藤井五冠【会見ノーカット】「楽しい時間だった」「強さ感じた」(2023年3月12日)

藤井五冠【会見ノーカット】「楽しい時間だった」「強さ感じた」(2023年3月12日)

藤井五冠【会見ノーカット】「楽しい時間だった」「強さ感じた」(2023年3月12日)

 「レジェンド」の羽生善治九段を4勝2敗で破り、王将のタイトルを守った藤井聡太五冠。対局後の会見では「非常に楽しい時間だった」「羽生九段の強さを改めて感じた」などと話しました。会見の質疑は以下の通りです。

ーー初防衛を果たされた気持ちは。
藤井五冠:そうですね、非常に難しい将棋が続いたシリーズだったと思うので、大変な将棋ばかりだったと思うんですけれども、そのなかで防衛という結果を出せてうれしく思っています

ーー挑戦者がタイトル100期がかかる羽生九段。これまでと比べて違うところは。
藤井五冠:羽生九段とタイトル戦の大舞台で対戦できるというのは私自身も非常に楽しみにしていました。内容としてもすべて違った戦形になってそのなかで一定って考えるという展開で非常に充実感のあるシリーズだったかなと思いますし、そのなかで羽生九段の強さを感じた場面も多くあったなというふうに感じています。

ーー最年少六冠を目指して棋王戦あと1勝。4月には史上最年少名人がかかる挑戦者も決まっている。抱負は。
藤井五冠:これからも棋王戦や名人戦を始め重要な対局が続くので、それらのタイトルに向けてしっかりいい状態にしていければと思いますし、少しずつでも実力を伸ばしていけるように取り組んでいければと思っています。

ーー今回の七番勝負、出だしが先手番の棋士が白星を積み重ねていって2勝2敗になった。これまでの藤井さんの七番勝負ではなかったこと。2勝2敗になった時の心境と羽生さんの強さをどこに感じられたのか。
藤井五冠:1点目についてですけれど、第4局は長考し場面でミスをしてしまって局面のバランスを崩してしまったので、残念なところもあったんですけれど、ただ、改めて三番勝負という形で気持ちを切り替えて臨めればと思っていました。今シリーズ振り返ると羽生九段の方に良い手をたくさん指されたなと感じていて、第1局で3七歩と指された手であったり、第2局で8二金と打たれた手であったり。それまで気付いていなかったんですけれども、どちらも考えてみるといい手だなということが分かってきたので、長時間の対局で時間を使って考えて指すなかで改めて羽生九段の強さを感じるところは大いにあったのかなと思います。

ーー終局後「将棋の奥深さを感じた」というコメントもあった。羽生九段と楽しそうに検討されている様子もあった。対局で厳しいなかで面白さもあったのか。
藤井五冠:やっぱり今シリーズすべて違う展開の違う将棋になって、自分自身、経験の少ない将棋も多かったですし、そのなかで感想戦も含めてそういった局面を考えることができるというのは自分にとって非常に楽しい時間だったというふうに感じています。

ーー今までは特定の戦形に固まった盤勝負が多かった。今回は違う。どちらが好みはありますか。
藤井五冠:いや、そうですね…。今回のシリーズがすべて違う戦形や展開になったのは羽生九段の方が意図されたところがあったのかなというふうには思うんですけれど。そうですね…。一つの戦形を考えるのも非常に面白いところがあると思うんですけれども、今回のシリーズ自分自身、経験の少ない新鮮な局面が多くて、やっぱり面白かったですし、勉強にもなったかなと思っています。

ーー今シリーズは羽生さんとたくさんの時間を共有された。一番印象に残っている立ち居振る舞いなどはありますか。
藤井五冠:そうですね…うーん。そうですね、羽生九段が第1局の終局後のコメント、8時間持ち時間があっても短いという趣旨のことをおっしゃったと思うんですけれども、そうですね、その言葉も非常に印象に残りましたし、自分自身も言葉の意味を実感したシリーズだったなと思っています。ただ、感想戦でも本当に色々な検討をすることができて、その点も非常に勉強になったなと思っています。

ーー羽生九段と対戦経験があったと思うが、盤勝負で初めて分かることがあるという。闘ってみて初めて分かったことは。
藤井五冠:今回のシリーズで8時間という持ち時間で6局指すことができて、うーん、今まで以上に羽生九段の柔軟さ、あるいは積極性を感じる場面が多かったかなと思います。先ほど、第1局の3七歩という手をあげたんですけれど、3七歩自体、少しなんというかふわっとしたところがあるんですけれども、こちらが踏み込む手を選択すると一気に終盤に入る可能性があるというところで。私も指される前はやりづらいのかなと思っていたんですけれど、指されてみるとその3七歩に対応する、こちらが攻めていく、どちらも難しいということが分かったので、少しやりづらそうに見えるところを掘り下げてそこに可能性を見出すというのが強さなのかなと感じたところもありました。

ーー非常に充実されたシリーズだったという話。この盤勝負がどう生きてくるか。
藤井五冠:本当に今回6局とも違う展開になって、そのなかでうまく判断できない局面というか、うーん、自分にとって苦手というか課題となる展開というのもなんとなく見えたところもあったと思うので。そのあたりを改善できるように取り組んでいければと思っています。

ーー今回佐賀県での対局初めて。いかがだったか。
藤井五冠:対局は今回が初めてだったんですけれど、昨年も何度も呼んでいただいていて、自分自身では対局していて初めてという感じはしなかったですし、快適に対局できたかなと感じています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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