【検証】爆発物の「形」と「音」に専門家は?岸田総理襲撃と安倍氏銃撃に”共通点”も(2023年4月15日)

【検証】爆発物の「形」と「音」に専門家は?岸田総理襲撃と安倍氏銃撃に”共通点”も(2023年4月15日)

【検証】爆発物の「形」と「音」に専門家は?岸田総理襲撃と安倍氏銃撃に”共通点”も(2023年4月15日)

岸田総理が選挙の応援演説を行う直前に会場で起きた爆発事件。
爆発までのおよそ50秒間、現場では一体何が起きていたのでしょうか?

観衆の頭上を横切った筒状のものが総理のすぐ後ろに落下。このときはまだ爆発せず、白い煙を上げています。
その直後、男が取り押さえられた際、手には長さ数十センチの銀色の筒状のものが握られています。
総理の背後に不審物が落ちてからおよそ50秒後、不審物が爆発。付近には男が握っていたものに似た筒状のものが落ちています。

▼爆発物は手製の「パイプ爆弾」か

(現場を目撃した人)
「発煙筒みたいなの投げたわ」
「爆弾みたいな銀色の筒が投下されて…」

容疑者が投げたとみられる、“銀色の筒状のもの”はいったい何なのか。

(銃器研究家高倉総一郎さん)
「いわゆるパイプ爆弾と呼ばれるような金属の筒を使った手製の爆弾だと思います。こういう給水管の金属の筒、こういったものを使ってそこにそれ用のキャップを両側しめ付けて爆発します」

金属製のパイプを加工した「パイプ爆弾」。これは警視庁が過去に公開したパイプ爆弾の写真。今回の事件で用いられたものと非常に形状が似ています。

(現場を目撃した人)
「僕の左のほうを四角いたばこサイズの“薬莢”かなんか飛んでいきました。なかなかのスピードでしたよ」

これはアメリカで見つかったパイプ爆弾のX線写真。本体のほかには、着火用と思われる配線しかない単純な構造だとわかります。

▼なぜ時間差?爆発音まで“50秒”

サタデーステーションが注目したのが「爆発音」です。
筒状のものが投げられてから爆発音がするまでの“50秒”。

(現場を目撃した人)
「じっとみたときに青と赤のものがてかてかと光って導火線のところに煙がバーッとあがるのが見えた」

映像をよくみると、容疑者の右手に“黒いもの”が握られています。

(銃器研究家高倉総一郎さん)
「状況から考えると、可能性として導火線に火をつけるためのライターの可能性がある。爆発する前に少し煙が上がっていたという話がありますから、最も火をつけるために単純な導火線が燃えている火、煙の可能性が高いと思います」

”50秒”の狙いは何だったのでしょうか?

(銃器研究家高倉総一郎さん)
「例えば既製品の手りゅう弾は3~4秒で爆発しますが、 今回のように数十秒あるということはもしかしたら1.脅迫目的で爆発させる2.自分が逃走する時間を稼ぐために設定した可能性が考えられます」

一方、設計ミスの可能性もあるといいます。

(銃器研究家高倉総一郎さん)
「落下させたときに何らかの異常が出て爆発が遅れた可能性もあると思います」

▼安倍氏銃撃との共通点「音」

そして思い出されるのは、去年7月、安倍元総理が演説中に、容疑者の男が自作した銃で、撃たれた事件。
今回の事件との類似点が「音」にあるといいます。

(銃器研究家高倉総一郎さん)
「発砲音、爆発音、音の低さであったり大きさ、あとは白煙量の多さはよく似ています」

安倍元総理の事件では、“独特の音”により、銃撃と認識できず、対応が遅れた可能性も指摘されていました。

(安倍氏銃撃の目撃者)
「その時はまさか銃で撃たれているとも思わずなにか音響機器か何かが破裂したのかくらいの」
「ボカンボカンこれくらいの感じで本当にイタズラかと思いました」

検証のため、改めて爆発音を比較すると、確かに、どちらも低く重たい音です。爆発音が似ていることから、基本的な構造が共通していることがわかるといいます。

(銃器研究家高倉総一郎さん)
「構造自体はすごく似ていると思うんですね。金属の筒から燃焼ガスを噴き出して破裂させるという共通点。前回の場合ですとそこから片側のキャップを閉めずに金属の弾丸を飛ばす。今回の場合はキャップを閉めてそれ自体を破裂させるという感じになるんですが、大きな違いというのはそのことぐらいで、あとは共通していますので発砲音も似てくると」

警察は今回爆発した筒状のものについて、構造などを詳しく調べるとしています。

サタデーステーション 4月15日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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