【事故】柵が腐食で折れ…“世界遺産”で転落事故 “老朽化”で危険な橋は全国各地に

【事故】柵が腐食で折れ…“世界遺産”で転落事故 “老朽化”で危険な橋は全国各地に

【事故】柵が腐食で折れ…“世界遺産”で転落事故 “老朽化”で危険な橋は全国各地に

島根県にある世界遺産「石見銀山遺跡」で川沿いの柵が折れ、もたれていた女性が転落し亡くなりました。柵は腐食していて、このような“老朽化”による危険な橋が、昨年度末の時点で全国に6万1407箇所あるといいますが、その約6割で修理などが未着手だといいます。

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島根県大田市が誇る世界遺産「石見銀山遺跡」は、どこか懐かしさを感じるレトロな町並みです。その一角で8日、観光で訪れた女性が木の柵にもたれかかったところ、木の柵が破損。愛知県から訪れていた田上やすえさん(68)は、約4メートル下の川に転落し、亡くなりました。

現場の近くには、石造りのアーチが特徴の羅漢町橋(らかんちょうばし)があります。人気撮影スポットの1つで、何があったのでしょうか。

観光客
「水がきれいだから、のぞきたくなるのかな」

「寄りかかるだけじゃ崩れなさそうだと思うんですけど。木も太いですし…」

木の柵は、女性がもたれかかるだけで折れました。2010年に町並みに合わせて作られたものでしたが、“腐食”していたというのです。

大田市・建設部土木課 青戸将典課長
「約2年前に危険ということで、一応、注意喚起していた」

市によると、2年前に柵の腐食を確認し、コーンを置くなどして近づけないようにしていたといいますが、その後、作り直されることはなく、腐食についての注意書きもありませんでした。

市は、日常的に通行量の多い道路の修繕を優先させていて、予算が回せなかったと説明しました。柵の修繕は、腐食の判明から2年が経過した、来年度の予定だったということです。

大田市・建設部土木課 青戸将典課長
「今後このようなことが二度とないように、早急な修繕に努めていきたいと思います」

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町中に潜む“老朽化”の危険は、ほかにもありました。国土交通省によると、全国に72万2176か所ある橋を点検したところ、腐食などが確認され「修繕が必要」とされた橋は、昨年度末の時点で6万1407か所あるといいます。

しかし、そのうち対応が終わっているのは約17%で、着手済みが約24%、未着手が約59%あるといいます

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栃木市にも、「緊急の修繕が必要」とされた牛落橋があります。橋の手前には通行止めの看板があり、4年以上、通行止めの状態になっています。約60年前につくられた橋は柱の倒壊の恐れがあり、さらに台風の影響で一部が落橋。市は2019年から復旧工事を計画していましたがなかなか調整が進まず、来年度以降、建て替え工事を始める予定だということです。

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死亡事故は、修繕が間に合わずに起きてしまいました。観光地や生活圏に潜む老朽化の危険に、早急な対応が求められます。
(2023年3月9日放送「news every.」より)

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