【世界の異常気象】米で「1000年に1度の降水量」 町は瞬く間に冠水“SOS”相次ぐ(2023年4月14日)
アメリカ南部フロリダ州で大規模な洪水が発生し、街全体が浸水するなど深刻な被害が出ています。気象当局は「千年に1度の降水量」として警戒を呼び掛けています。
■米で大規模洪水 空港浸水
ドアを開けると、そこは別世界に。道路は川と化し、激しい風で引き起こされる波。車は水没、わずかに屋根が顔を出すのみ。トンネルに流れ込む大量の雨水。まるで滝のように降り注ぎます。警報もなく突然降った大雨…。わずか数時間で600ミリの雨量を記録。一気に雨が降ったため、街は瞬く間に冠水。
アメリカ南東部のフロリダ州を発達した低気圧が襲い、街は混乱。車が動けなくなり脱出する住民。その横を車が通り過ぎ、あわや大事故にもなる一幕も…。住宅街も水が押し寄せ、家の中に取り残された子どもたちをレスキュー隊が助け出します。
空港も冠水。周囲の道路の水位が急激に上がり、動けなくなり取り残された多くの車。滑走路にも流れ込みます。フロリダ州の国際空港は一時閉鎖。650便が欠航する事態に。
市内の道路は完全に麻痺。止まっている間に水があふれ、レスキュー隊が車から男性を救出。オフィスビル街も水浸し。よく見ると、泳いで移動している男性の姿も…。冠水した道路を泳いで横切ったようです。
■「警報出なかった」予想外の豪雨
特に被害が大きかったのはフロリダ州の沿岸の町、フォートローダーデール。ここは「アメリカのベニス」と呼ばれる海辺のリゾート地。標高0.5メートルの低い土地が広がっています。そのため大雨が降ると海との境目がなくなり、街のほとんどが浸水。
フォートローダーデール市・トランタリス市長:「どの天気予報からも警報は出てなかった」
この町に断続的に雲が掛かり、予測できない豪雨をもたらしたのです。気象当局は千年に一度の降水量と、短時間で記録的な大雨になったと公表。人や車だけでなく、浸水した牧場に馬も取り残され、少しでも乾いた土地を求め牛たちも移動していました。
専門家は、今回の大雨は気候変動による海面上昇が原因の一つと指摘しています。
テュレーン大学気候力学・トーンクイビスト教授:「2010年ごろから海水面が上昇し始めました。ノースカロライナ州からテキサス州南部に至る地域で上昇スピードは劇的に速くなっています」
フロリダをはじめとするアメリカ沿岸の海面上昇が低気圧を発達させたといいます。
テュレーン大学気候力学・トーンクイビスト教授:「これは異常な状況です。その要因の一部は気候変動と地球温暖化です」
今回のような突然の豪雨がこれからも増えるだろうと専門家は警鐘を鳴らしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く