「冷たかった」乗客が証言 京都・保津川下りで船転覆…船員が1人死亡1人行方不明(2023年3月28日)

「冷たかった」乗客が証言 京都・保津川下りで船転覆…船員が1人死亡1人行方不明(2023年3月28日)

「冷たかった」乗客が証言 京都・保津川下りで船転覆…船員が1人死亡1人行方不明(2023年3月28日)

京都府亀岡市の保津川で28日正午前、川下り船が岩にぶつかり転覆しました。船には当時、大人22人、子ども3人、船員4人の合わせて29人が乗船していました。船員4人のうち、田中三郎さん(51)の死亡が確認され、40歳の男性の行方が分かっていません。

事故当時、船に乗っていた親子に話を聞くことができました。

救助された乗客:「(Q.水の中にはどのくらい入っていた)落下して100メートルくらい流されていると思う。(Q.お子さんとはずっと一緒にいれた)はい。(Q.水に落ちた時、どういった思い)まずいなと」

救助された乗客:「もうゆらゆら揺れてて、転覆するかも。それで揺れすぎて転覆した。そのまま泳ぐのは危ないので、自然と流れていって、足がつくところまで着いたので、それで島に到着しました。(Q.冷たかった?)めちゃくちゃ冷たかった」

保津川下りは、京都府の亀岡市から嵐山まで、16キロほどの渓流を2時間近くかけて下ります。この時期は桜も見ることができるため、外国人観光客などにも人気のスポットでした。

事故は、比較的に流れが急な大高瀬という場所で発生。別の船に乗っていた人から通報がありました。

別の船に乗っていた人が通報:「後方で保津川下りをしていた船が転覆した。二十数人が乗っていたと思う」

事故の様子を別の船から見ていた乗客は、こう話します。

別の船の乗客:「岸に止めて助ける人は助けてという感じ。(Q.乗客の様子は)岸にいた。(Q.心臓マッサージは)されてましたね。(Q.川の流れは)僕らも初めてだったので、速いなとは思わなかった」

京都は、27日までの10日間の雨量が75ミリと、平年の2倍降っていて、水かさが多くなっていた可能性はあります。保津川遊船企業組合によりますと、船員の数は水位の高さによって変えていて、この日は4人体制だったといいます。

川下りを運営する保津川遊船企業組合の豊田知八代表理事は、こう話します。

豊田代表理事:「皆さん、この度はご心配とご迷惑をお掛けして申し訳ございません。操船ミスがありまして、舵を持っていた船頭が、船の外に落ちてしまった。空舵の者は自力で上がることができて、その後、救助にあたったと聞きました」

豊田代表理事によりますと、船には4人いて、後部の1人は舵取り役を担っていました。しかし、舵取りが操作を誤り、バランスを崩した川に落下。慌てて、他の船員が舵を取ろうとしましたが、船は左前方にあった岩に衝突。その衝撃で船は右側に向いて傾き、転覆してしまったと話しています。

亡くなった田中さんは船の先頭に、行方不明の男性は船の右側にいました。

豊田代表理事:「本来はありえない操船の形にはなっていると思います」

乗客25人全員が救助されましたが、そのうち9人が打撲などの症状を訴えています。

2週間前には4年ぶりのイベントが行われ、コロナで激減した観光客が戻り始めた矢先の事故でした。

豊田代表理事:「(亡くなった船員は)温厚で、愛すべきキャラクターで、みんなに好かれていて、非常にお客さんの対応も良いと聞いている船頭でした。ベテランで、これからも保津川下りの中核をになってもらえると期待もしていましたし、こんなことが本当にないので。400年間、技術を継承してきて、守ってきて、通常流せる水量でこんなことになってしまって、本当に情けなくて」

ベテランでも防げなかった今回の事故。国交省はこれまでも、救命胴衣着用の徹底を呼び掛けていました。保津川では、2015年にも船員1人が亡くなる事故が発生。改善策として、乗客乗員に救命胴衣の着用を徹底するとしていました。

豊田代表理事:「(Q.救命具はみんな着けていた)着けています。船頭も装着しています」

警察などは、29日午前7時から船での捜索を再開する方針です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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