「出張買取人」謎のSOS…所持金ゼロ男性に“人情査定” 85歳男性は“値上げ交渉”も【Jの追跡】(2023年4月1日)

「出張買取人」謎のSOS…所持金ゼロ男性に“人情査定” 85歳男性は“値上げ交渉”も【Jの追跡】(2023年4月1日)

「出張買取人」謎のSOS…所持金ゼロ男性に“人情査定” 85歳男性は“値上げ交渉”も【Jの追跡】(2023年4月1日)

24時間365日、あらゆるモノの買い取りに駆け付ける“出張買取人”。

値上げラッシュのなか、身の回りの不用品をお金に変えたい人が急増しています。

しかし、SOSの声は実に様々。夜の街でトラブルに見舞われ、全財産を失ったと訴える男性や、なぜか買ったばかりの真新しい家電の数々を手放したいという男性もいました。

“出張買取人”が見た、買い取り現場の人間模様を追いました。

■深夜のSOS「無一文に…」 切実依頼のワケは?

午後11時半。深夜に、緊急の買取依頼が入りました。

出張買取24時 松井次郎さん:「お邪魔します、失礼します」

依頼したのは、40代の会社員男性。開口一番、切実な事情を明かしました。

依頼人(40代):「日曜日、過ごせないと思って…」
松井さん:「あした?」
依頼人(40代):「あした過ごせないと思って。売ろうかなと…」

聞けば、あすの食費にすら困っていると打ち明ける男性。よく見ると、顔には痛々しい傷痕があります。一体、何があったのでしょうか?

依頼人(40代):「金とられて…」
松井さん:「お金とられた!?」
依頼人(40代):「(飲んだ帰り道)歩いていた。(相手の男と)肩が当たったか、『裏来いや』って言われた。『行ってやるよ』っていったら、いきなり殴られて。それ以降は、覚えていない」

数日前の夜のこと、男性が大宮駅近くの繁華街を歩いていたところ、若い男に因縁をつけられた末に暴行を受け、気が付いた時には病院に…。財布からは、手持ちの現金がすべて抜き取られていたといいます。

依頼人(40代):「13万円抜かれたんで…」
松井さん:「13万円とられちゃったんですか!?えー!!財布に、そんないっぱい入れていたんですか?」
依頼人(40代):「お金入ると、全部財布に入れるくせがあって」

給料日の直後に痛すぎる悲劇。男性は、警察に被害届を提出。けがは5針を縫うほどだったといいますが、むしろ問題は、当面の生活費です。

依頼人(40代):「貯金は…していない」
松井さん:「お金に困って、頼れる人は?」
依頼人(40代):「いないです」
松井さん:「なるほど…」

とにかく値段が付くものは、何でも買い取ってほしいといいます。

松井さん:「いつごろのモノ?」
依頼人(40代):「2年…1年半ぐらい前」

まず差し出したのが、ゆずってもらったという石油ストーブ。ところが…。

松井さん:「あれ…09年って書いていますよ?」
依頼人(40代):「えっ…?」
松井さん:「平成21年製じゃないですか?」
依頼人(40代):「平成21年ですか…」

