【報ステ解説】総理の“やる気”が“本気”に変わるのか “異次元”少子化対策(2023年3月27日)
政府は、今週中にも“異次元の少子化対策”の具体化に向けたたたき台をまとめます。細かい制度設計など詳細は不明ですが、これまでに分かっていることです。
【児童手当の拡充】
現在、15歳までの子どもがいる世帯に、原則、月1万~1万5000円を支給。年収によって減額や支給されない世帯もあります。これを対象年齢を18歳までに引き上げ・所得制限の撤廃などの案が出ています。
【“壁”の解消】
現在、配偶者の扶養に入っている人の年収が一定額を超えると、社会保険料の負担が発生し、手取りが減る、いわゆる『106万円の壁』『130万円の壁』があります。これを“壁”を超えても手取りが減らない取り組み支援が検討されています。
【保育所の利用条件を緩和】
現在、親が一定の時間以上、働いている、同居家族の介護をしているなどがありますが、これをすべての家庭が利用できる制度にすることが検討されています。狙いは、専業主婦でも第2子以降の子育てをしやすくするためです。
【育児休業中の給付金を充実させる】
現在、賃金の67%を給付となっていますが、これを両親ともに、育児休業中の手取りを実質10割の確保にするという案が出ています。狙いは、男性の育児休暇を取りやすくするためです。
フリーランスや非正規雇用の人も含め、育児で収入が減るリスクに対応した新たな経済的支援も創設するとしています。
◆政治部・千々岩森生官邸キャップに聞きます。
(Q.異次元の少子化対策は裾野が広くて大仕事になると思いますが、岸田総理がそれをすることだけの腹を括っているかどうかですが、どうでしょうか)
岸田総理は“やる気”はあると思います。たたき台に先立って、17日に記者会見もしています。今の官邸を見ていますと、3月に入って自信を持ち始めていると感じます。日韓関係改善、ウクライナの訪問、支持率も回復傾向にある。政治的に難しい課題に取り組む環境ができつつあるのだと思います。『130万円の壁』など社会保障の壁について、自民党内にプロジェクトチームを作って対策を練るという案もすでに動き出しています。
(Q.最大の課題は何でしょうか)
やはり“財源”です。年間、数兆円規模になるとみられますが、増税など、国民への負担は避けられないと思います。加えて、育児休業中の給付金の拡充を表明していますので、各企業の負担も避けられない。個人・企業、幅広く社会を納得させられるか。もう一つ、社会保障は、お金だけではなく、価値観や意識の部分が大きい。官邸内では「異次元というのだったら、選択的夫婦別姓にまで踏み込むべき」という声もあります。ただ。自民党内には反対の声も根強く、こうした価値観、いわゆる“自民党の壁”を壊せるかどうか。「やる気があります」だけではなく、「岸田総理は本当に本気なんだ」となるのかどうか。この辺りもポイントだと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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