太平洋津波警報センター「心臓部」を取材 遠地津波 命を守るカギは|TBS NEWS DIG

太平洋津波警報センター「心臓部」を取材 遠地津波 命を守るカギは|TBS NEWS DIG

太平洋津波警報センター「心臓部」を取材 遠地津波 命を守るカギは|TBS NEWS DIG

次は東日本大震災から12年。被災地の今を見つめる「つなぐ、つながる」プロジェクトです。はるか遠くから押し寄せる津波は地震の揺れを伴わないため、避難行動をとるのが難しいと指摘されています。国際的な津波監視の拠点を取材しました。

ハワイ・真珠湾。アメリカ軍が管理する湾内の島に太平洋津波警報センターはあります。今回、私たちはその「心臓部」の撮影を特別に許可されました。

太平洋津波警報センター ワインスティーン副所長
「この部屋で太平洋とカリブ海の大地震や津波を24時間監視しています」

このコントロールセンターは、世界の津波の8割が発生する太平洋の情報を集約する「要」。12人の職員が交代で震度や潮位のデータに目を光らせ、情報は日本の気象庁など46か国の当局と共有されます。

記者
「コントロールセンターは左右対称の作りになっているんですが、別々の電源や回線につながっていて、片方が故障しても、もう片方で監視が継続できるということです」

太平洋津波警報センター ワインスティーン副所長
「これが地震のデータモニターで、白い丸は直前1分以内にデータを取得していることを示しています」

震度計は600か所以上に設置され、複数の地点で異常を検知すると職員のポケベルにも通知。地震の「震源」と「規模」で断層がズレた向きを解析し、津波の到達時間を予想、警報を出すのです。

太平洋津波警報センター ワインスティーン副所長
「水深が深いほど津波は速くなりますし、私たちは断層の形状を想定した様々なモデルを持っています」

さらに、海底およそ60か所に設置した水圧計により、数センチ単位で津波を検知、予想の精度を更新していくということです。

東日本大震災の際には、アメリカや南米でも2メートルを超える津波を観測しましたが、最大6時間前には津波到達予想の情報が送られていました。

こうした津波観測網の重要性を伝える場所がハワイ島にありました。

太平洋津波博物館 ダッドリー共同設立者
「遠くで起こる地震は揺れを感じないので、住民は津波が向かっているという危機感を持てないのです」

1946年、ここ「ヒロ」ではアラスカ沖を震源とする地震で96人が死亡。これを受け、アメリカに津波警報システムが作られました。

しかし、1960年のチリ地震では津波の5時間ほど前に警報が出ていたにも関わらず、見物に行く人が続出、61人が死亡しています。

太平洋津波博物館 ダッドリー共同設立者
「悲しいのは津波が来ない年が続くと津波の恐ろしさを忘れてしまうことです。東日本大震災で警報が出た時、(島で)警察の検問を避けて海まで写真を撮りに行く人もいた」

12年前の大震災を機に新たな解析法が実用化され、今では、津波到達予想にかかる時間は45分から25分にまでほぼ半減しています。

太平洋津波警報センター ワインスティーン副所長
「我々は解析時間をさらに10分ほど短縮しようとしています。情報を早く知ることができるほど多くの命を守れるはずです」

高度化する津波予想。ただ、命を守るカギは情報を受け取る私たちにあることは言うまでもありません。

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