石油ストーブは、14年も前に製造された物。家電製品は、製造後5年を過ぎると、市場価値が急落。ほぼ「買い取りの対象外」になるといいます。

でも…。

松井さん:「1000円ぐらいなら、お気持ち付けられる…」

あまりにも気の毒と思った出張買取人。14年前の石油ストーブに1000円の“温情査定”。

松井さん:「趣味で集めているものとか、昔の小銭とかないですかね?」
依頼人(40代):「ないですね…」
松井さん:「あぁ…そうすると…どうしようかな…」

何とか見つけたのは…。

松井さん:「すごくキレイだったので、500円だけつけさせていただきます」
依頼人(40代):「ありがとうございます」

カセットコンロが、500円になりました。

松井さん:「お食事代くらいにしかならないですけど…」
依頼人(40代):「すみません。ありがとうございます」

結局、値段がついたのは2点のみ、1500円の買い取りとなりました。

この1500円で、数日しのがなければならないのだとか。

依頼人(40代):「(Q.今、物価って高く感じませんか?)高いですね…」「(Q.何が高くなったと感じますか?)ビールですね…」

松井さん:「きょうは、お酒は買わないでください」

その後、男性は職場の人にも助けを求めたそうです。

■20代男性 “真新しい家電”売りたい…事情

次の依頼人は、20代の男性。友人の手を借り、引っ越しの準備に追われていました。

聞けば、この部屋に住んで、まだ4カ月だといいますが…。

松井さん:「急に転勤とかになっちゃったんですか?」
依頼人(20代):「そうです。仕事の都合で」

仕事の都合で退去するといいますが、実は一刻も早くこの部屋を出たい、もう一つの事情があったのです。

松井さん:「わっ…使ってない!ほとんど使わなかったんですか?」
依頼人(20代):「ほとんど使わなかったです」

買い取りを希望したのは、4カ月前に買ったばかりだというピカピカの冷蔵庫に、同じく4カ月前に買った電子レンジ。さらに洗濯機と、いずれもまだ購入してから日が浅い、真新しい家電ばかりです。

すると男性は、越してきたばかりのこの部屋を引き払いたい、もう一つの理由を打ち明けました。

依頼人(20代):「元彼女と一緒に住んでいて…その別れもあった」「(Q.楽しい同居生活を夢見ていた…?)残酷でした…。待っていたのは」

楽しい生活を思い描き、家電など一式を新調したものの、あえなく振られ、彼女は部屋を出てしまったのだとか。

依頼人(20代):「気付いたら、ごはんもインスタントになっていた。ちょっと同居が早すぎた」

思い出の家電、果たして買い取り価格はいくらに?

松井さん:「冷蔵庫が3000円と洗濯機が2000円。(電子)レンジと炊飯器は1000円ずつつけさせていただいて」

家電4点で合計7000円の買取額。まだ新しいわりには、なかなかシビアな査定額にも思えますが…。

松井さん:「非常にキレイですよね。ただこの時期、冷蔵庫、洗濯機が毎日入ってきます。在庫がすごく多くなってしまっていて、なかなか(値段が)付きづらい。週に(冷蔵庫や洗濯機合わせて)大体500台くらい入ってくる」

依頼人(20代):「そんな入ってくるんですか」

引っ越しシーズンのこの時期は、生活家電の買い取り依頼が殺到するため、在庫が過剰になりがち…。買い取り額が、他の季節と比べ下がってしまうそうです。

それでも新たな門出に整理がついた男性は、思い出の品を手放し、ふっ切れた様子。

依頼人(20代):「ちょっとでも(元彼女との思い出が)残っているのが嫌。許せない。一気に無くなった感じがして、ありがたいことに。これでスッキリ行けそうです」

■85歳男性は値上げ交渉も…“愛車”売るワケ

さいたま市に本部がある「出張買い取り24時」。買い取った品物は、ネットオークションなどで販売しています。買い取りの対象は、実に多彩!

依頼人(20代):「毎日、通勤に使っていたけど、乗らなくなってきた」

買い手が付く物であれば、中古の自動車はもちろん、なんと巨大な工事用の重機まで!基本的になんでも買い取ります。

この日も、ちょっと変わった“クルマ”の買い取り依頼がありました。

依頼人:「こちらになるんですけど…。シニアカーですね。父親が乗るために買った」

1年半ほど前に購入したという「ハンドル型電動車いす」。手放してしまって、いいのでしょうか?

依頼人:「乗ってないんだよな?とにかくな」
依頼人の父親:「(走行距離)300キロぐらいしか乗ってない。300キロじゃない、30キロか」「(Q.もう乗らないんですか?)歩けるようになったから、乗らないんですよ」

実は、依頼人の父・85歳の一美さん。一時は足を悪くしていたものの、懸命のリハビリのかいもあり、自分の足で歩けるようになったため、もう必要ないのだといいます。

一美さん:「全然乗らないんだから!」

38万円で購入した電動車いす。一体いくらに?

出張買取24時 信濃優多さん:「9万5000円でのお買い取りです」

査定額は9万5000円。すると…。

一美さん:「ちょうど10万円にならない?頑張って、どうですか?ちょうど10万円になってくれれば」

なんとも、お元気!一美さん自ら値上げ交渉です。

信濃さん:「これから暖かくなって、シニアカーで出かけるお客様がいるので…ピッタリ10万円で」
一美さん:「ありがとうございます」

一美さん、粘り勝ちに笑顔。希望通り10万円での買い取りとなりました。

依頼人:「満足ですね、大満足です」
一美さん:「高く買い取ってくれたからうれしい」

しっかり立ち上がり、買い取り人を見送った一美さん。これからも、お体を大切に。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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