“LGBT法案”自民で本格議論へ G7前成立は? 県議に届いた“手紙”(2023年4月27日)

“LGBT法案”自民で本格議論へ G7前成立は? 県議に届いた“手紙”(2023年4月27日)

“LGBT法案”自民で本格議論へ G7前成立は? 県議に届いた“手紙”(2023年4月27日)

 28日から自民党で本格的な議論が始まるLGBT法案。駐日大使などから法案成立を求める声が高まるなか、神社本庁の政治団体から家族制度を巡る様々な要望が書かれた手紙が送られてきたことを自民党の県議が明らかにしました。

■G7前成立は?県議に届いた“手紙”

 G7(主要7カ国)で唯一、「LGBTQ」に関する法律がない日本。海外からどう見えているのでしょうか。

 観光客:「(LGBTQを巡る日本の状況は)悲しいわ。私は嫌よ」「日本は近代的な国ですが、この点では遅れています」

 28日から自民党はLGBTへの理解増進を目指す法案について議論を本格化させます。ただ、保守系議員からの反発が根強いため、統一地方選などへの影響に配慮してこれまで先送りされていました。

■“LGBT法案”28日から本格審議へ

 8万の神社を束ねる神社本庁の政治団体「神道政治連盟」、その団体から統一地方選を控えた3月上旬、自民党の埼玉県議のもとに1通の手紙が届きました。

 埼玉県議会(自民党)・田村琢実議員:「(Q.手紙はいつ届いた?)私の自宅に3月上旬くらい」

 中には議員を支援する「条件」が7項目にわたって書かれています。

 埼玉県議会(自民党)・田村琢実議員:「『伝統的な家族制度の崩壊につながりかねない選択的夫婦別氏制度の導入に反対し、各自治体におけるパートナーシップ制等の動向を注視する』。これ、他人の恋愛に口挟んでいるような問題。『あなたの家庭こうじゃなきゃ』と普通は言わない。でもこれは『伝統的な家族じゃなきゃいけない』と言っている」

 つまり、神道政治連盟の活動に協力するなら県議を支援するというものです。公約書にサインも求めています。

 埼玉県議会(自民党)・田村琢実議員:「(Q.公約書にサインは?)していない」「(Q.理由は?)神職がこういう教義を持って活動することに違和感があったから。こういう新たな思想を普及させたり行わせたりするような団体と認識していなかったので、驚いているとともに神職をつかさどる人が意思表示をすることに違和感」

 田村議員によりますと、埼玉県の自民党公認候補すべてに送られてきたといいます。

 埼玉県議会(自民党)・田村琢実議員:「問題だという声は多く聞いたし、地元の神社から頼まれたからサインせざるを得ないという人もいた」

■“LGBT条例”で「呼ばれて苦情」

 去年、埼玉県がLGBTQ条例を制定した時には、こんな苦情も。

 埼玉県議会(自民党)・田村琢実議員:「同僚議員が個別に呼ばれて批判や苦情を言われたことはあった。差別禁止にされると、神社に同性カップルが来た時に断れないじゃないかという苦情」

 なぜ手紙を送ったのか、神道政治連盟に問い合わせたところ「質問には回答しない」と返答がありました。

■“LGBT法案”自民党内で本格審議へ

 「LGBT理解増進法案」を巡っては、推進派から来月のG7広島サミット前に成立を求める声が高まっています。

 経団連・十倉雅和会長:「1カ月弱前にアメリカに行ってきました。『日本のLGBTQはどうなっている』というような質問がありました。『今国会で議論されようとしています』と、そう答えるのも恥ずかしいぐらいでして…」

 外国人には日本の状況はどう見えるのでしょうか。

 ドバイから来た人:「日本がG7とともに表に立ちたいのであれば法律を変えるべきだと思います」

 ドイツから来た人:「皆さんの文化ですね。皆さんが考えないといけません」

 イタリアから来た人:「私たちにとって(同性婚)は普通のことよ。すべては愛よ」

 イギリスやアメリカの駐日大使らも差別のない社会を訴えました。

 英・ロングボトム駐日大使:「LGBT+の権利促進は個人的にも大きな意味があります。昨年5月、私の長女ナタリーが女性パートナーキャサリンと同性婚を挙げたからです」

 一方、拙速な議論に釘を刺す発言も…。

 萩生田政調会長:「サミットで時間を切るというようなことは筋が違うんではないかと思ってます」

 おととし、超党派議連が合意したLGBT理解増進法案は国会への提出が見送られた経緯があります。盛り込まれた「差別は許されない」という表現を巡り、自民党内で議論が紛糾したためです。

 今月28日から自民党は本格的に議論を始めますが、今回は「不当な差別は許されない」という文言を盛り込んで野党側との調整に入り、5月前半ごろまでの合意を目指したい考えです。ただ、野党からは差別の禁止を盛り込むべきだと反発が予想され、合意できるかは不透明です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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