【アメリカ・フィリピン】「合同軍事演習」…背景に中国の強引な海洋進出

【アメリカ・フィリピン】「合同軍事演習」…背景に中国の強引な海洋進出

【アメリカ・フィリピン】「合同軍事演習」…背景に中国の強引な海洋進出

アメリカ軍とフィリピン軍は26日、フィリピン・サンバレス州の海軍基地で合同軍事演習を行いました。台湾周辺や南シナ海で軍事的な活動を活発化させる中国へのけん制の狙いがあるとみられています。また中国もフィリピンをつなぎ留めようと動いていました。

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南シナ海に面するフィリピン・サンバレス州の海軍基地には26日、多くの軍関係者の姿がありました。そこで実施されていたのは、アメリカ軍とフィリピン軍の合同軍事演習です。

記者
「今、ハイマース(高機動ロケット砲システム)から轟音(ごうおん)と共にロケット弾が発射されました」

アメリカ軍とフィリピン軍が合同軍事演習を行い、高機動ロケット砲システム「ハイマース」などを使い、艦船を実際に撃沈させたのです。

演習には、フィリピンのマルコス大統領の姿もありました。去年6月の就任以来、前政権で悪化した対米関係を修復し、アメリカ重視の姿勢に転換しました。今、両国は同盟関係をよりいっそう強化しています。

その背景にあるのが、台湾の周辺や南シナ海で軍事的な活動を活発化させる中国の存在です。

今月上旬に中国軍は、台湾周辺で軍事演習を実施しました。米中間の対立も深まり、緊張感が高まっています。

その中国は、南シナ海で影響力を強めようとしています。今年2月、中国艦船がフィリピン沿岸警備隊にレーザーを照射するなど、挑発をエスカレートさせています。

去年10月、中国が南シナ海で建造を進める人工島の写真が撮影されました。島には滑走路も確認でき、軍事拠点化が進んでいることが分かります。

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中国の強引な海洋進出は、フィリピンの漁師たちに深刻な打撃を与えていました。南シナ海を漁場とする漁師の男性に話を聞きました。

南シナ海で漁をするジェフェリー・エラドさん(42)
「(中国の監視船に)機関銃を持った人がいて放水をしてきました。とても強かったです。船の窓ガラスが割れてしまいました。すごく怖くて、もし拘束されたら家族に会えなくなるという心配が1番でした」

数年前、中国の監視船にたびたび漁を妨害されたといいます。そのため、最近は良い漁場に近づけず、収入は以前の半分以下になったそうです。

南シナ海で漁をするジェフェリー・エラドさん
「生活に困っています。(元々の漁場は)フィリピンに近いので、自分たちのものであってほしい」

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今回の演習は、台頭する中国をけん制する狙いがあるとみられます。

両国の連携強化の動きはほかにもあり、フィリピンは今月、米軍が使用できる新たな拠点4か所を公表しました。いずれも台湾や南シナ海に近く、中国への抑止力を高める狙いがみえます。

一方で両国の急接近を警戒する中国が、経済協力をてこにフィリピンをつなぎ留めようとする動きも見せる中、フィリピンは米中のはざまで難しいかじ取りを強いられています。
(2023年4月27日放送「news every.」より)

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