自民『保守王国』和歌山で敗戦 6000票余りの差で勝利の維新「皆さんの思いが結果につながった」
23日行われた衆参5つの補欠選挙で、自民党は4勝した一方、和歌山1区では、日本維新の会の勢いを止められず敗れる結果となりました。今後の政局には、どのような影響があるのでしょうか。
政権の「中間評価」と位置づけられた衆参5つの補欠選挙から、一夜が明け。24日朝、岸田首相が記者の問いかけに応じました。
岸田首相
「与党、自民党の議席を増やしていただくことができた。自民党が、重要政策課題を掲げたものについて、しっかりやり抜けと叱咤激励をいただいたと受け止めている」
衆議院の解散について聞かれたところー。
岸田首相
「今、解散総選挙については、考えていません」
固い表情を崩しませんでした。
今回の補欠選挙で自民党は、もともと持っていた3議席を上回り、4勝1敗と勝ち越す結果となりました。
ただ、党の地盤が強固な山口2区などで接戦になるなど、苦戦を強いられた選挙区が多く、高揚感には乏しいようです。
(自民党3役経験者)「結果はよかったが中身が悪い」
(岸田首相の側近)「こんな接戦が多いと、すぐに解散を打つのは厳しい」
唯一、敗戦を喫したのが、「保守王国」といわれた和歌山の補欠選挙です。
応援に訪れた岸田首相に、爆発物が投げ込まれる事件が起き、全国から注目を集める補選となった衆院・和歌山1区。
厳戒態勢での選挙戦を余儀なくされるなか、総理は22日にも再び和歌山入りしました。応援演説には菅前首相や、茂木幹事長などの大物議員を送り込み総力戦を展開しました。
小池百合子東京都知事
「笑う“門”には福来たる」
さらに、二階氏に近い小池百合子東京都知事まで和歌山入りして、自民候補を応援しましたが、支持は思うようにのびませんでした。
和歌山1区の補選で初当選を決めたのは、日本維新の会公認の新人・林佑美さんです。
維新が、和歌山県内から国会議員を出すのは初めてです。
林佑美さん
「自民党のやりかた、古い政治でなく、新しい政治をしてくれる人に任せたいという、皆さんの思いがこの結果につながった」
自民党候補に6000票余りの差をつけての勝利に、胸を張りました。
日本維新の会・吉村洋文共同代表
「地方における政治の実績。この積み上げを信頼してもらったのだと思う。まともな野党。自民党がびびるような、野党が日本の政治に必要」
昨年8月に和歌山市議選で初当選したばかりの林さん。それからわずか8か月での国政挑戦に、当初は知名度不足もささやかれていましたが、それを補ったのが大阪で絶大な人気を誇る吉村共同代表です。
日本維新の会・吉村洋文同代表
「私、河内長野で生まれ育ちまして。河内長野は和歌山の県境でして…」
自身と和歌山との「近さ」をアピールしながら……。
吉村共同代表
「全て永田町で決めるんじゃなくて、大阪関西、地方を強くいていく政治が必要」
関西が一体となって、成長戦略を描いていく必要性を訴えました。
「保守王国」和歌山で、貴重な1議席を得た維新。統一地方選・前半戦の勢いを、持ち込んだ勝利に「維新の独り勝ち」との声も出ています。
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