“消えた20億円”夜の街で豪遊? 歯科矯正トラブル 被害者が告訴状を提出(2023年4月11日)
実質無料の歯科矯正で歯並びが悪化したなどとして、患者が訴えている問題で新たな動きです。歯科クリニックの社長ら5人について、患者らが警視庁に告訴状を提出。ANNは消えた20億円について、社長を直撃取材しました。
■「1円ももうけない」社長を直撃
社長に話を聞くため、運営会社を訪れました。この問題では、集めた20億円近くが行方不明になっています。銀座など全国に展開する歯科クリニック「デンタルオフィスX」。それを運営する「グランシールド」の中村佳敬社長です。
運営会社「グランシールド」中村佳敬社長(45):「(Q.20億円の所在は分かっている?)分かっていないです」「(Q.分からない?)弊社は1円ももうけというか、1円もお金はきていないですし」
■無料のはずが…「歯並び悪化」
11日、患者らが告訴状を警視庁に提出。詐欺などの罪で告訴状が提出されたのは中村社長ら5人についてです。告訴状などによりますと、中村社長らは歯科矯正の治療費について、患者がSNSなどで宣伝すれば、報酬が支払われて実質無料になると勧誘しながら、支払わずに合わせて560万円余りをだまし取ったとされます。11日午後、被害者らが会見を開きました。
患者らの弁護士:「歯が抜けたままの状態でそのまま放置されてしまってるような深刻な健康被害を訴えている」
また、同様のトラブルを訴える患者153人が合わせて2億円近くの損害賠償を求めて1月に集団提訴していました。弁護団によりますと、被害総額は20億円近くに上るとみられています。
およそ2年前にモニター契約を結んで187万円を支払った女性。治療を受けられるうえ、謝礼として毎月5万円が戻るということでした。しかし去年3月、クリニック側から謝礼金が支払われなくなります。ウクライナ侵攻が原因だというのです。
クリニック関連会社:「ウクライナ、ロシア問題などの海外情勢の影響で、海外口座からの送金取引が停止しているということが主な要因です」
一方で、去年4月、運営会社の社内会議の音声が残されていました。
運営会社「グランシールド」中村佳敬社長(45):「ロシアとかウクライナとか突っ込みどころ満載の文章が出ていたんですけれども、今となって思えば、あの時はあれが最善だったなっていうくらい笑える内容なんですね」
130万円の被害女性(30):「完全にバカにしてますよね、この人。笑い話とか意味分からなくないですか?」
社内会議での音声を中村社長に聞かせました。
運営会社「グランシールド」中村佳敬社長(45):「(Q.ロシアのウクライナ侵攻は関係ある?)全く関係ないと思います。まず何が起こっているのかを明確にする、究明する段階で、皆が混乱してるなかで、僕としてはどんな発言をすれば、和やかな空気になるかというふうな形で不用意な発言というような。それによって患者さんを軽視してるわけではなくて…」
本意ではなく、会議を和ませるためだったと弁明したのです。中村社長によりますと、クリニックを立ち上げたのは3人。自ら社長を務める運営会社が運営資金を出資。実際の治療計画は伊藤医師、モニターの患者を管理していたのは関連会社の社長だったといいます。
■“消えた20億円” 夜の街で豪遊?
運営会社「グランシールド」中村佳敬社長(45):「クリニックのクレジットカードを使ってキャバクラとか。月に300万円から400万円、1クリニックなんで、その当時、4クリニックあったんで、大体(月に)2000万円近くは使ってる計算になる」
しかし、関連会社社長は運営会社の代理人弁護士との会話でキャバクラなど私的に使ったのは1億円以下だと主張しています。
関連会社社長の音声(去年12月):「僕が持ち逃げしているという話もあったと思うが、全くそういうのはない」
そして、金は伊藤医師にも流れていると主張します。
関連会社社長の音声(去年12月):「マネジメント会社に対して払っているお金で、少なくとも4億円から5億円くらい。半分は(マウスピースの)材料費ですが」
しかし、伊藤医師は過去のインタビューで報酬はほとんどないと話しています。
歯科医師・伊藤剛秀氏(44):「3年間で30万円くらい」
1円も受け取っていないという運営会社社長、報酬は30万円だという歯科医師。2人は嘘をついているという関連会社社長。20億円はどこに消えたのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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