐・腹痛【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

横浜「牛角」で集団食中毒、ノロウイルス検出 21人がおう吐・腹痛【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

横浜市の保健所は15日、焼肉チェーン「牛角」の店舗でノロウイルスが原因とみられる集団食中毒が発生したと発表しました。専門家は、冬に向けてのノロウイルスの流行に注意を呼びかけています。

■「牛角」で集団食中毒 冬はノロウイルスに注意

「誠に勝手ながら臨時休業させて頂きます」

横浜市内にある焼肉チェーン「牛角」の店舗に貼られていた張り紙。

保健所によりますと11月7日、このお店で焼き肉や野菜などのコースを食べた10代の男性21人がおう吐や腹痛などの症状を訴えました。

検査で8人の便から検出されたのは強い吐き気や下痢などの症状を引き起こすとされる「ノロウイルス」です。

最近ノロウイルスに感染したという24歳の男性。突然、激しい腹痛と吐き気を催し、夜も眠れない状況が続いたといいます。

ノロウイルスに感染した男性
「夜も10時、11時ぐらいに布団に入って寝ようとするが、30分おきにお腹が痛くて起きてトイレに行って出てをずっと繰り返していた」

11月から3月の寒い時期に特に多いとされるノロウイルスによる食中毒。専門家はその感染経路について…

大東文化大学 中島一敏教授
「食中毒のパターンと人から人への感染のパターンがある。吐しゃ物とか便とかに気が付かない形で手について間接的に口に入ってくる」

そのうえで、感染を防ぐためには基本的な対策が重要になると強調します。

大東文化大学 中島一敏教授
「本当に目に見えない少ない量の糞便の汚染でも感染が起こりうる。アルコールがあまり期待できないので流水と石けんによる手洗いが大事。あとは食品が(ノロウイルスで)汚染されているということがある、加熱することが重要」

■症状は下痢、嘔吐、発熱など…感染経路は「食べ物→ヒト」?「ヒト→ヒト」?

井上貴博キャスター:
ノロウイルスの季節がやってきました。完全に防ぐというのは難しいですが、ひとつひとつ可能性を潰していくことが肝要のようです。

1年間にノロウイルスに感染する人数はおよそ1万人で、11月から3月に流行のピークを迎えます。下痢、嘔吐、発熱などの症状があり、経験した人はつらさを体感しているかと思います。だいたい2日程度で回復するということですが、高齢者や乳幼児は重症化のおそれもあるというウイルスです。

治療法や有効な薬、ワクチンなどがなく、対処療法しかないという点が厄介です。今回の牛角の件についてはまだ原因などはわかっていません。可能性としてはどういうことが考えられるのでしょうか。

まず、「食べ物からヒトへ」という感染経路では、ウイルスに汚染されたカキなどの二枚貝を生で食べたり、加熱が不十分だったりした場合に感染するケースがあります。

今回「牛角」のニュースでは、11月8日以降に21人が食中毒の症状を訴え、一部からノロウイルスが検出されています。この21人は焼肉をメインとした「食べ放題」のコースを食べていました。コースに二枚貝は含まれませんが、単品メニューに二枚貝のホタテがあるということです。

東京歯科大学の寺嶋毅医師によると、ノロウイルスに汚染された食材を触った手で調理することで別の食材にウイルスが移る可能性もあるということです。

また、「ヒトからヒトへ」という感染経路では感染者の吐しゃ物や飛沫感染も考えられます。寺嶋医師によると、ウイルスを持った人から食材や食器などを介して感染した可能性もあるということです。

一般的な飲食店では、▼ウイルスを持った配達業者が食材を移動させる際に手で触るなどして汚染、▼ウイルスを持った従業員が調理・配膳、▼来店した客がウイルスを持っていたという感染経路が考えられるということです。

今回の「牛角」の食中毒は、調査で、調理を担当していた従業員からはノロウイルスが検出されなかったということがわかっていますが、どの感染経路なのかはわかっていません。

■強い感染力のノロウイルス 感染防止のポイントは?

井上キャスター:
ノロウイルスは感染力が非常に強いウイルスで、厚生労働省の資料によると、食中毒1件あたりの患者数は37.4人。感染防止のポイントは、▼手洗い(アルコール消毒はほぼ効果なし)、▼吐しゃ物を処理する際は使い捨てのマスクや手袋を使用する、▼共有スペースを消毒する場合は塩素系の漂白剤を使用するということです。

ホラン千秋キャスター:
食べたものの中にウイルスがなくても違う空間から持ち込まれる可能性があります。私達ができる感染対策は基本的なことで、やれることは限られていますね。

田中ウルヴェ京スポーツ心理学者(博士):
できることが限られているという理解は大事です。自分自身もですが、お店もどんなに清潔にしていても、どんなに注意してもコントロールできないことがあるわけです。

対処・対策はできるのかもしれませんが、食材が感染していればできることは限られるということです。私達は手を洗うという対策をしたり、お年寄りや赤ちゃんがいるところでは注意するなど、気をつけたいです。

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