電気代↑も「値上げができない」 “6割”価格転嫁できず切実現場(2023年4月21日)
食料品や燃料価格など様々な物の値段が上がっているなか、6割近くの企業が電気代の増加分を価格に転嫁できていないことが分かりました。「値上げしたくてもできない」現場からは切実な声が上がっています。
■電気代↑も「値上げができない」
家計を圧迫している物価高と光熱費の高騰…。
40代(4人家族):「一番(困っている)値上がりは、毎日よく使っていた卵ですね」
70代(5人家族):「今までガスと電気で1万ちょっとぐらいだったのが、4万5000円とかきて、嘘でしょと思って」
嘆き節が止まりません・・。
80代(2人家族):「お給料だけ上がらないのは。あとは全部上がっていく」
帝国データバンクが企業に行った調査によりますと、1年前と比べて電気料金は約4割増加。その一方で「全く価格転嫁できていない」という企業が6割近くに上り、電気料金の高騰で企業負担が増えていることが分かりました。
電気料金が上がっても価格を転嫁できない…。なぜなのでしょうか。
約240台のゲーム機が並ぶゲームセンター。ゲーム機は常に点けっぱなし、さらにゲーム機が熱を発するため、エアコン、扇風機、サーキュレーターも点けっぱなしにせざるを得ず、電気料金が月に20万円も増えたといいます。ところが…。
ゲーセンミカド運営部本部長・深町泰志さん:「(Q.値上げをするなどの対策は?)正直そこは考えてないんですね。ゲームセンターのゲームって、やっぱり100円で遊ぶイメージ」
「ワンプレー100円」が基本のゲームセンター。
来店した人:「100円が110円とか120円になったら面倒くさい。上がってほしくはないですね」
またゲーム機の仕様上、10円単位の値上げができないということです。
ゲーセンミカド運営部本部長・深町泰志さん:「200円、1プレーという倍になる。形にしか値上げができないので、正直、値上げというのは基本的に考えてない。できない形ではありますね」
家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる2022年度の消費者物価指数は、前の年度より3.0%上昇。41年ぶりの上昇幅となりました。なかでも34.1%も上昇した料理に欠かせないものとは…。
■ラーメン店 値上げのWパンチ「ギリギリ」
ラーメン店「バリ男」。今、頭を悩ませているのが食材と光熱費の高騰というダブルパンチです。
らーめん「バリ男」店主・岩崎誠さん:「ガスの料金なんですが、去年3月は33万8474円。今年3月は38万8292円。約2割の値上げ。電気ガス水道、2割・2割・1割で上がっているので約(月に)10万円以上、上がっている」
その光熱費より厳しいのが、食材など原材料費の高騰です。例えば食用油は総務省によりますと、前の年度に比べて34.1%も上昇しています。この店では半年前に麺類を50円値上げしましたが、苦しい状況が続いています。
らーめん「バリ男」店主・岩崎誠さん:「我慢しているだけ。ギリギリ…これくらいしか利益が出なくても頑張って耐えようと思う。もう笑うしかない」
今後、食材のさらなる値上げが見込まれるなか、1000円出してお釣りが来るラーメンを提供したいと岩崎さんは再値上げに踏み切れずにいます。
らーめん「バリ男」店主・岩崎誠さん:「本当は値上げしなきゃいけないが、難しいやっぱり。うちはラーメン一杯、一番安いもので850円。例えば950円とかどんなだろうなと思いながら、本当は値上げしたくない。本当は100円、150円上げないと(採算が)合わないが、そういうわけにもいかない。必要最低限の利益だけをいただくことを考えると、50円が限界」「(Q.50円の値上げでやっていける)50円でも苦しい。もちろん。もう超苦しいです」
物価高や光熱費高騰で負担増を強いられている家庭と企業。いつまで我慢すれば良いのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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