5歳男児がプールで死亡…富山・高岡市 プールの事故は「ほとんどが入水時」 大人と子どもの見え方の違い【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

5歳男児がプールで死亡…富山・高岡市 プールの事故は「ほとんどが入水時」 大人と子どもの見え方の違い【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

5歳男児がプールで死亡…富山・高岡市 プールの事故は「ほとんどが入水時」 大人と子どもの見え方の違い【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

4月22日、富山県・高岡市のフィットネスクラブのプールで5歳の男の子が死亡する事故がありました。事故が起きたのは水泳教室のあとの「遊び時間」でした。
専門家はプールでの事故について「ほとんどが入水時に置きている」と指摘します。その理由は、大人と子供の見え方の違い。詳しく解説します。

■プールで5歳児死亡 浮き具が外れたことが原因か?

南部雅俊キャスター:
22日、富山県・高岡市のプールで水泳教室に参加していた5歳の男の子が沈んている状態で見つかり、死亡しました。事故は水泳教室での指導後、自由に泳ぐ「遊び時間」に起きたということです。
亡くなった笠谷拓杜ちゃんはまだ泳ぎが得意ではなかったということで、「ヘルパー」と呼ばれる浮き具を腰に着用していましたが、飛び込んだ際に外れたことが事故の原因かとみられています。当時、水泳教室には4人のコーチがいましたが、誰も気づかなかったといいます。

この監視体制に問題はなかったのでしょうか?当日の水泳教室の参加者は子ども▼19人に対してコーチが▼4人でした。4人のうち1人は水の中で指導する指導員、残りの3人は外から見守る監視員という体制でした。

この体制について別の施設で20年以上、子どもたちに水泳指導をする井上裕介さんによりますと…

「監視の人数は問題はないのでは。ただ、飛び込みをさせてしまったことが問題。しっかり子どもが入水する瞬間を見ていないといけない」

さらにもう一つ課題があったと話します。
腰につける浮き具「腰ヘルパー」は▼ヒモで固定→外れやすく、▼顔が上げづらく不安定ということで、井上さんは「子どもが不規則な動きをする“遊び時間”での使用は不適切」ではないかということです。

“遊び時間”に使用するならば、「アームヘルパー」と呼ばれる両腕につけるタイプの浮き具であれば、外れにくいですし、安定して顔が浮きやすい状況になるということでした。

ホラン千秋キャスター:
子どもたちは、教えてもらっているときは規則的な動きをしますが、遊んでいるときは不規則な動きをします。その中で何かあったときに、異変に気づきづらいところはあるのでしょうね。

若新雄純 慶応大学特任准教授:
小さい子がプールではしゃいで遊ぶ行為は、かつて私たちも子どもの頃に経験してきたと思います。
このくらいの年齢になると大きなプールに飛び込んでみたい子が多いと思います。そして多くの場合は、“飛び込む”という行為が、危険だと思っていない。ほとんどの場合は日常の中に流れていったのだと思います。
ただ、事故は万が一の確率で起きてしまいます。その“万が一”ということにどれだけ意識を向けるか。小さい命が失われてしまい、日常のなかに潜む“万が一”との向き合い方を考えさせられました。

■事故のほとんどは“入水時” 注意すべきは子どもの見え方 

南波キャスター:
その“万が一”が起きやすい状況もあるそうなんです。

水難学会 斎藤秀俊会長
「プールでの事故のほとんどが入水時」

今回は5歳の男の子が亡くなりましたが、大人と子どもで“プールの深さ”の見え方が違うそうなんです。どういうことかというと、光の屈折の関係で大人が見えている底の位置よりも、子どもの方が浅く見えるということです。

水難学会 斎藤会長
「子どもはプールサイドに手をかけ、ゆっくり足を入れる。子どもが入る前に必ず大人が深さを確認。なるべく一緒に遊んであげることが重要」

日比麻音子キャスター:
今回プールの中にいたのは、大人が1人だったという認識で間違ってはいないですか?

南波キャスター:
水の中に1人、外には3人いました。ただ、1人のコーチが物を取りに行ったと。もしかするとそのときに落ちた可能性はあるのでは、という話をコーチが実際にしているということです。

日比キャスター:
亡くなった男の子は、しばらく水から上がってこなかったということです。どうしたら防げたのかと考えると、やはり、もう少し水の中での様子を確認することを徹底した方がよかったのではないかと思います。

若新 慶応大学特任准教授:
大人が子どもとどうつきあうか、先生が子どもとどうつきあうかといった中で、最近ものすごく厳しく指導することも疑問を呈されたりしますが。ちょっとしたことで頭ごなしに怒鳴ることは時代遅れかもしれないけど、命に関わることだけは大人が厳しく注意し、強く言う。
普段はちょっとしたことでは怒ってこない大人たちも、身の危険の及ぶところだけは怒鳴ってくる。大人が怒鳴るシーンは本当に命に関わる場所なんだってことだけは、社会全体で作る必要があると思いました。

ホランキャスター:
ゴールデンウィークはお出かけが増えるので、より注意していただきたいですね。

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