わざと湖“決壊”?パキスタンで15万人の街水没 事前告知なく「犠牲にされた」(2022年9月6日)

わざと湖“決壊”?パキスタンで15万人の街水没 事前告知なく「犠牲にされた」(2022年9月6日)

わざと湖“決壊”?パキスタンで15万人の街水没 事前告知なく「犠牲にされた」(2022年9月6日)

 大規模な洪水被害に見舞われたパキスタンで、また新たに約15万人が住む地域が水没しました。ただ今回の被害は自然災害ではなく、人が湖をわざと決壊させたということです。一体なぜ、そんなことが起きたのでしょうか。

 通常、堤防は守ります。しかし、ここでは意図的に決壊させました。

 堤防が壊されたのはパキスタンのマンチャール湖。

 南東部のシンド州にある国内最大級の湖で、インダス川や大都市「セーワン」などと隣接しています。

 AP通信によれば、こうした都市部の人口は約50万人。

 人やヒツジが行き交い、洪水の被害は免れているようです。

 堤防整備の副責任者:「もしここでマンチャール湖が決壊したら、セーワン(隣接する都市)がすべて消えるだろう。それを防ごうと闘っている」

 こうした努力が限界に近付いたということなのでしょうか。

 ショロ灌漑(かんがい)担当相によれば現地では4日、堤防の一部が「わざと壊された」といいます。

 現地メディアは、この時の様子を掲載。右側の水位が高く、湖とみられ、左に流れ出ているように見えます。

 この結果、大都市セーワンには水は行かなかったとみられますが、これで一件落着とはいきません。

 堤防の一部を壊すことで、水は北部の「ジョヒ」などに流れ込みました。

 放水後とみられるジョヒの町。地平線が見えないほど水があふれ、人々は家財道具とともにボートで避難しています。政府への怒りを隠せません。

 ジョヒの住民:「政府は何らかの措置を講じるべきだと思う。放流をされた住民は何も知らなかったのだから。すべてをなくし、食べ物さえない状態です」

 AP通信によれば、犠牲になった地域の人口は合わせて約15万人。「主要都市の50万人」を救うため、犠牲になった形です。

 ジョヒの住民:「船はあるが、どこに行けばいいんですか?お金がかかるので大半の人は乗れないし」

 問題は他にも…。

 マンチャール湖がある「シンド州のトップ」は放流で被害に遭った村の出身です。この村にだけ、あらかじめ「避難するよう警告が出ていた」といいます。

 ジョヒの住民:「私たちは犠牲にされたんだと思います」

 大きな遺恨を残した堤防の破壊。パキスタンの灌漑担当相によれば、湖の水位はその後も「高いまま」だといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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