裁判での書面で『岸田内閣による安倍氏の国葬決定』を批判 総理に爆発物で逮捕の男(2023年4月18日)

裁判での書面で『岸田内閣による安倍氏の国葬決定』を批判 総理に爆発物で逮捕の男(2023年4月18日)

裁判での書面で『岸田内閣による安倍氏の国葬決定』を批判 総理に爆発物で逮捕の男(2023年4月18日)

和歌山市で岸田文雄総理の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件。逮捕された男が、去年の参議院選挙に立候補できなかったのは不当だとして国に対して訴えを起こし、退けられていたことがわかりました。

 (MBS前田春香アナウンサーリポート)
 「ダイバーが爆発現場の近くの海に潜っています。捜索活動が行われているものとみられます」

 4月18日午前10時ごろから、警察は現場となった和歌山市の雑賀崎漁港近くの海に潜り、爆発した筒の部品などを捜索しました。

 4月15日、和歌山市の雑賀崎漁港で岸田総理に向かって爆発物を投げたとして、威力業務妨害の疑いで逮捕された木村隆二容疑者(24)。警察の捜査で、現場で爆発した筒が約40m飛んでいたことがわかりました。木村容疑者のいた場所から岸田総理までは約10m。筒は落下してから約50秒後に爆発し、200人の聴衆の上を通過。約40m離れた倉庫に当たって跳ね返り、いけすの網の上に落ちた可能性があるということです。演説会場には複数のボルトやナットのようなものが落ちていたということです。

 一方、木村容疑者が選挙制度に強い不満を持っていたとみられることが明らかになりました。裁判記録によりますと、木村容疑者は去年7月の参院選で立候補できる30歳に達しておらず、また、供託金300万円が用意できなかったため立候補できませんでした。これを受けて木村容疑者は、国に10万円の損害賠償を求めて去年6月に神戸地裁に訴えを起こしていました。木村容疑者の主張は…。

 【木村隆二容疑者 去年10月の主張書面】
 『年齢の要件は何ら理由がなく、原告が社会的経験に基づく思慮が十分ではなく、その分別を有しないとされる差別である』

 さらに、安倍晋三元総理の国葬を決めた岸田総理への批判も…。

 【木村隆二容疑者 去年10月の主張書面】
 『岸田内閣は故安倍晋三の国葬を世論の反対多数の中で議会での審理を経ずに閣議決定のみで強行した。このような民主主義への挑戦は許されるべきものではない』

 弁護士をつけない本人訴訟で争った木村容疑者。神戸地裁が去年11月に訴えを退けたため木村容疑者は控訴しましたが、控訴の理由の中にも選挙制度への強い不満が現れている記述がありました。

 【木村隆二容疑者 控訴状】
 『既存政治家は国民の信任を経ずとも(旧)統一教会の組織票で当選し、利益を不当に独占し、国民に損害を与え続けている』

 木村容疑者とみられる男は、国会議員にも接触して被選挙権の引き下げを求めていました。

 (大串正樹デジタル副大臣)
 「選挙に出る上で被選挙権を自分がもっていないということで、国会議員であればそこは法改正するべきではないかと。自分が(選挙に)出られないのは憲法違反ではないかということをかなり主張されていた」

 大串デジタル副大臣は去年9月、兵庫県川西市の市議会議員の「市政報告会」に出席。木村容疑者とみられる男から約20分にわたって被選挙権などについて質問を受けたということです。大串氏は現時点では今回の事件の動機につながるかはわからないとしています。

 警察の調べに対して木村容疑者は黙秘を続けていて、警察は動機などについて詳しく調べています。

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