「病院連れて行って」体重は20キロ以上減 スリランカ人女性の映像公開 名古屋入管(2023年4月6日)

「病院連れて行って」体重は20キロ以上減 スリランカ人女性の映像公開 名古屋入管(2023年4月6日)

「病院連れて行って」体重は20キロ以上減 スリランカ人女性の映像公開 名古屋入管(2023年4月6日)

おととし、名古屋市の入管施設で収容中に亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん。弁護団によって、亡くなる直前の映像の一部が公開されました。

日本語を学ぶため、留学生として来日したウィシュマさん。名古屋の入管施設に収容されたのは、2020年8月のことでした。今回公開された映像は、翌年の2月22日、亡くなる12日前からのものです。

体調不良を訴えてから1カ月以上。医師の診察は受けていましたが、入院には至っていませんでした。

亡くなる11日前、2021年2月23日の映像です。
ウィシュマさん:「私、きょう夜、死ぬ」
看護師:「死ぬ?大丈夫、死なないよ。死んだら困るもん」
ウィシュマさん:「病院もって行って、お願い」
職員:「なんで病院行きたいの?今」
ウィシュマさん:「何もできない。もうできない」
職員:「うん、わかったわかった」
ウィシュマさん:「お願い。長い時間、食べてない。長い時間、寝てない。1カ月、1週間」
職員:「病院に行けるようにボスにお話するけど、きょう行けるかわかんないから」

病院へ行きたいと訴えるウィシュマさん。しかし、入管庁の報告書によりますと、職員の多くは、仮放免に向け、大袈裟にアピールしていると疑っていました。

亡くなる前日。うめき声をあげるしかないほど、体力が衰えていました。看護師は、ウィシュマさんの手をさすってはいるものの、雑談を続ける様子が映し出されています。

そして、次の日。
職員:「指先ちょっと冷たい気もします」

呼びかけても反応はありません。病院に搬送されましたが、約1時間後、死亡が確認されました。死因は、脱水と低栄養とされています。体重は、入管に収容されたときから、20キロ以上減っていたそうです。

映像の公開にあたって、遺族と弁護士が会見を開きました。
ウィシュマさんの妹・ワヨミさん:「姉がどのように苦しみ、救いのない環境で見殺しにされたか。日本の皆さんに知っていただきたい。姉のような犠牲者と遺族をもう出さないでほしい」
指宿一弁護士:「これから入管法、改悪法案の審議が始まろうとしている。でも日本の市民、有権者含め、誰もビデオを見ていない。この状況で審議が始まるのはありえない」

来週にも審議入りする見込みの入管法改正案。難民申請を2回却下された人の強制送還を可能にすることが柱の一つです。ただ、おととし、ほぼ同じ案が提出されましたが、ウィシュマさんの問題を受け、与野党が対立し、廃案になっていました。

去年、日本で難民認定された外国人はわずか202人。認定率が欧米に比べて圧倒的に少ないのが現状です。
駒井知会弁護士:「難民鎖国政策続行強化の改悪案は、絶対許してはならない。難民鎖国の中でこれをやってしまうと人が死ぬ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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